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リハーサルについて

皆さんがライブを行うにあたり、大体毎回オープン時間前に会場入りをして、ライブ本番に向けてリハーサルを行うと思います。(時間的な都合が付かなくてリハーサルの時間が取れない時や、フェスやサーキット等の特殊なイベントで直前に軽くサウンドチェックして本番に臨む場合もありますが)
そもそもリハーサルとは何のために行い何をするべきなのか今日はそのリハーサルについてふれていきたいと思います。

リハーサルとは

音楽興行や演劇、あるいは進行が決まっているイベントを進行する前に主に行われる。
音響、照明、舞台装置などと演者の兼ね合い、実際の進行などを最終的にチェックするのが目的である。
予定される内容を実際に行って、その状態をチェックするのが目的ではあるが、この中では関係者の進行内容に対する把握具合を高めたり、機材や設備の最終チェック、また期待された効果が実行中に得られるかのテストといった様々な理由付けが見られ、リハーサル中にはそれらの見直しが平行して行われ、問題が出たら中断して改善され、
問題個所の少し前から再度リハーサルが続けられる。

wikiより

というわけなんですが、
ライブハウスで行われているリハーサルとはどういったものなのかという事をお話していきたいと思います。

ライブのリハーサル目的として

●機材のセッティング〜サウンドチェック
●照明当たり、ライティングチェック
●登場から退場までの進行や、その他演出の確認

大まかにこの3つがリハーサルでの確認事項になると思いますが、僕は音響がメインなので『サウンドチェック』について説明していきます。

サウンドチェック、つまり音の確認です。

ココでチェックするのは

■皆さんが演奏する楽器の音(中音1)

■そしてそれを補助するモニターの返しの音(中音2)

■演奏している音を拾ってバランスを整え、お客さんに聴かせる音(外音)
となっております。

ココで一番重要なのは各音が個別なものではなく「中音1」がすべての根本にあると言うことです。
中音1をPAが拾ってミキサーを設定し、モニター「中音2」に返したり、ホール「外音」に出したりしているわけですから、中音1が変わると中音2も、外音にも影響します。
例えば、リハーサルでの演奏の途中で、自分のギターの音が聞こえづらいと思ってアンプのボリュームを上げたとします。
ボリュームを上げた事によって自分は演奏しやすくなるかもしれませんが、アンプの音が上がったことにより、それを拾ってPA卓に送られている音の信号も大きくなります
ということはドラムモニターにちょうど良く返っていたギターの音も、PAさんが今まさにバランスをとっていた外のギターの音も大きくなります
外に関してはステージの音も普通に聴こえてますのでPAでミックスしてスピーカーから出している音が上がった分に加えて、さらにギターの音が追加されたことになります。
なので、それまでのリハの流れで行ってきたドラムのモニターのバランスも、PAさんの調整していた外音のバランスも変わってしまいます。
また、音量だけでなく音のキャラクターについても同様でして、PAの方で音のキャラクターを調整してもらっても中音がそこそこの音量で客席に届いている場合は、PAを通してない生音の影響で思ったほど効果が得られないなんてこともあります。
ここで大事なのがPAさんとのコミュニケーションです。
個々の音はもちろん、アンサンブルとしてどう聴こえているか客観的な視点かつ専門知識のあるPAさんと意思疎通が出来ていた方がよりいい感じにリハーサルを進められると思います。
「すいませーん!ギターなんですけどアンプの音上げて良いですかー?」とか、
「ベースアンプで低音足してもいいですかー?」というように何か思うところがあるときは、その都度PAの人とコミュニケーションを取りながら変えるようにしましょう。きっと良きアドバイスがもらえたり、調整をし直してくれるはずです。

