俺たちが散歩サークルに入れなかった話

大学1年生の時にサークルに入りそびれたまま2年生になった俺たち3人(俺とIくんとMくん)は、「就活でアピールするためには、なんでもいいからサークルに入らなければヤバい」と信じ込んでいた。そこで、散歩サークルの"新歓散歩"なるものに参加した。

俺たち3人に対する、散歩サークル部長のつかみのトークは「俺のあだ名ってなんだと思う?」だった。無言になる俺たち。Mくんが「"めがねくん"とかですか?」と尋ねた。部長と同い年なのになぜか敬語になる俺たち。「いや、ハリー。ハリーポッターに似てるから」と部長は言った。Iくんが「ああ、俺もハリーって呼ばれてたことあります!メガネかけてるとだいたいそう言われますよね!」と、(ふだんのIくんよりも)極端にフレンドリーに答える。すると、部長が「ああ…」と言い、その日の会話は終了した。MくんもIくんも俺もメガネをかけていた。

後日、「散歩サークルへの入部希望者が殺到したので入部は抽選制となった」と聞かされた。Mくんだけ受かり、俺とIくんは落ちた。初めから一番乗り気じゃなかったMくんは入部を断った。

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