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麗しの昌平君『キングダム』

昌平君が大好き
キングダムに登場する、秦の総司令兼右丞相の昌平君

軍略の天才かつ実は武力もめちゃくちゃある
ポーカーフェイスに見えて熱いところもある

今回はそんな彼への想いを綴りたいと思います。
※以下内容には単行本70巻までの内容と史実ネタバレを含みます


昌平君を好きになったシーン

はじめにあーこのキャラ好きかも、と思ったのは初登場の10巻
蒙武が政に六大将軍の復活を上奏するシーンでの以下のやりとり

蒙武「武の証明だ
  この蒙武こそ中華最強!!
  その証明以外一切の興味無し!!」
蔡沢「相変わらず言うことがでかいのォ蒙武
  中華最強か じゃが妙じゃのォ
  すでにそこに貴様より強い男が一人おるぞィ
  なァ昌平君!?」
昌平君「冗談が過ぎますぞ 蔡沢殿」

『キングダム』10巻

え?この人このでっかい男より強いの…?
明らかに“武の象徴”として描かれているこの男より…?

私は頭のいいタイプが好き
冷静なタイプが好き
成長過程の主人公たちよりすでに強い先輩ポジションが好き
(鬼滅でいうとかまぼこ隊より柱みたいな)

そんな私にとって、なんかめっちゃ強い匂わせをされた、軍師学校をやるほど頭のいいキャラとくれば惹かれないわけはなかった

初登場から「これはいいキャラ」オーラが漂いまくっていた昌平君、この後の展開で私の目が間違っていなかったことが証明される


好きでよかった!加冠の儀

まず、キタコレ!!!となったのは合従軍編
王である政が政敵である昌平君に蕞での戦いについて相談し、昌平君がそれに協力するというシーン
昌平君推しの私はこれはきたぞと立ち上がった

これまで“敵”という立場であった昌平君が
なんだかこちら側に歩み寄ってくれている
いい展開になる匂いがぷんぷんする


からの加冠の儀

歓喜の涙です

ありがとうございます最高にかっこいいです

河了貂への手紙から、昌平君の近衛兵の参戦
少しずつ、少しずつ出される“兆し”


そしてついに来たその時

「世話になった」


きたあああああああああああああ
あああああありがとうございますうううう
ついに昌平君が、呂不韋の元を離れ大王側についてくれるという神展開

推しが敵から味方になる神展開

そこから、今までは見られなかった“現場で戦う昌平君”
(ポニーテール君と呼んでる)

しかもそれが強い…
10巻での“蒙武より強い”匂わせを回収するかのような強さ

自分の好きなキャラクターがほかのキャラクターに褒められるのは公式からの褒め言葉なので大好きなんですが、ここでの戦いで昌平君は介億や昌文君はじめ、敵である戎翟公からも褒められてニマニマが止まらなかった
ついでにこのあたりではずっと涙も止まらなかった

やっぱり私の見る目は間違っていなかった
初登場の10巻から加冠の儀の決着の40巻まで30巻
ずっと好きでいてよかった

私がキングダムで一番面白いと思うのは合従軍編だけど、一番好きなのも一番読み返したのも40巻

しかし、これだけで終わらないのが昌平君という男だったのです

余談ですが、アニメキングダム4期後半のOP
zonjiさんのgekiがとてもいい。
サビがとてつもなく好きなんですが、
そのサビでいつもの昌平君からポニーテール君になる演出が素晴らしく、毎度毎度そのシーンだけは必ず画面に食いついて見ていました。


史実までドラマチックな昌平君

ふと「右丞相と左丞相ってどっちが偉いんだろう」と考えた
日本の右大臣と左大臣では右大臣のほうが上だけど、右丞相 昌平君と左丞相 昌文君では上下あるのかなと気になった

そこはちゃんと確かめたいのがヲタク心。

ネタバレを踏まないように気を付けながら
「右丞相 左丞相 どっちが偉い」と検索をした

……やめておけばよかった。
そんな好奇心、そっと置いておけばよかった
冷静に考えたら、丞相になる時昌平君は確定で昌文君は李斯とどっちがなるかでギリギリ勝ったわけなので昌平君のほうがきっと上
そもそもどちらが上とかどちらでもいい

でも推しがより良い立場でいることを確認したいヲタク心に負けた

検索結果をざっと見ていると、ある文が目に入った


昌平君 秦 裏切り

すぐ携帯を置いた
きっと裏切りとは加冠の儀で呂不韋を裏切ったことだ、と自分を納得させて右丞相左丞相の件を調べるのは諦めて寝ようとした

でも気になった
だって“秦を裏切った”みたいに書いてなかった…?

気になって、気になって、眠れない。

意を決して再び携帯を取り出した
ネタバレを受け入れる覚悟をして

そこには「なぜ昌平君は秦国を裏切った?」みたいなタイトルで昌平君が秦を離れ、楚についたことが書かれていた
そもそも昌平君は楚の公子で、楚国侵略の際に楚に寝返り、蒙武が討伐軍として出陣し、昌平君を討ち取ったこと等が書いてあった
(追加情報を得たくないので詳しく調べていません。間違っている箇所があればすみません…)

え?主人公ですか?この人
そもそも楚の王の子だったのですか?
王子ってこと???
楚に戻って討伐にきたのが蒙武???
あの、仲良し蒙武????
なんだこのドラマチック展開!!!!

