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ウクライナ問題に寄せて(その4):担任のいないクラス

第三次世界大戦に向かって物事が進行することを誰も望んではいないはずだ。その点においては、西側諸国も東側諸国も共通していると信じたい。

しかし、事態はいつ最終戦争に発展してもおかしくないほど緊迫している。

いかにしたら、最悪の事態を避けられるのか?

そこで、西側諸国が取っている態度はこうだ。

たとえある国が隣国に軍事侵攻したとしても、私たちは直接的な軍事的手段によって、それに対抗するわけにはいかない。

そこで、間接的な対抗手段の出番だ。侵攻された側の国への武器の供与、物資や戦費の援助、そして侵攻した国に対する経済制裁・・・。こうした間接的手段で侵攻に対抗し、抗議しようというわけだ。


さて、そこで私は皆さんに問いたい。

私たちは、ある学校の同じクラスの生徒だとする。ひとりの生徒が、もうひとりの生徒を激しく攻撃したとする。こうした直接的な攻撃に発展したのには、もちろん事情がある。この二人は、もう何年も前から「火種」を抱えていて、私たちはある意味、その「火種」にこそこそと少しずつ油を注いできたという事情もある。それが今回大きな「火事」を招いてしまったというわけだ。それは、クラス全体を大きく二分して、その二つの勢力が直接的にぶつかり合う抗争に発展しかねないほど危険な「火事」である。


そこで、攻撃を受けた側の生徒に加担している勢力は、攻撃している側の生徒と直接対決することを避け、その代わり攻撃を受けている側の生徒が、いわばこの抗争に勝利できるよう、武器や物資や費用を提供することにした。さらに、攻撃している側の生徒の家庭の経済状況を逼迫させることによって、相手が降参するように裏工作も始めた。


さて、このクラス、抗争を収束させる気があるのだろうか?

このクラスの最大の問題点は、担任の先生がいないということである。

つまり、地球人全体の上に立ち、地球人を教え導く存在とは誰なのか、という問題である。


私は、ついこんなことを夢想してしまう。

知性においても科学技術においても、地球人より遥かに進化した宇宙人がいるとして、彼らは今の地球人をどう評価するだろう。彼らが地球にやってくることができ、私たち地球人を支配下に収めることができるほど発展しているとしたら、争いの一方の勢力に加担するようなやり方を採るだろうか?

そもそも、そんな宇宙人が地球にやってきたら、私たちは同じクラスの生徒として、争っている場合だろうか?


逆に、宇宙には地球人ほど発展した生命体は存在しないとしたら、どうだろう。誰が私たちを裁くのだろうか。

「それは神である」という答えもあるだろう。

ならば、神の存在と所在をはっきりさせる前に、私たちが取るべき態度はただ一つだ。すなわち、私たちの中に可能性としてすでに存在している「神」を、問題解決のために呼び出すしかない、ということだ。この宇宙という学校の、この地球という「クラス」の生徒である私たちにとって、すでに可能性として存在している「担任の先生」にご登場願うしかない、ということだ。つまり、私たち一人ひとりが、少しずつ「担任の先生」の代理人を務めるということだ。

もしあなたが「神の代理人」という言い方が気に入らなければ、このように言い換えてもいい。もし私たち人類が、いつの日か、今より数段賢く進化しているとして、その「未来の私たち」は、今の私たちにどうアドバイスするだろう?

これから、この難問に関して、一緒に考えていきたいと思っている。

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