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メイド・イン・イタリーはなぜ強いのか?

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最新著書『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?:世界を魅了する<意味>の戦略的デザイン』に関するさまざまなメモを書いていきます。
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記事一覧

デザインとアートの接近をみる

従来の枠組みが壊されても、すべてがボーダーレスになるわけでもなく、なんらかの新しい区切り…

ガストロノミーとしての「ラザニア」の楽しみ方

ガストロノミーが注目を集めつつあります。ガストロノミーは料理を中心として文化や歴史などあ…

ミラノサローネの模索の軌跡が面白い。

空間の「温度」は大切な要素です。摂氏何度ということではなく、空間の雰囲気が暖かいか冷たい…

伊仏の料理から新旧ラグジュアリーを考える場。

「ラグジュアリー」と呼ばれる、あるいは認知されることを多くの視点と長い時間からみることに…

「イタリアデザインを語る場」をつくるー新しい文化のプロセスをリサーチする。

「イタリアデザインを語る場。」というnote内のメンバーシップをつくることにした。昨年末、デ…

国外における「日本らしさ」の意味ーアートキュレーターとの対話。

今週、ある家電メーカーがもつ場所で小さなイベントをやりました。場所は大聖堂近くのミラノら…

発信に際して安易に権威を頼らない。

今回は発信における「権威の頼り方」の是非をテーマにします。まずは、トルコのワインから話をはじめます。 トルコのワインの知名度をあげるにコンクールを使う ワイン発祥の地にはジョージアやアルメニアなど諸説あります。黒海からカスピ海にいたるコーカサス山脈周辺地帯で、現在のジョージアとアルメニアにあたる、というわけです。両国はトルコと国境を接している国々です。 その接しているトルコでワインが生産されているとの日経新聞の記事に目が止まりました。それもかなり積極的に商売を仕掛けてい

私たちの本当の敵は、自らの内にある「哲学者」ぶる態度だ。

文化の読書会ノート 納富信留『ソフィストとは誰か』第2部第6章 弁論の技法ーゴルギアス『パ…

「発信」を目標におく- 日本の文化への関わり方の議論から思うこと。

今日、10日間の日本滞在を終えてミラノに戻ってきました。 この10日間、それなりの数の人から…

復刻版をビジネスのコアにおく企業の存在感が増している - 「デザインプロダクト」を…

先週、「デザインプロダクト」を巡るためにイタリア各地を旅をしました。もう25年以上、毎年、…

「ビジネスと文化」を論議するー文化創造者としてのラグジュアリー・スタートアップ。

「ラグジュアリー」は、常に論議を呼ぶ言葉です。多くの意味をもつ言葉であると同時に、その多…

哲学が基盤とする「真理/虚偽」の区別を妖しくなし崩すところに、ゴルギアスの「言論…

文化の読書会ノート 納富信留『ソフィストとは誰か』第2部第4章 ソフィスト術の父 ゴルギア…

日常生活で流通するロジックに「美」を持ち込んでいるか?

山縣さん 往復書簡の復活、大歓迎です。 美学と詩学とアントレプレナーシップの関係を探求し…

フェラーリのデザインはやさしい?ー意味を探る。

フェラーリの経営に触れた記事があります。 かつてF1に出ている英国のスポーツカーメーカーとぼくは仕事をしたし、トリノでスーパーカーのプロジェクトに関わっていたり、F1のマネージメントを脇で見ていたこともあります。また、フェラーリのあるプロジェクトに関与していました。 だから、今は縁がないですが、この記事にある世界の「匂い」は分かります。 ところで、次のような言葉があります。 1980年、フィアットは小型車「パンダ」を発表しました。発売後の10数年、イタリアでの年間販売