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「インテグラル理論」と「魂理論」の結婚(その3):ケーススタディ

■この記事の要約

人生は、外部と内部の対立に代表されるような、さまざまな葛藤とその乗り越えの繰り返しの上に成り立っている。それは、ケン・ウィルバーの言う「アートマン・プロジェクト」の構造そのものでもあるだろう。
思春期を迎えれば、自立心かそれとも依存か?
社会人になれば、社会的な出世か、それとも様々なしがらみか?
結婚すれば、子どもや配偶者の世話か、それとも個人的な自己確立か?
親が歳を取れば、介護か、それとも自己の社会的責任か?
そして、結局のところ、私自身のアイデンティティとは何なのか?
人が生きることにまつわるこうした葛藤とは、トマス・ムーアに言わせれば「現実の人生と魂の生活とのダンス」である。そして、ウィルバーのアートマン・プロジェクトにとっては「エロスとタナトスとのダンス」でもある。
さらに、魂が「夢製造工場の工場長」であるなら、当然このダンスに夢も一役買っている。

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