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退職の彼女

「怖い人だとおわもわれちゃうのよ」
そう彼女はいっていたけど。
本当に怖いかんじだんだってば。
でも、とても仕事ができるらしく
彼女が移動すると仕事を連れてきてしまうようなところがあったり。
彼女ができるからこそいろんな仕事が彼女のところにやってくるようだった。
そしておそらく字分に厳しい分。人にも厳しいのだろう。
それでも、たくさんの人が彼女のまわりにいたし。
退職日にはたくさんの人が挨拶に来たし
あんなにたくさんの人と写真をとって退職されるひとをみたことがないきがした。
人から聞いたはなしだけど
お父さんがすぐどなる人だったので
大きな声をだしたり怒鳴るの亜きらいだといって
いつも割と静かな声でしゃべっていた。
それできついことをいうので
かなり淡々とした印象をうけるというのもある。
でも、ところどころ気遣いすることもみえていた。
私が調子が悪いということをみてとったときには
追いかけてきて休むようにいったし。
足の悪い部下に寄り添いながら時間がかかっても
懇親会に一緒にいったりするところをみかけた。
新人歓迎会があったときに
みんなの前で字分の部署を紹介するような場面があった。
そんなものがあるとはしらなかったのだが
ほかの部署は大抵若い社員がやらされている感じだったのに
うちの部署では彼女がいきなりでてきて
「みんなのところは若いけど打ちは年寄り多いから熟していてじゅくじゅくで。」とかいう言葉から始まりえらいおもしろい話を始めた
しかも、淡々と。
それがとってもエンターテイメントで
感心した。
退職の日も
人に何かをいうときにはとてもきつい彼女が
「私の言葉で傷ついた人もいると思います」
というところから
「もうしわけありませんでした」
と頭を下げるのはなにやら体育会系の男子のようだった。
退職してからなにをするかはきめてないとのことだったけれど
その風貌からはおもいもつかない趣味がたくさんあることをきいて
いかに私が彼女を知らなかったかとおもいしらされる。
しかもさいごに
毒の効いた替え歌で
「さよならの向こう側」
をうたって去って行った。
かっこよすぎた。
でも、怖くみえていたのは本当だもん
しかたないよねぇ

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