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アンパンマンが好きだ。「スキップ不可の登竜門」

アンパンマンが好きだ。
大好きだ。
娘がじゃなくて、私がだ。

娘も好きだけど、最近ではラブパトリーナやプリキュアに興味を持ち始めている上の子に、まだアンパンマンの傘下でいてくれと願いつつ、Amazonでなんの動画みる〜?と選ぶふりをしながらスクロールの手をアンパンマンに合わせて遅くしてみたりと、誘導する。
汚い手を使ってるように思うかもしれないが視聴コンテンツの誘導はなにも今始まったことじゃない。大人だってこの人はこういうジャンルの動画が好きなんだなと機械に勝手に分析され、「あなたの興味ありそうな動画」と次々表示されるサムネに誘導されてあたかも自分で選んだかのように色々なものを見せられて操られている。機械が普段当たり前にしていることを、私がちょっとアナログな方法でしているだけだ。

私はカッコつけていえばマイノリティ、悪くいえば天邪鬼で要するに大衆が好むものにはあまり飛び付かないというひねくれたところがあるので、アンパンマンは上の子が産まれてすぐはあまり進んで見せなかった。
だってお子さんなにが好きなの?って聞かれてアンパンマンが好きですなんて、面白みもなにもない。
アンパンマンに恨みはないけど、アンパンマンが好きな日本人の乳幼児の割合はだいたい99.9%(多分)で、そこに飛び込むことになんのワクワクも感じない。と、思っていた。

うん、そんな時代もあったねといつか笑って話せるわ。

そもそもうちにはテレビがない。
なのでCMやアニメからアンパンマンの顔が割れることはないはずだった。
なのにだ。
スーパーで買い物していた時に、当時1歳半くらいだった娘が売り場にあるアンパンマンのパンを指さして「ぱんまん」と言った。
バイキンマンをみれば、「きんまん」というようになった。

いち一般市民の主婦が、子供にアンパンマンの存在を隠して育てるなんて無理ゲーだった。だってそこらじゅうにいるんだもん。ジュースにも、せんべいにも、歯磨き粉にも。テレビを見せないくらいで隠し通せる相手じゃなかった。
あの丸顔はもはや子供達の教祖様なのだ。

それに2歳も過ぎると拍車をかけるイヤイヤ期に、かっこつけた育児なんてもはや二の次で。
ほら、アンパンマンだよ〜!と見せるだけで
泣き止む、笑う。ご機嫌。親は助かる。

アンパ〜ンチ!って言うと
「バイバイキーンキラキラ!」
(バイキンUFOが空の彼方にぶっ飛ばされた時のキラキラっとした光もきちんと演出)
と反応する娘が可愛くて可愛くて。

気がつけば我が家にもアンパンマングッズがたくさん。
ごめんアンパンマン。
私もアンパンマンが大好きになっちゃいました。
この場を借りて謝らせてもらいたい。

0か100かのスイッチしかもっていない私はアンパンマンを好きになりだしたらとことん好きで、アンパンマンのどういうところが素晴らしいとかアホみたいにべらべら語りたいけれどそれはまた別の機会にしようと思う。

なにが言いたいかというと、人生における選択肢はたくさんあるけれど、幼少期にアンパンマンを避けて通るのはかなり難しいってこと。


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