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フロイトやユングが現代にタイムスリップしたら

■この記事の要約

意識の発達段階の上位にある人は、下位の意識段階を、マトリョーシカのように内側に内包している状態のため、下位の意識段階のことを(自分の一部として)よく理解できる。しかし、自分の外側にあって、自分を内包している一段上のマトリョーシカには気づきもしない。それは、あくまで「隠された地図」である。
さらに、人類史において、マトリョーシカ的構造を持つ意識の発達段階は、長い時間をかけ、内側に外側をかぶせるようにして、一段ずつ順に形成されてきた。したがって、ある時代の意識段階は、その後に発現した意識段階のことを知る由もない。
もし、フロイトやユングが現代にタイムスリップして、彼らの時代より後に出現した意識段階にある人を治療しようとするなら、それにはどうしても啓蒙思想の影響が出てしまうだろう。
残念ながら、21世紀を迎えた現代でさえ、多くの人が(たとえば夢分析の専門家でさえ)相変わらず啓蒙思想の影響下にあるようだ。
この時代錯誤は、医療やカウンセリングやセラピーの現場で、具体的にどのような現象として現れているだろう。

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