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カラオケの思い出

 カラオケにめっきり行かなくなった。
カラオケデビューは大学時代。高音が全く出ないくせにイキがって挑むものだから一緒に歌う人は目も当てられなかったろう。実際ひどいものである。声は腹から出すものだと小学校時代音楽の先生から習ったものだが、その教えを無視して喉を潰す潰す。さらに酒ヤケに加わるものだから、翌日のしゃがれ声には目も当てられないものだった。

 社会人になってからは一人カラオケをたまにしていた。アジカンやゴーイングアンダーグラウンド、ミスチルなどを好んで歌っていたが、数曲歌うだけでひどい有様である。ライブとかで喉が長く持つ人は本当にどんな生態でどんな声帯をしているんだろうと思う。それと同時にカラオケの適正人数って1人ではないよなと考えるものである。自分的には1人→ローテきつい。2~3人→割とちょうどいい。4人~→なかなか回ってこない。歌うものではなく、催事だなこれは。・・・といった具合である。4人以上は飲み会の延長線上で、ガチで歌うなら俄然3人以下が良いように思う。こう考えると人数によってシチュエーションが変わる、流動性のある空間のように感じる。

 さてカラオケにめっきり行かなくなった話に戻ろう。行かなくなった原因はまさに、身近なパートナーがカラオケに行かなくなったからである。友達と呼べる人もここ10年ですっかり疎遠になってしまった。妻も轟音の鳴る部屋が大の苦手だ。そうなると、一人カラオケに行くしかないわけだが、夫婦生活を続けていると、カラオケまで足を運ぶのが億劫になってくる。なんなら部屋で歌ってことが済んでしまう、といった具合である。かくして僕の中のカラオケ文化は終焉を迎えつつあるわけである。

 ここまで書いてきて、Nintendo switchでカラオケできないだろうかと思い調べてみた。JOYSOUNDで出ているらしい。こういうのって疑問に思うのだが、マイクで声を大きくしてしまったら、近所迷惑にならないだろうか、と思う。マンションなら尚更ではないか。でも商品としてあるということはやっぱりそれなりに需要があるということだろう。音量はどの程度なのか。まさか防音設備を施した部屋のあるご家庭がありふれている世の中でもあるまい。気になる。やっぱりマイクは見た目だけにしておいて飾り程度にしているとか?でも5000円とかするぞ、ワイヤレスで。そう考えると安易に飛びつくことができずに今日も任天堂のゲームに素通りしていくのである。

 それでも気の済むまで歌いたい欲求はある。お金が湯水のようにあったら、部屋を防音部屋にして好き勝手大声出してはしゃぎまくるのになあ。そんな妄想をして今日も夜が更けていくのである。

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