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バーナーで炙ったチャーシューはうまい 〜マッチングアプリde婚活もどき日記52〜

今週末に1人と顔合わせ予定。その人をTさん(仮)とすることにします。

顔合わせもやっと4人目です。

Tさんが決まる前、年末年始期間で10人近くとメッセージやりとりしたものの、何日間も特に面白味もない話題に終始し、なんかとりあえず「女とメッセージをやりとりしている」こと自体がステータスだと思ってるらしい(?)ような輩が何人かいました。意味不明。

現在まで生き残っているのは半分程度です。

以下、年末に顔合わせしたSさん(仮)について。

プロフ写真は横顔のみ、自己紹介文少なめ、記載された身長は「自分的に最低ライン」だった同年代男子。
メッセージは手慣れた印象で、会う約束はすんなり決まりました。
その後も好きな映画監督の話とかしてきて、特に面白くはなかったが「教養はありそうやな」と感じたので、まあまあきちんとした格好で出かけました。

指定されたカフェの前で、定刻合流。そこまでは何も問題なかった。

が、その後の感想を一言でまとめると、

「ラーメン専門店のチャーシューはうまかった」

でしたね……。


当初ランチを予定していたカフェは開店後すぐ満席になってしまい(ランチ予約不可の店だった)、

Sさん「待ちますか?」
私「まあ、お昼にはまだ時間あるから、どこか空いてるんじゃないでしょうか」

と並んで歩き出しました。そこで感じたのが、

「あー……やっぱ16●センチって、ちっちぇーな」

でした。

あんま意識してなかったけど、Nさん──3回デートして「正式にお付き合いを」と言われたが返事保留中──はそこそこ高身長やったんやな……と感じつつ、身長は自分にとって重要ポイントなのだと再確認しました。
学歴年収より、圧倒的に身長。
(嫌いな父親がチビなのと、初めてまともに付き合った奴が無駄に高身長だったのが影響している)

そしてオサレカフェの代わりに入ったのが、Sさんが「前から興味があった」というラーメン店でした。

一応店の前で「ラーメンでもいいですか?」と確認はあったが、
(初顔合わせで相手の都合より「自分が入ってみたかった」を優先させるのってどうなん?
とは思った。
ただなかなか普段行く機会もない店だったので、OKしました。

中はカウンターのみ、やっと7〜8人座れる程度の、まるで工場の片隅のような雰囲気の店内。
他にも男女の客はいたが、到底ゆっくり話せるムードではない……。

でも本当にすぐ目の前で調理が行われるので、楽しくはありました。

バーナーで容赦なく炙られるチャーシュー!
したたるあぶらのきらめき!
透明な膜がぎっしり張り詰めるスープ!
ジャキジャキとフレッシュな音を立てて斬られるぶっとい葱!

私がそれらを観察している間、Sさんはというと……ほぼスマホをいじっておりましたね。

スマホ取り出した時点で、「あ、こいつあかん」と思いました。
それ以前に、入ってすぐ「この店の定番メニューでいいですよね」と勝手に2つ注文しようとしたのも十分にNGでしたが。

その定番メニューというのが「こってり濃厚魚介スープラーメン」でして。
私、魚介は基本的に苦手でして。

店の売りが「魚介スープ」だったというのは、入ってから知ったことでして(外の看板をよく見る暇はなかった)。

私「えーと……ちょっと、まずメニュー見てもいいですか」
Sさん「でも、これが一番人気らしいですよ」

知るか。こちとら魚嫌いなんじゃ!

……と喉まで出かかったが、目の前で調理している店の主人夫婦に聞かれたら「なぜうちの店に入った???」と不快にさせるであろうと思われたので(彼らは何も悪くない)、

私「アー……コッチノ、チョット、アッサリメノホウガ食ベタイカナー……ト」

と、定番の隣に書かれた「あっさり薄味魚介スープラーメン」を注文しました。

その後、奴は当然のようにスマホを取り出して俯きました。
たまに話しかけてくるものの、特に楽しいトークにもならず。好きな映画監督の話とかどこ行ったんや、というくらい当たり障りのない話題ばかり。

(つーか、こっちが魚介アレルギーでも持っとったらどないするつもりやったんやこいつ? この後はもう、全力でラーメンを楽しむだけやな……店出たらどないしよ)

と頭の中でボヤきつつ、注文の品が来たので頂きました。

スープは「あっさり」という割に濃かったし、麺も妙に柔らかい感じはしたけど、待っている間に目の前で炙られていたチャーシューがとにかく絶品でした。

これまでの人生で食べたチャーシューの中でダントツの1位だったかもしれない。分厚くてプルップル。味もしっかり染みていて最高。

このチャーシューのためだけにでもこの店に来る価値ある……しかしカロリーは絶対やべえな……)

——と、チャーシューに感動している間にSさんは食べ終わり、スマホ再開。
こちらがご馳走様すると、即お会計。一律980円。

漱石先生を渡し、店を出て、適当にぶらついて話してお別れかな……と思っていたら、

Sさん「すみません、1時間後に梅田で用事があるので、今日は帰りますね。年明けにでも今度は晩飯食いましょう。また連絡します」
私「はぁ……???」

いやいやいや。

素で「ギャグかな???」と思いましたね。

この数十分間のどこに「また会いましょう」的要素があったというのか。
というか、大阪から1時間かけて出てきて、ろくに会話もせずラーメン食って、また1時間かけて大阪へ?
「何しに来たん?」としか思えん。
せぬ。

別れてからは、年末の錦やデパ地下の賑わいを普通に満喫して帰りました。
満喫しながら、奴の言動を初めから分析した結果、

——つまり、「アプリでマッチして会った=最終面接に合格した」くらいに思ってるわけか?

という結論に達しました。
でなけりゃ、あの対応で「次も会おう」とはならんだろう。

いやいやいや……。
んな阿呆な。

マッチはせいぜいエントリーシートの提出、メッセージ交換は書類審査段階やろ。
まだ何も始まっちゃいない。

その後届いたメッセージには適当〜に返して、会話がキリよく終わったところでさよならしました。


さて、お次のTさんは隣県在住、一風変わったテイストの40代男子。土曜日に面会予定でございます。

……とか言いつつ、もはや「手段が目的と化している」状況だという自覚はある。

本気で「婚活」を目的に活動するなら、さっさとNさんとでもエンダアアアアすりゃいいわけですが(年始の挨拶LINEは適当に返した)……まだもう少し何人かと会ってみよう、と思っています。自分の飲食代は自分で払うし。

たとえば合計10人に達した時点でコンティニューするかどうかを検討するとして、
「あーこりゃ無理、ストレスがやべえ」となったら、別にもういっかなーという気もしています。

昨年秋に亡くなった中根千枝先生の取材記事(ベストセラー『タテ社会の人間関係』の著者で女性初の東大教授。何より自由が好きだから一生独身だった、という話)を年始に読んで「やっぱ独身はいいよなぁ」と揺れたし。

正月休みも、ポケモンレッツゴーピカチュウと推し活と手芸でのびのび過ごせたし。


害虫に防犯に災害対応に病気といった諸問題、家具の組み立てや引っ越し作業などを除けば、1人で特に困らんよなぁとはつくづく思うんですよね……(挙げただけでもけっこう不便はあるけど)。

ひとまずは残り6人——それで命名用アルファベットもちょうど「Z」になるし——を目処に続けてみるか、という気分です。

読んでくださり、ありがとうございます。 実家の保護猫用リスト https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/25SP0BSNG5UMP?ref_=wl_share