マガジンのカバー画像

脱社会的交換日記

24
小市民たちの日記。交換日記と名乗ってはいるけれど、その実、ペン売り場の長いロール紙のような無法さである。
運営しているクリエイター

2023年5月の記事一覧

来るべき交換日記Dのために

 交換日記において私たちは、いったいなにを「交換」しているのだろうか。そりゃあ日記を交換しているのだろうよ。そう思うかもしれない。  ほんとうにそうか。確かに私はまえの書き手であるanzaiくんからこの日記を受けとった。けれどもその代わりに私のほうからanzaiくんになにかを差し出したわけではない。一見すると、ここに交換は成立していない。にもかかわらず私たちは、違和感なくこれを「交換日記」と呼ぶのである。どういうことだろうか。  私にはこれまで何度か交換日記をした経験がある。

最初のページだから字が綺麗

小学生のときに一度だけ交換日記をしたことがある。元々わたしは参加していなくって、4人のうちの1人が抜けたから、わたしが代理メンバーとして補給された。交換日記に途中参加ってある?そうまでして4人を守ることが大事? 交換日記に招待されたとき、新メンバーとして白羽の矢を立てられた嬉しさよりも、友だちの間で交換日記があったこととそのスタメンに選ばれていなかったこととが発覚した悲しさのほうが上回ったことを覚えている。だから、交換日記は寂しい思い出だ。そんなわたしが大人になって、14年ぶ