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波待ちの時間

波乗りをする知人が、いつかの会話で
「最近海に行けていなくてしんどい、波待ちをしているあの禅の時間をいま喫緊に必要としている」
みたいなことを言っていた。

すごい。

私も同じく波乗りをするのだが、ボードの上に座って良い波を待つあの時間を、「禅」と言えるまでになっていない。

煩悩がありすぎる。

誰かと競うようなスポーツではなく、たとえばサーフィンやランニングなどのように、自分のペースで規則正しく、無意識的にただ体を動すことのでききる運動は、考え事をするのにぴったりだと、私は思うのだ。

まさに今の時期くらいの、春先、あるいは秋など、サーフィンにとってベストシーズンといえる時期。海に浮かんでいるだけで心地良い季節というのは、実に多くの考え事をしてしまう。

でもそういう、ただあれやこれやと考えごとをする時間というのは、割と大事な時間だ、と思うのだ。

様々なことに追われ追いつきながらせわしなく過ごしてる日常の中では、ゆっくりと考え事をする時間や頭の中を整理する時間というものを、確保することが結構難しい。平日(毎日出勤している、会社勤めの私にとっての平日)では、朝起きてから夜寝るまで、その時目の前にあることを現実的に処理していくために頭を使うので、自分がただ考えたいことを考える、というのは、実に贅沢な時間の使い方なのである。思考のアウトプット。

波が引いてしまった帰り際、今日は何を考えていたんだっけな?と思ってしまうほど、とりとめのないことを考えているわけだけれど、
水に入っているということも相まって、体も頭もすっきりできるのだ。



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