と言うわけで、「中音1」が変わることがどれだけ重要かお分かりいただけたと思います。

そして「中音1」ではどうにもならない音を補助するためにモニター「中音2」があります。ボーカルやコーラスの声や、キーボードやアコースティックギターなど、アンプを鳴らさない状態でPAに音を送っている楽器の中音はモニターからしか鳴らないため必然的にモニターからの返しが必要となります。
またステージの反対側にいる演者の音を聴きながら演奏したい場合や、ドラムのキックとスネアだけ良く聴きたい場合等、PAで拾っている音は一通りモニターに返す事ができますから、欲しい音はPAさんに注文して返してもらいましょう。 

より心地よく演奏するためにステージの中音を決めるのにもいろいろとやり方がありますが、聞こえない理由は『その音が小さいのか、それとも周りが大きいのか』その判断が運命の分かれ道です(笑)。
ギターやベースが聞こえない場合、アンプで上げた方がやりやすいのか、それともモニターで足元から返してもらったほうが良いのか。
ドラムが聞こえない場合はドラムを返しでもらったほうが良いのか、それとも後ろで鳴ってるアンプの音をを下げてドラムの生音が届くようにしたほうが良いのか。
ボーカルの声が聞こえない場合はモニターで上げるのか、周りの音を抑えるのか…
というように、聞こえないものを大きくするだけでなく他を下げていくという選択肢もあります。
また先程も触れましたが、外音に影響しすぎる場合は最初からPAさんに「下げてくださーい」と言われてしまう場合もあります。

目安としては『ボーカルの声量』を基準に中音の音量を決めるようにするといいんじゃないかなと思います。
前述の通りボーカルの声は、モニターの返しの音がメインになります。マイクとの位置関係上、音量的限界に加えてハウリングという問題も出てきますから、返せる音量レベルというのも大体決まっています。
初めてのハコや、リハーサルそのものに慣れないうちは、それすらもままならないと思いますから、歌がどのくらい聞こえるのか、モニターでどれくらい返ってくるかを確かめるために、リハーサルスタート時はボーカル(コーラス)の声のみを出来るだけ大きく返してもらって、とりあえず演奏してみるといいでしょう。
歌が十分聞こえる場合はアンプの音量にもまだ余裕をもてますが、その状況で歌が聞こえない場合は他を下げていくしかなくなります。

また回り込みといって、外音もステージ上に少なからず影響しています。会場の広さや吸音状況にもよりますが、大きな会場だと外からの回り込みが遅れて聴こえてくる(ディレイがかかってるみたいな感じ)こともあります。
大抵の場合本番お客さんがフロアに入った事によりリハーサルで聴こえていた外音の回り込みが少なくなり、聴こえにくくなる場合が多いです。
その結果本番の方がスッキリしてモニターの音が聴こえて易くなる事もありますが、逆にリハーサルではいい感じに聴こえていた音が聴こえなくなるということも実は起こりがちです。
ということから、試しに外音を切ってもらうとより中音の状況が明確になるので、初めての会場で演奏するときはリハーサルの1曲目はボーカルとコーラスのみ、そして外音をカットしてもらうといいかも知れません。

中音が定まったらフロアに降りれるメンバーが外音を聴いて、どんなバランスで客席に聴こえているか確認しても全く問題ありません。
こういう感じにしたいという要望があったらそれもPAさんとコミュニケーション取りながら調整してもらうといいでしょう。

…という流れの事をライブハウスのリハーサルではするんですが、対バンイベントだと大体これらを30分前後で行わなければならない事が多いのでなかなか大変だと思います(笑)。
これに加えて照明のチェックやら他の演出のチェックがあるとさらに時間はタイトになります。
1分1分が貴重になってますから、セッティングしながら個人的なプレイや調整に熱中しているとあっという間に時間が過ぎてしまい、全然バンドで合わせられずにリハーサルが終わってしまいますので気をつけましょう。
素早くセッティングすればするほど演奏して確認できる時間は増えますので、さっとセッティングして、準備が出来たらバンドの方から「リハーサルいけまーす!よろしくお願いしますー!」と声をかけてもいいと思います!

と、ここまできましたが非常に長くなってしまったので今回はこの辺で!ではまた!

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