イイ音とは
どうも新潟CLUB RIVERSTでPAを担当しております安澤です。
以前はRIVERSTのweb上にあったブログにたまに投稿していた音についてのアレコレですが、メモに下書きが残ってたのを見つけて、せっかくなのでここに記しておこうかなと思い、投稿してみます。
ライブハウスでPA(音響エンジニア)を担当していますので、音に関する相談を受けることが多いのですが、ここに記すことで少しでも何かの足しになってくれたら幸いです。
やはり一番多いのは
イイ音を作るにはどうしたらいいか
という話なんですが…
じゃあその『イイ音』とは何なのか?
今日はそんな話をしたいと思います。
よりイイ音でライブをするということは、演奏する側も気持ちがイイし、聴いている方も気持ちイイ。自分達の伝えたい音楽をオーディエンスに対してより明確に伝えられるし、やっぱり音が良いとバンドがカッコ良く見えます!とにかくイイこと尽くめです。
ただ『イイ音』と一口に言ってもギターもベースもドラムも様々な種類がありますし、アンプやエフェクターなどの関連機材も今は豊富で選び放題、しかも同じ音色でもこのバンドではイイ音として聴こえるけど、あのバンドではこの音は必要とされない…なんてこともあったりします。
そんな感じで『この音を出してればどのバンドでも間違いない!』なんてことはまあそうそう無いと思いますし、イイ音の定義って明確にするのはとても難しい事だと思います。
ではどうしたらイイ音は作れるのか?
自分が思う事をざっと箇条書きであげていきますが、
①自分達のやりたい音楽について今一度しっかり考える。
②その音楽がどういうサウンドで構成されているか考える
③その為に必要な音とはどういう音なのかを考える。
④ バンドであわせながら理想に近づけるべく細かく調整していく。
ざっくりと大体こんな感じだと思います。
①自分達のやりたい音楽について今一度しっかり考える。
『バンドやりたい!』という気持ちがあって、メンバーが集まって『こういうのをやろう!』とそんな感じでスタートするじゃないですか。
その初期衝動というか、自分達はこういうバンドでこういう楽曲を奏でたい!というメンバーの共通認識は進むべき道の『道しるべ』と同じです。
それはコピーもカバーもオリジナルも一緒だと思います。自分達が奏でたい音楽は何なのか、ぼんやりしてよくわからないな…なんてときはメンバー皆で今一度振り返って考えてみましょう。
②その音楽がどういうサウンドで構成されているか考える
目指すものが明確に見えたら次はその目指す内容を分析しましょう。目指すものが、どんなジャンルで、どんなアレンジで、どんなプレイで構成されているのか。一口にバンドといっても内容によってプレイスタイルは全然違います。
各々が出すべき音、するべきプレイがはっきりしてくるはずです。
③その為に必要な音とはどういう音なのかを考える。
②の結果、バンドの中で自分がどういう音で、どういうプレイをしなくてはならないのか。
音作りに関しても演奏する内容についても、メンバーの意識を同じ方向に向け、個々がその役割を果たす。それを踏まえたうえで、使うべき楽器のチョイス、エフェクターのチョイス、アンプのチョイスをしていくと、よりスピーディに音作りも進みます。
とはいえ、チョイスできるほど楽器や機材を取り揃えてる人も中々いないでしょう。
自分もそうでしたが、そもそも最初に楽器を手にする時なんかは見た目の好みが一番大きく、これから演る音楽に合わせて選んでる人なんて少ないのではないかとすら思います。
それに加えて楽器や関連機材というのは高価な物が多いので、おいそれと買い足したり買い替えたりできるものでもありません。
ひとまず手持ちの楽器、機材を使って出来るだけ近づけられるよう試行錯誤してみましょう。(メタル演りたいけどエレアコしか持ってない…というような極端な場合は除きます、笑)
④ バンドで合わせながら理想に近づけるべく細かく調整していく。
そしたら後は練習スタジオに入って、実際に音を出して演奏しながら、個々の音だけでなくフレーズやアレンジを含めたアンサンブルについてメンバー全員で研究して下さい。
特にオリジナルやカバーで独自のアレンジをされる方々は自分の音やプレイだけでなく、メンバーがどういうプレイをしているか、各パートの演奏が噛み合ってるかどうかを意識してプレイするといいと思います。
よく〇〇の音が抜けてこないという話をしますけど、音作りの問題というよりアンサンブル的に聞こえづらい場合が結構あります。
また単体ではイイ音(自分の好きな音)が出せていたとしても、バンドで合わせてみたら聞こえづらかったり、逆に悪目立ちしたりする事もあります。
やはりバンドの醍醐味は息を合わせ、音を合わせる事。メンバー全員で一つの楽曲を演奏しているという事を忘れてはいけません。互いが互いを立て合って、結果として各パートの音がよく聞こえ、イイ音をオーディエンスに届けられるのではないかなと思います。
とまあ、長々といろいろ書いてしまいましたが、結局イイ音ってのは「自分達が奏でたい音楽に見合った音」という事だと思います。
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