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My Garden

一人一宇宙。全員が1つの宇宙の中で生きているのではなく、一人一人が宇宙を持っているという意味。そしてそのそれぞれの宇宙の大元は1つである。

常日頃クリエイションをしている生活なので宇宙とコネクトするとか、アイディアが降ってくるとか無意識に使っている言葉だし、ビッと繋がる感覚は体感として持っている。

だけど「一人一宇宙」を頭ではなく感覚的に腑に落とせているか?と言うとなかなか難しく日常では「全員で一宇宙」の感覚が優勢。
何年も前に視える人から「あなたは繊細すぎるから自分を守る石を持ちなさい。他の宇宙に優しくしすぎないでいい」と言われたこともあったが当時は意味不明、さっぱり理解できなかった。

繊細すぎるという若干ネガティブな感覚を含んだ言葉。場や人や物の氣を無意識にものすごく受け取ってしまう、そこに引っ張られ安いという私の性質なのだが、これが起因となってこの夏「一人一宇宙」は思わぬ形で腹落ちし、繊細すぎるという言葉は限りなくポジティブな可能性を持つ言葉へと変容した。


年の大イベントEXTRAVAGANZAが今年も無事に幕を下ろした。今年は板の上に居る時間を多くする選択をしたので、本番へ向けどんどん私の感覚は立って鋭くなっていっていた。気づいていなかったが、触れると今にもパンっと破れてしまいそうな状態だった。自分のことに加え、生徒たちの緊張や不安、舞台に携わるあらゆる氣を今年は特に受け取り、上手く受け流すことができなくなっていた。

それでも無事本番は終えることができ(感謝)、ほっと一息…つく暇もなく限界に達していた私の"繊細ちゃん"は一気に私に牙を向いた。あらゆる感情が濁流の様に押し寄せ、どこから手をつけたらいいのかわからない。体も心も疲れていたが、翌日から東京に行く予定を立てていたので、強制的に環境を一変できたこと、自分だけに向き合う時間が取れたことが本当に救いだった。

溺れているのか、すっからかんなのかもわからない感覚の中、大都会の忙しい街の中にいるとなぜか安心した。そして誘われるように幾つも展示をめぐり、偉大なクリエイターやアーティストの作品に触れているうちに自分の中が少しずつ落ち着きを取り戻しているのを感じた。

何より今回特に癒しとエネルギーをくれたのがこの景色。昔から無性に惹かれる東京タワー。毎夜部屋へ戻りこの景色が見えた時、その佇まいの力強さと美しさにため息が出た。

毎日東京タワーを見ていると、ぐちゃぐちゃになっていた自分と向き合う元気を取り戻したので、ノートを買って自分の中を整理し始めた。思考、感情と丁寧に向き合っていると、本当に私の"繊細ちゃん"は受け取らなくてもいい、あらゆるものを溜め込んでいたことに気づいた。

「この子を守るお庭を持たないと」不意にこの言葉が頭に浮かんだ。

そしてその瞬間「一人一宇宙」ってこういうことかと呆気なく一瞬で腹落ちした。私にとってこの庭と宇宙は同義語である。一人一庭…ガーデン?!語呂が悪いが仕方ない(笑)
言葉が降ってきたと同時にイメージも浮かんだ。テーブルに置けるサイズの小さくて綺麗なお庭。沢山のお花が咲いていて、すごくいい香りがする平和と安心しか感じないこの空間の真ん中に繊細ちゃん、つまり自分がいた。

私たち一人一人はみんなそれぞれ小さな庭を持っている。(シルバニアファミリーのお家を見ているような感じでそのお庭を見てるとイメージして頂きたい。)そこの真ん中に自分が常に居る、居なきゃいけないのだ。
だけどこれまでの私は散歩が大好きだったようで…隣のお庭の枯葉に気づいたり、天候が変わるよって言いに回ったり、他所のお庭のゴミ掃除までしいてた。…もはや可愛いすぎるじゃん(笑)

そう気づいた時かなり心が軽くなった。私のお庭にちゃんと居よう、そう決めた時iphoneからランダムに流れてきた曲…

ガーデン/藤井 風

あまりのタイミングに完全に宇宙…私のガーデンからの「大正解」と言うサインだと思った。

あなたに心奪われ それでも守り続けたくて
私のガーデン果てるまで

涙が止まらなかった。歌詞がもうそのもの。風さんはやはりわかっているんだなと。そして同じ景色を見てたりするのかなと勝手に嬉しくなった。元々大好きな曲だったけどこの時を境にガーデンは新たな曲となり、石替わりのお守りになった。


音楽の力は本当に偉大で、この曲がやって来てくれるまでも、数々の音楽が私を救いに来てくれた。身近にいる素晴らしい可能性を持つ若いアーティストの楽曲は、メロディだけで私を混沌の世界から引き上げてくれた。
Ed Sheeranの過去の曲は改めて刺さるものが多かった。曲が好きで良く聴いていた「Wake Me Up」こんな歌詞だったかと何度も読み直した。なんてない日常を歌っていると思いきや最後の「'Cause maybe I'm Just in love when you wake me up or maybe I fell in love when you wake me up」この巧みな気づきの表現に息を呑んだ。こんな繊細すぎる表現をするEdはどんなお庭を持ってるんだろうと胸が高鳴った。


私のガーデンに居られるのは私だけ。その美しさも侘しさも感じられるのも私だけ。そして守れるのも私だけだ。
繊細すぎるということはこのガーデンを感じ尽くせるということ。であれば、全てを感じ切ってこのガーデンのド真ん中で咲き誇ろう、果てるまで。


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