アクシデントが起こった時8割の人はフリーズする
先日報道された、電車内での喫煙を男子高校生に注意され逆上して暴行を行い大怪我をさせた事件。
この事件で、友人3名は止めようとしたが他の乗客は見て見ぬ振りをしたのではないかという事が話題になっていました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/35a8766e21536228ee92aa9f731b8141e7f53096
もし、あなたがその場に居合わせた場合はどうしますか?
その場にいた周囲の人が、本当に見て見ぬ振りをしたのであれば、個人的には非常ベルを押すなど、直接的に止めることはできなくても、何かできたのではないかと思いますが、人の心理を考えた時ある意味それは多くの人が取る行動でもあるのです。
イギリスの心理学者ジョン・リーチ博士の研究によると、アクシデントや災害など自分が体験したことがない状況を目の前にした時、以下の3つのグループに分かれると言います
◎落ち着いて迅速な行動ができる人=10%
◎パニックになる人=10%
◎ショック・フリーズ=80%
8割の人は「凍りつき症候群」になると言われています。思考停止状態でフリーズしてしまいます。これが人間の特徴なのです。
これに加えて、多数派同調バイアスがかかるので、多くの人と同じ行動を取ろうとします。また正常バイアスと言って、これは異常ではない、大丈夫だろうと判断してしまう人もいるでしょう。
人によっては
巻き込まれたくない
この後の商談に遅れたくない
怪我をしたくなく
自分一人では無理だな
子供が同伴だから難しい
などいろいろな心の声が聞こえてきそうです。
私も含めて人間は自分が経験したことがないアクシデントを目の前にすると
こんな心理になってしまいます。
ちなみにCAは緊急事態の時に、10%のパニックの人を抑えることを一番初めににします。これはこの10%が多数派になって機内が混乱することを防ぐことにもなります。90秒で多くの人を飛行機から脱出させるためには、冷静になってもらうことが大切です。また、自分自身のパニックコントロールの効果もあります。
このフリーズ状態を少しでもなくすためには、自分だったらどうするだろうか?と具体的な行動までイメージすることが大切です。
子供が一緒にいたらどうする?
ケータイがなかったらどうする?
乗客が自分一人だったらどうする?
助けが来るまでの間はどうする?
相手が武器を持っていたらどうする?
そしてその時に使えると思ったアイテムが、どこにあるのか確認したり助けを求めるならその人になんというのか言語化したりします。
そして何より人間の特徴を知っておくことも、パニックやフリーズ状態を避けられるのではないかと思います。
最後にインスタグラムで「あなたがこの場に居合わせたらどうする?」という質問に回答いただきましたので共有させていただきます。
これは正解、不正解という視点ではなく、自分にはなかったアイディアがあれば引き出しに入れるという観点で見ていただければと思います。
イメージができたら実際に非常ベルの場所を確認
非常ベルはどんな時につかと書いてあるか確認
駅員さんがいつもいる場所を確認など
リアルで確認しておくことも大切ですね。
こんな時に非常ベルを押してもいいのかな?そんな風にためらった方も
いるのかもしれません・・・
ちなみに非常ベルの利用方法ですがJRではこのように記載されていました。
https://www.jr-odekake.net/railroad/service/aed.html
緊急を要する場合は、「車内非常ボタン」を押してください。
* ドアに傘等を挟んだまま列車が動き出した時
* 車内で犯罪行為を目撃した時
* 救急手配が必要な時
* 上記の他、異常を乗務員に伝えたい時
暴行は暴行罪という犯罪ですね。