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本の話

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#柴田元幸

偶然の音楽、読了の感覚。

偶然の音楽、読了の感覚。

 The Music of Chance / Paul Auster 1990
『偶然の音楽』(ポール・オースター/柴田元幸訳 新潮文庫)

 うまくいかないのが人生。そして実質太宰。

 ポール・オースターの小説を読むのは『ムーン・パレス』以来だった。

 今回は贖罪の物語だと思った。

 ジム・ナッシュは父親の遺産が手に入ってアメリカじゅうを旅する。そして偶然出会った行き倒れの賭博師ジャック・

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ムーン・パレスを読んだ。

ムーン・パレスを読んだ。

 Moon Palace(1989) Paul Auster

 僕もこんな人生送りたい。

 ポール・オースターはもっと幻想的というか幻術使いみたいな感じだと思っていた。現実を生きているんだけど、説明の出来ない不思議なことが起こる。しかし登場人物たちはすんなりそれを現実と受け止めている。マジック・リアリズムとかいうやつだ、たぶん。違うか。現代文学はムツカシイ。何ていうか知らないけど、そういう小説

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