亡き祖母が書き上げた本から学んだこと

「おばあちゃん、会いたいよ」
携帯画面の中で笑う祖母の顔を、指でそっとなでる。画面は冷たくて、もちろん祖母は黙ったままだ。
祖母が亡くなってから、数年。時が流れても、祖母の肉体が焼かれて小さな骨になってしまったあの日から、ぽっかりと心に空いた穴は、ふさがることがなかった。そして、その穴にぴゅうっと風が吹くたびに、私は祖母に抱きしめられたときの温もりと洗剤の優しい香りを、記憶から引っ張り出しては、そこに顔をうずめて泣いていた。

みんな、どうやって、大切な人の死を乗り越えているんだろう?

祖母のことを想うとき、私の心には、愛おしさよりも、悲しみが多く広がった。その悲しみの正体は、会いたいのに会えない恋しさでもなく、思い出に浸ることでしか祖母と繋がれない切なさでもなく、
「祖母の人生は、はたして幸せだったのだろうか?」
という、疑問だった。


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#天狼院書店 #おばあちゃん   #家族 #大切な人の死 #人生とは

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