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私の生きづらい性格を形成した家庭環境と向き合った話

 まず最初に、虐待を受けたり貧困で苦労したりといった「支援が必要な家庭」ではなかったことだけはお伝えしたい。
 近年は“毒親”、“アダルトチルドレン”など様々な言葉が飛び交うように成りましたが、私の家庭はそういった類のものだと思います。ここでは敢えてそうした枠組みを用いず、「私が辛かったのだ」という、私自身の感情をもとにお話を進めていきます。
 そうした枠組みに入らなければ弱音を吐くことが許されない…と思ってしまう方もいると思うので(私自身がそうだった)。

  1. 当時の家庭環境
     父方の祖父母と弟を含めた6人家族で、両親ともに過干渉なタイプ。特に父親は、敢えて子どもに逆らわせないような威圧をする人でした。
     色々経て、私自身はすっかり「親に気に入られないと、家のルールに従わないと生きていけない」という強迫観念のようなものを抱くようになりました。これが中高の話です。
     大学生になると、祖父母が老いてきたことも相まって家族間に亀裂が入るようになりました。しかし当事者である父親はもちろん、アウェイな母親も下手なことは出来ず、第三者であるが故に比較的自由に立ち回れる私が潤滑油として良好な家庭環境を保とうと努力し始めました。母親の愚痴を聞いたりなどのフォローもして、恐らく子どもとして担う役割としては重すぎたのだと今となっては思います。
     しかし、良好な家庭環境を保つことは実家の暗黙のルールであり、上述した強迫観念も相まって、潤滑油としての役割を果たさねばという一心でした。

     結果として形成されたのは「問題や不安があれば自分が解決しなければならない」という焦り?や、それを達成するために過度に不安に敏感になった私でした。

  2. うつになったきっかけ
     こうした家庭環境が背景とコロナで家に居ないといけない時間が増えたことにより、潤滑油としての役割が激増しました。
     結果として積もり積もった負担に潰され、あまりの自分の変わり様におかしいと思い、心療内科を受診してうつ病と診断されました。

  3. 家庭環境のせいにしきれなかった
     ここまで読んで「明らかに家や父親のせいだろう」と思うでしょうし、詳細には書きませんが精神的な圧力はかなりかけられていたことは事実です。
     しかし、実は父親自身も似たような境遇…いや、もっと過酷な圧力の中で育っていたのです。幼少期から伝え聞いたものを繋ぎ合わせただけですが…。
     そして「親も初心者」という言葉もあるように、完璧な親などいないしなぁと、幾度となく湧き出た本音に蓋をし続けてきた気がします。

  4. そして、父親との飲み(長くなります)

 先日勇気を出して、父親と飲みに行ってきました。自責思考な私は、父親に「本当は辛かった」と伝えていいものかと何周も考えていました。3.でも書いたように、父親もまた被害者であったことは事実だからです。
 そんな中で、果たして「父親のせいでこんなに生きづらい性格になってしまった」みたいなことを言い放ってしまっていいのか。
 でも結局「まずは話してみないことには始まらない」という結論に至りました。その私の決断は、自分で褒めてあげたいなと思います。

 結果として、父親に「私のこうした歪んだ部分は、〇〇だった家庭環境が原因だ」と言ったことを伝えることはできました。そして、父親がそのような行動をとっていた時の心境や、反省した後の今、どう過ごしているのかを聞くこともできました。

 成果としてはこんなもんです。
 でも、この成果とはまた違った形で有益な結論を得ることができました。

【私がこの日の出来事から導き出した結論】家族が反省しても、私の性格は元には戻らない。例えどんな理由があろうと、許せないことは許せなくていい。

 病院の先生に「それは蒼桜さんが解決すべき問題ではないのでは?」とよく言われていましたが、ここで初めてその意見を受け入れることができました。

 うつ初期に「これから親子関係を修復できたらと思っている」と伝えられ、きっと両親はそのために言動を改めてくれたのだと理解はしている。でも「私が解決すべき」という強迫観念もあり、どうにか両親を許さなければと苦しんでいたのだなと気づきました。

 起こってしまった事実は変わらない。相手が反省したことは認めるが、それと許すかどうかは別の問題。しかも親子関係の修復は私が解決すべき問題ではなく、親が頑張るべきことではないか。

 今まで無意識に蓋をし続けていた自分自身の気持ちを、やっと見ることができた。その結果、親不孝な結論を出してしまったかもしれない。でもその是非は置いておいて、ひとまず「私が、私自身の本当の気持ちを知る事ができた」という大きな一歩を踏み出せたのです。

 ただ私の体験を連ねた形になってしまいましたが、私と同じように「自分の気持ちに蓋をしている方」「相手を許してあげなければと苦しんでいる方」などなど、少しでも似た境遇の方に届き、なにかしらのきっかけとなればと思います。

 ちなみにこの飲みの後、トラウマと対峙したからかメンタル面の傷つき方が尋常じゃなかったです。なのでもし何かしら行動に移そうと思われたなら、無理はせずにエネルギーが充填できたと感じてからをおすすめします…、本当に。

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