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組織の構造にはどんな種類があるのか?【シリーズ2 - 中小企業診断士 #13】

人事や組織の勉強をしていると、会社の制度を自分の力で最適化できる気になっていて(そんな訳はない)、「なんて影響を受けやすいタイプなんだ」と叫びたくなる週末が続いています。半沢直樹を見たらバンカーになり、キングダムを読むと軽く5千人将くらいにはなります。Anzaki です(結局動けるヤツがこの世で一番すごいヤツです)。

前回は、組織とは何か?という話をしました。

ここでは、組織は「目的があり、メンバーには協力する気持ちがあって、コミュニケーションをしっかりとるんだ」という話をしたうえで、
効率が良い組織の原則を5つに整理しました(命令一元化の原則といって、指示や命令をする人は1人の方が部下は混乱しなくて良いよとかって話です)。

で、この組織はみんな同じ形をしているかというと、もちろんそんなことはありません。

組織の形にはいくつか種類があるので、今回はその種類を整理しておこうと思います。

組織の形態は、大きく分けて3つあります。

▶︎ 機能別組織
▶︎ 事業部制組織
▶︎ マトリックス組織

順番に整理していきます(note の最後に手書きの図があります)。

読んでそのまま、機能別組織

機能別組織とは、読んで字の如く、機能別にまとめられた組織です。
会社組織でいうところの機能とは、生産、マーケティング、営業、人事、総務、経理などなどです。

どの形の組織でも、部→課→チームなどのまとまりがあり、部は大きなまとまりで、課、チームの順で単位が小さくなります。

機能別組織の場合、この部にあたるところが営業などの機能になります。

営業マンの名刺をみたときに、
「株式会社〇〇 営業部 第1課」などと分かれていたら、この機能別組織に当てはまります。

これの大きなメリットは、統制がとりやすく、経営判断がしやすいことが挙げられます。各部署の情報は社長に集約されるので、社長は営業部、生産部、総務部の意見を聞いて、最終判断をすれば良いので、シンプルです。はっきりとした分業なので、専門性が育ちやすく、効率が良いとも言えます。

デメリットとしては、利益への責任の所在がはっきりしなかったり、部署間の対立が生まれたりしやすいことです。
営業部が「仕事とってきているんだ」と主張する一方で、「営業部がめちゃくちゃ案件もってくるから生産部は困ってる」と生産部が主張する。ドラマでよくあるシーンですが、現実にもよく起こるみたいです。

部署毎に価値観が大きく変わってしまいやすい傾向にあるんですね。

下町ロケットの、佃製作所がこれにあたります。


よく見る形、事業部制組織

事業部制になると、人事や総務など、会社全体に直接関わることは機能別と同じところが多いのですが、
営業や生産など、直接事業に関わる機能は、事業部毎に振り分けられるようになります。

事業部は、地域別、商品・サービス別、顧客別などで分けることができます。

名刺を見たときに、
「〇〇株式会社 ◇◇事業部 △△営業」などど書かれていれば、これだと思います。

事業部制のメリットは、各事業部に事業の責任者がいるため、機能別組織に比べ、変化への順応性が高いことが挙げられます。社内に責任者が増えるので、経営層の育成にもつながります。トップが、会社全体に関わる意思決定に集中できるようになることも良い点です。

一方、デメリットとしては、各部署が自分の部署の利益を最優先するため、施策が短期的なものになりやすい傾向がある、という点です。事業部毎の成果がはっきりするので「他の部署よりも優位に立ちたい」という思いが生まれやすくなります(競争が活発になるという方向に持っていければ良いのですが・・・)。

これと似た形で、事業部を分社化する、カンパニー制という言い方もあります。「〇〇ホールディングス」とかがそれにあたると思います。

突然カタカナ、マトリックス組織

勉強していると、いろんなことを2軸で表すマトリックスというやつがよく出てきますが、今回も出てきました。

何のマトリックスかというと、機能別と事業部制のそれです。

営業、生産、マーケティングなどなど機能の軸と、
プロジェクト、商品毎の事業の軸の2軸をとり、
目的別のプロジェクトマネージャーが、各機能を持つ人材を招集します。

これは、機能別組織の専門性や効率性と、事業部別組織の変化への順応性という、両者のメリットを併せ持つ形です。

「なんだよ、それが一番いいじゃん」ってなるかもしれませんが、この組織形態で統率を取るのは結構難しいと思います。

自分がこの組織化での1人の営業になったとします。自分の上司は、営業部長と、プロジェクトマネージャーの2人です。当然のことながら、2人の考え方が同じであるとは限りません。
「プロジェクトマネージャーのいうようにお客さんの開拓をしていたら、営業部長にそのやり方は営業らしくないと怒られた」という、なんとも理不尽に感じる場面が起こりやすのです。

これを、ワンマン・ツーボスシステムの弊害というそうです。

あれ、これよくよく考えてみると、
冒頭でお話した、命令一元化(1人からの指揮命令)の原則に反していますよね。

放って置いたら、非効率的で、混乱を招く事態になりかねないので、
指揮系統を明確にしておく、評価基準を明確にしておく、などの対策が必要になります。

ということで

今回は、少しかたくるしく、組織の構造について整理してみました。

ご紹介した順番は、それが生まれた時代の順番通りなのですが、なんとなく、後になればなるほど良いようにみえます。

が、やっぱりそれぞれメリットデメリットがあるので、これが絶対!という見方をするんじゃなく、
「現状、どこにあてはまるかな」「そのときの強みは何かな」「リスクはどこに潜んでるかな」ということを、冷静にみていくのが大事なんだろうな〜と思ったところで、今回の話を終わりたいと思います。

人事・組織編、まだまだ続きます。

ではまた。


(この話が誰かの何かにつながりますように・・・)
(「スキ」は結構モチベーションになってます、ありがとうございます)

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【参考】
『ゼロからスタート!金城順之介の中小企業診断士1冊目の教科書』(2019/金城順之介)

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