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『PERFECT DAYS』で描かれる日常と養老孟司の理想論

「この世にあるものに、『意味』を求めてはいけない」
今日、仕事のメールを確認しているときにふと目に留まった言葉だ。
Newspicksの記事で、養老孟子へのインタビューを掲載したものだった。

働く意味とはなんだろう?
頑張る意味とは、一体何なのだろう。
最近このようなことを考えてしまうことが多く、割と長い期間気を病んでいた。

そのような状況で、冒頭にあげた言葉を目にしたとき、ここに自分のモヤモヤを解消できる答えがある!とほぼ無意識のうちにその記事を全文読んでしまった。

「自分が、居心地がいいと思うように生きろ。みんながそうすれば、世界は平和になる」
養老孟子が語っていたことをひとことで表すと、そのようなことだった。

この記事を読んですぐに、ある映画が思い起こされた。
昨年末に観た、ヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』だった。
映画のすべてと思われるものが、すべてここに詰まっている、と感じた映画。今までで1番よかったと思えた映画。起承転結のあるストーリーではなく、ささやかな日常を切り取りしたようなものだが、そのすべてが美しく綺麗で、何の涙かもわからない涙をずっと、流しながら観た映画。
その『PERFECT DAYS』こそ、
「自分が、居心地がいいと思うように生きろ。みんながそうすれば、世界は平和になる」
を体現した世界だった。

過去、現在、未来。そこにはいろいろな事情があるし、いろいろ考えなくてはならないこともある。
しかし、あれやこれやと頭を使って考え、悩むよりもまず。
いまの自分にとっての「居心地のよさ」を追求してみる。気分よくいられるように生きてみる。

考えることを放棄してよい。感覚で、生きてよい。
(言い過ぎかもしれないが)養老孟子にそんなことを言ってもらえたような気がして、今まで抱えていた悩みやモヤモヤを、手放すことができた気がする。


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