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右上象限(ゾーン5)と夢

■研究者に要求される主観と客観

さて、今回はゾーン5の方法論(「それ」の外面を内部から見る)を取り上げるが、まずこんな問いかけから始めよう。

「夢学を学ぼうとする人、あるいは夢をテーマとする研究者は、自分では夢をみない(みているとしても覚えていない)という人でもかまわないか、それとも自分自身ドリーマーである必要があるか?」

おさらい:インテグラル夢学への道」の記事のときに、ドリームカウンセラーであろうと、その他のカウンセラーであろうと、カウンセラーと呼ばれる人は、「意識の段階+状態=アドレス」がどのあたりにあることが目標となるかというと、「イエロー/サトル」あたりだろう、という話をした。
カウンセラーという職業は、個人および集団の内面に関係するわけであるから、方法論として当然ゾーン1からゾーン4までは確実に使うわけだ。
つまり、この4つの方法論を用いて、「イエロー/サトル」の意識アドレスまでは、自己成長していることが目標となる。その際、必ずしもドリームワークを用いる必要はない。ただし、ドリームカウンセラーに限定するなら、ドリームワークの手法を自分が一通り経験することは必須条件になるだろう。したがって、冒頭の質問に対する答えは「ドリームカウンセラーは、もちろん自分もドリーマーである必要がある」となる。

では、ゾーン1から4の方法論を用いない(右側象限の方法論だけを用いる)研究者はどうか。たとえば、前回ゾーン6の方法論として、夢ないし睡眠という現象に関し、純粋に生理学的・遺伝学的な方法を用いて行っている研究についてご紹介した。
おそらく、ゾーン6とゾーン8の方法論であれば、夢に関しては、(REM睡眠、ノンREM睡眠といった)生理学的な知識だけ持っていれば、研究自体は成立するのだろう。
しかしゾーン5とゾーン7の方法論に関しては、実験動物でなく人間を対象に研究する限り、そうはいかなくなるだろう。その場合は、間違いなく研究者もドリーマーである方が望ましい。なぜかと言うと、研究者と被検者が直接コミュニケーションするか、あるいは研究者が被検者にインタビューする必要があるからだ。あるいは少なくとも、被検者と研究者がコミュニケーションしているのを、客観的に観察する必要がある。つまりは、主観(内面)的要素が入ってくる、ということだ。

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