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メイド・イン・イタリーはなぜ強いのか?

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最新著書『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?:世界を魅了する<意味>の戦略的デザイン』に関するさまざまなメモを書いていきます。
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記事一覧

『世界中から人が押し寄せる小さな村 ー 新時代の観光の哲学』を読む。

「あの人は哲学があるね」とか「あの会社の経営には哲学を感じる」という言い方をよく耳にしま…

時代を追うのは楽しいー振り回されない追い方を探る。

およそ3週間の日本滞在を終え、ミラノに戻ってきました。日本では多くの方たちとお会いしまし…

コンビニは「改良型モデル」なのか?

先月、ミラノのなかで引っ越したのですが、不動産屋にはずいぶんと助けられました。その一つの…

都市と農村をつなぐ食 ー 農業が社会を変えるとは?

新・ラグジュアリーのオンライン講座でガストロノミーを取り上げたことがあります。ボローニャ…

デザインとアートの接近をみる

従来の枠組みが壊されても、すべてがボーダーレスになるわけでもなく、なんらかの新しい区切り…

ガストロノミーとしての「ラザニア」の楽しみ方

ガストロノミーが注目を集めつつあります。ガストロノミーは料理を中心として文化や歴史などあ…

ミラノサローネの模索の軌跡が面白い。

空間の「温度」は大切な要素です。摂氏何度ということではなく、空間の雰囲気が暖かいか冷たいか?です。 およそ冷たいとオフィス的な空間になり、暖かいと山小屋のようになります。この中間で居心地のよいカジュアルな空間をつくるのが多くの人のテーマだと想像しますが、それを意識して作れる人ってそう多くない。 さて、毎年4月に開催されるミラノサローネ国際家具見本市が今年も16-21日の6日間に渡り実施されます。2月13日、ミラノのピッコロ劇場でのプレス発表の場にいくと、入口で「あなたはデ

伊仏の料理から新旧ラグジュアリーを考える場。

「ラグジュアリー」と呼ばれる、あるいは認知されることを多くの視点と長い時間からみることに…

「イタリアデザインを語る場」をつくるー新しい文化のプロセスをリサーチする。

「イタリアデザインを語る場。」というnote内のメンバーシップをつくることにした。昨年末、デ…

国外における「日本らしさ」の意味ーアートキュレーターとの対話。

今週、ある家電メーカーがもつ場所で小さなイベントをやりました。場所は大聖堂近くのミラノら…

発信に際して安易に権威を頼らない。

今回は発信における「権威の頼り方」の是非をテーマにします。まずは、トルコのワインから話を…

私たちの本当の敵は、自らの内にある「哲学者」ぶる態度だ。

文化の読書会ノート 納富信留『ソフィストとは誰か』第2部第6章 弁論の技法ーゴルギアス『パ…

「発信」を目標におく- 日本の文化への関わり方の議論から思うこと。

今日、10日間の日本滞在を終えてミラノに戻ってきました。 この10日間、それなりの数の人から…

復刻版をビジネスのコアにおく企業の存在感が増している - 「デザインプロダクト」を巡る旅で思うこと。

先週、「デザインプロダクト」を巡るためにイタリア各地を旅をしました。もう25年以上、毎年、このような旅をしていますが、年と共にいろいろと状況が変わってきました。 ぼくは、「プロダクトデザイン」だけではなく、「社会」「文化」など対象が大きく広がったデザインの活動をしてきて、この数年間は、「ビジネス+文化のデザイナー」と名乗ることにしています。しかし、だからこそ、デザインプロダクトを巡る旅をしながら感じるのは、身体性に関わるデザインを視野におかないデザインは「何かを見失う」とい