その後、キングダム連載前の読み切りで『蒙武と楚子』という蒙武と昌平君の二人の物語があることを知り、なんとか手に入れて読んだ

そこには幼い蒙武と昌平君(楚子)の出会い、
人質として秦にきた楚子の苦悩、
蒙武と楚子の二人で名をはせるという約束、
そしてはじまる楚への侵略……という内容

昌平君のキャラクターは見た目含め現キングダムとは結構違うけど、屋敷の案内に蒙武を指名するときの表情がいじわるでとてもよかった
あと蒙武の姉の秋さんがとてもいい女で2人の関係においてとても重要なポジションだった…
本編にもでてきてくれないかなあ


あちこちにある匂わせ

思わぬ形で史実バレをふんで、『蒙武と楚子』を読んで受け入れる覚悟ができたら“わかって見たらわかりやすすぎる伏線”がはってあることに気づく

まずは前述した加冠の儀での咸陽での戦
介億が昌平君の強さについて語るシーン

介億「ゾッとするであろう
   あの御方が「秦」ではなく
   生国の「楚」で立っていたとしたら」

『キングダム』40巻

この言葉にゾッとしている昌文君と壁
史実を知らずに読んでいたころの私はただニマニマしてたけれど、知ってから見ると「あ…」と…
この人、「楚」に立ちますね…後々…
この言葉がのちに楚に立って敵対した時の恐ろしさをより引き立てるなあと感心

ついでに見返せば、呂不韋から離反する際
呂不韋はこんな風にも言っていた

呂不韋「だが貴公は本来人の下につくような人物ではない」

『キングダム』39巻

この呂不韋の発言も、もともと楚の公子という人の下につくような立場ではなかった、という意味にもとれるし、人の下にはつきたくない性格→秦で政という王の下にいたくない→楚の王になるという匂わせにもとることができる

悔しいけれど、史実を知ってみると余計おもしろく感じてしまった

その後、長かった朱海平原での戦を終え、
魏と同盟を結んでの什虎城での戦
(魏軍は呉鳳明やら荀詠やら龍范やらと美形が多くてずるい)

久しぶりの蒙武の戦だーなんて思っていたら、あまりにも昌平君のことを匂わせてくるのでびっっっっっっくりした

蒙武vs満羽のシーン
なぜか蒙武に興味をもつ満羽
蒙武はなにかを背負っていると言う満羽
それが、虚無を悟る前の自分達に似ていると

満羽「今の俺の楽しみはお前を背負うものごと打ち砕くことだ」

(※昌平君の絵とともに)    『キングダム』60巻

満羽「……蒙武…
  お前が何を背負っているかまでは分からぬ
  それがすでに死んだ人間の思いならば
  永劫に力となるであろう
  だがそうではなく……
  生きている者の何かを背負っているとしたら
  お前は一つだけ覚悟をしておかねばならぬ
  それに裏切られることがあるやも知れぬ
  ということを」

(※蒙武と昌平君(らしき人)の昔の絵とともに)  『キングダム』61巻

満羽「次に会う日まで背負っているものを失くしていないことを願うぞ 蒙武」

『キングダム』61巻

いや、こんなにもわかりやすいことある?
史実を知らない状態でも、これを読んで“昌平君が裏切る未来”を予想しない人おる?
と、いうか昌平君が裏切る匂わせはいいとして
蒙武は昌平君の何を背負っているのですか?
この書き方じゃあただ仲良し昌平君に裏切られるだけっていうだけではないような…

そもそも蒙武は合従軍戦で汗明との戦いの最中、気を失いかけた時に昌平君の言葉を思い出して覚醒するし
(その頃蒙恬は父を心配してたのに…不憫)
この2人の絆、ただならぬ気配を感じる…

今後この2人の物語はどう描かれるんだろう…


おわりに

原先生は一度『蒙武と楚子』にて昌平君の最期を描いたことがあるわけだけど、果たして本編キングダムでは同じ流れになるのか?
きっといろいろと変えてきそうだし、それが非常に楽しみ

史記にある文章に“書かれていない部分”をどれだけ膨らませるか、それが歴史ものの物語のおもしろいところだし、原先生はそれを膨らませるのがすごく上手でいらっしゃるので、
もしかしたら“昌平君が悪者にならない”シナリオを描いてくれるかもしれない…とかすかな希望を抱いています

いまからどのように昌平君の人生がキングダムで描かれるのか、楽しみでならない



実際に書いてみたら、私の昌平君への思いってこんなに浅くて陳腐か…?と思うほどに浅くて陳腐な文章になってしまったけど、一度吐き出させてもらいます。
とりあえず書いてみようの精神でした。
手直ししたくなったら、同じことでもいいからまた書こうと思う次第です。

エヘンエヘン、かしこ。

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