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スタートラインで思うこと

ありさは新しい事には興味があるので、異業種転職は慣れている。しかしスーツには慣れていない。いざ初出勤。

おはようございます!社員1人1人に元気な挨拶をする。午後シフトの別部署の社員にも、大きな声で挨拶をする。

が、あーおはよう。と返ってくる挨拶は淡々としている。気合が入っていただけに拍子抜けだ。社員は皆んな夜中まで仕事をしているせいか、クリエイター講師は仕事柄アンニュイなのか、ゆるい、いやヌルい雰囲気だ。

あれ?
販売職の時に体育界系の部長に教えられたのは、まず元気良く、1人1人目を見て挨拶をする事だった。

そして始めに一番慣れなかったこと。ありさはずっと座っていられない。発達障害でも落ち着きがないわけでもないのだが、ずっと立ち仕事だったため、先輩から座りなよー、と声をかけられても、落ち着かずについ立ってしまう。生徒が来校すると「いらっしゃいませ」ではなく、「こんにちは!」立って顔を見て、元気にご挨拶をする。

今までは顧客目線は当たり前だった。お客さまが座っていれば座る。立っていれば立つ。瞬時に距離感を合わせる。みんな平気でお客様が立っていても、座って会話しているのだが、そんなことは出来ない。

入社して一番初めに褒められたのは「お客様目線が身についているんだね。」と言われたことだ。今まで当たり前でやっていたことが、当たり前ではない世界に入ると、出来てスゴイ!という評価になる。

いろいろ回り道をして職種や業界が変わると、また振り出し0スタートで、自分には何もない、と無力感を感じていた。でも経験したことは身に付いているのだ。「私は無力ではなかった!」無駄になる経験は一つもない。逆に胸を張っていいのだ。

そして日々研修ではこつこつと商品のスクール講座内容の勉強が始まる。

スクールに通う人の中には夢はあるが、自分で勉強したり、未経験にチャレンジするには自信がない人が結構いる。スタッフの中では他力本願だとちょっと見下す人もいた。ありさは自分でもやってみたけど、思うようにならない。とりあえずやってみるけど満足いかない人生だったので、「今度こそ!」と這い上がりたい、でもやり方が分からない気持ちが分かる。分かっている気がした。

このマインドがじわりと営業成績に表れてくる。

思いがあるところには結果が出るものだ。

                         続く

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