も・う〈詩〉

シャワーヘッドの 小さな穴から
繋がって出てくる ぬるい水
いい匂いがするシャンプーは
昨日詰め替えたばかりだから 少し重い
プッシュすると 中から押し出されて
沢山出てきた ほら、気持ちいいね

ベトベトした髪に 水とシャンプーを同時に当てる
おでこのニキビと先週の出来事以外を
全部流してくれている もう
昨日は寝ていなくて いまは5時半
満員電車の映像と 雨の日の匂いは
たぶん君も嫌い。

自分でスイッチを入れたのに
ドライヤーの音を全身が嫌がる
嫌がる身体は水分がほしいの
そうとわかったら台所
家族が起きてきた おはようは無い
蛇口をひねると 自信満々に冷えた水 歯に染みる

この時間にシャワーを浴びてしまったのだから
大学には行くしかない もう

蛇口をひねれば水が出て スイッチをいれれば頭が乾く
シャンプーは満タンで、喉はもう潤った
大学に行けば、先生は勝手に喋る。
学生も勝手に喋る。僕は勝手に寝る。

それでいいのに、それじゃダメと言う僕がいる。

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