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目でなく耳で覚える

今回は実際に音を出していくにあたっての心構えと言いますか音を仕上げるために大事なお話をしていきたいと思います。まず一番言いたいのはタイトル通り

目ではなく耳で覚える

ということです。
リハーサル等で音について意見を述べた時なんかに「いやー、でもコレいつも通りのセッティングなんですけどねー」なんて会話をよくするんですが、自宅、スタジオ、ライブ会場と音を出す環境によって出せる音量もかわりますよね。実は音というものは音量が変わると変化します。
というか聞こえ方の話なんですが、人間の聴覚は音量が小さくなるほど低音域と高音域の感度が鈍くなる性質がありまして、人間の耳の特性上、音量が下がると低音や高音バランスが変わってしまいます。つまり、音がデカくなればなるほど低音も高音も強調されていきます。

なもんで、家で作ってきた音をスタジオで鳴らした時、そしてライブハウスで鳴らした時、きっとそれぞれ音量は違ってくるはずなので、ギターやエフェクターの音量以外の設定を変えてなくてもそれぞれ違った音に聴こえてしまうはずです。
なんなら同じ型のアンプで同じ音量設定で出したとしても各会場のメンテナンス具合や経年変化により個体差はあるので同じコンディションで音が鳴ってくれるとも限りません。
そして家、スタジオ、ライブハウスと鳴らしてる空間の環境によってもかなり左右されます。さらにヘッドホンで聴くのとスピーカーで鳴らすのでは全く聴こえ方が変わるので、ヘッドホンで作ってきた音をただアンプで鳴らしても、きっと思い描いていた音は出ないと思います。

だからいつも通りのセッティングで常に同じ音が出るとは限らないんです。

たとえ予めしっかり作り込んであったとしても理想のイメージに近づけるために現場で多少の補正はしなくてはならないと思います。
というか、そもそも音を作るにあたってもそうなんですが、大事なのはアンプやエフェクターの設定値の先入観に捉われずに耳で聴いて判断することです。

例えばちょっと極端ですが、高音がキツいのでトレブルを下げていったら絞り切ってゼロになってしまったとします。これは目盛りの上でトレブルはゼロですが、音として高音がゼロになっているわけではありません。それでもまだ削り足りないなんて事も場合によってはあります。ですのであくまで音に対して適切な処理を出来るように耳を傾けてください。

そして同じくらい理解していただきたい案件が各パラメーターの意味を理解するということ。これです。音を操作しようにも設定値の意味がわからないと操作しようがないからです。
とりあえず手持ちの機材に付いている各ノブが、どういう値を可変するものなのかしっかりと把握しましょう。
トレブル(高音域)、ミドル(中音域)、ベース(低音域)等、わかりやすく記してあるものもありますが、実際どの辺りの音域がどの程度変わるのかまで把握してる方は少ないように思います。そもそも意外とざっくりしてますし、同じ表記でも機器によって調整できる音域が全然違うので要注意です。
結構あるあるな話ですが、例えば誰かとの会話の中で「もっとミドル上げた方が良いと思う」という話になったので実際そうしてみたけど思ってた感じにならなかった事はなかったでしょうか?
ミドルという言葉は同じでも、会話中のミドルが指す音域と使ってる機器の扱うミドルがマッチしてるとは限らないですし、そもそも会話中の双方のミドルが指す音域の認識がズレているかも知れません。そのくらいミドルという言葉だけで表す音域は曖昧です。
それに加えて、例えばオーバードライブの歪みノブひとつにしても、あるメーカーによっては「GAIN」とされ、あるメーカーは「DRIVE」等とパラメーターの表記が違うものもありますし、エフェクター類には他にも独特なパラメーターを持つものが沢山あります。コンプレッサーやノイズゲートなんかはスレッショルドやレシオ等聞き馴染みのないパラメーターも出てきます。
なんなら物によっては間違った機能として誤解を招き兼ねない表記になってるのもあります。

なのでせめて手持ちの楽器類、いつも使ってるアンプのツマミの機能は何を調整するためのものなのかしっかり調べて、出来たら実際に音を出しながら確実に把握しておきましょう!

まとめますと、変な先入観に囚われずに音をしっかりと耳で受け止めて、適切なセッティングができるように機能を理解して使いこなしましょうというお話でした!
もし迷ったり、わからなかったりしたら一人悩んだりせず、聞いてください。お応えできる範囲でお答えします(笑)。

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