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「ゼロから学べる!ファシリテーション超技術」Antaa Academia supported by MEDIVA第4期DAY3開催レポート

このnoteでは、「経営やマネジメントを学ぶ」Antaa Academia supported by MEDIVAの講義内容を抜粋してご紹介します。

第4期DAY3の課題図書は園部 浩司著「ゼロから学べる!ファシリテーション超技術」です。

講師小松さんの課題図書を医療機関に結びつける講義を中心に、2021年9月25日に行われたDAY3を、アンターCOOの西山知恵子の司会進行のもとお届けします。

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今回はKJ法を用いたケーススタディを行っています。

過去の開催レポートはこちらを御覧ください。

◆Antaa Academiaとは

次代の医療機関経営/部門運営の中核を担うマネジメント層を育成することを目的として、30代〜40代前半を中心とした若手医師を対象に、経営やマネジメントにおいて、翌日からすぐに活用できる実践的なノウハウや考え方を身につけることを目的としています。

毎月第4土曜日の19:00からZoomで開催される月例会では、各回ごとに課題図書が設定され、課題図書の振り返りレクチャー、講師小松さんの課題図書を医療機関に結びつける講義、参加者同士のディスカッションなど、書籍をもとに全体での学びを行っています。


◆講師紹介

小松大介

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神奈川県出身。
東京大学教養学部卒業/総合文化研究科広域科学専攻修了。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントとしてデータベース・マーケティングとビジネス・プロセス・リデザインを専門とした後、(株)メディヴァを創業。取締役就任。コンサルティング事業部長。
150箇所以上のクリニック新規開業・経営支援、200箇以上の病院コンサルティング、50箇所以上の介護施設のコンサルティング経験を生かし、コンサルティング部門のリーダーをつとめる。
近年は、病院の経営再生をテーマに、医療機関(大規模病院から中小規模病院、急性期・回復期・療養・精神各種)の再生実務にも取り組んでいる。
株式会社メディヴァHPより)

◆課題図書振り返り紙芝居レクチャー

課題図書をまだ読みこめていない人でも安心!紙芝居レクチャーで本の概要を振り返ります。
今回は、メディヴァ益田さん作成の紙芝居とともに内容をおさらいしていきます。
イラストは奥様作!「どうやって奥さんに頼んだのか」「共同作業のやり方は?」など、参加者の皆さんも興味津々でした。

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問題解決には7つのスキルが必要となりますが、中でもファシリテーション力は土台となる重要なスキルです。
ファシリテーション力があることでいろいろな会議を円滑に進めることが出来ます。

そのファシリテーション力を活かして会議の円滑な進行を進めるためには3つの役割があります。

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そして会議の種類は5つに分かれています。
なかでも重要な問題の発見・解決は、ディスカッションが中心となるため、ファシリテーターの存在が必須となります。

会議のポイントとして何よりも重視したいのがアジェンダです。
作者はアジェンダのない会議には出席する意味がないとまで言っています。
さらに会議のルールを予め決めておくことも会議を円滑に進めるためのポイントです。

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問題解決では問題発見・原因分析・解決策の選定・計画の策定を順に進めていくこととしています。

また、意見の引き出し方は多く3つあり、引き出す工夫として7つの方法を挙げています。
こうした意見を可視化していくことも重要で、これらをまとめて行えるのが、KJ法となります。

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◆「ファシリテーション」講義

DAY1、DAY2では、マネジメントの基礎となる考え方を全体像から学んでいきました。
今回は、より実践的なスキルを身につけるため、個別項目を掘り下げていきます。

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ファシリテーションはロジカルシンキングの上に成り立っているものです。
コミュニケーションとは違うということも認識し、論理的に考えて構成することが求められます。

また、KJ法は狭く捉えると会議をうまくやるための特定の技能ということになりますが、臨床の現場で意見がぶつかったときなどにかなり重宝するものであり、スタッフの声にならない声をたくさん拾える点でも優れた手法です。

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会議の種類では、病院での注意点として、委員会は本来問題発見解決の場になるべきだが、単なる申し送りになりやすいことを挙げていました。
また、クリニックは会議が少ないため、1つの会議で別々のテーマが混ざらないよう、会議内でもテーマごとに時間で区切って対応をするとよい、など具体例も挙げながら解説していきました。

アジェンダでは、以下のように具体的な例を提示しています。

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会議では、議論の部分とクローズの部分が何よりも重要になってきます。

実際の議論では、ファシリテーションを通して問題解決をおこなっていきます。
ここで登場するのがKJ法です。

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KJ法では、しっかりとポイントを押さえてメンバーの意見を引出す工夫も必要です。

その際、今どう思うかではなく、過去にその問題が起こったときにどう思ったかという過去の経験に基づいた聞き方をするとメンバーも答えやすくなります。

また、最近はオンライン会議も増えていますが、オンラインだと特にリアクションなしだと反応が分かりづらいという点にも触れていました。
対面だとうざいくらいの大げさなリアクションでも、オンラインだと反応が見えやすくて伝わりやすくなるそうです。

ファシリテーションをより深く学ぶのに役立つ応用編として、第3期のテキストとして使ったグロービス著の「ファシリテーションの教科書」も紹介されていました。

そしていよいよKJ法の実践です!

模造紙にポストイットでやるのがもともとのやりかたですが、こうしたオンラインの場ではGoogleスライドを使用することでも実践できます。

今回は、「猫を買うことを家族に納得してもらう」という小松家で実際にあがった議題を例に順を追って解説していきます。

・まずは、会議のメンバーが自分の色を決めます

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・それぞれがアイデアを書いていきます、この時書くのは1メモに一言というのがルールです

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こうしてすべてのメモをテーマに分類して並べたものをお互いに見ながら、似ているアイデアを並べて、テーマの名前をつけるという共同作業を行っていきます。
この作業により、別の言葉だけど同じことを考えていた、こんなアイデアがあるという気付きがうまれます。
最後にテーマごとにどこから手を着けるかを決めて、解決策をみんなで組み立ていきます。

◆ディスカッション(ケーススタディ)タイム

今回はチームごとにKJ法を使ったケーススタディを行いました。

テーマは「職員が自分たちで考えて自律的に動いてもらうには」

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中間報告として、途中でいったん各チームの進捗を報告しあいます。

「まとめるコツは?」「発言してもらう際のやり方は?」「面談は誰が行うべき?」など、実際にやってみて出てきた各チームからの疑問点を小松さんに回答してもらいました。

中間報告の後は、「明日から行う施策トップ3」をそれぞれのチームで結論として出していきます。

最後に、今回のケーススタディで小松さんだったらどういう結論を出すかについての回答を紹介していただきました。

◆今回の振り返り

今回はGoogleスライドを使ったKJ法の実践ケーススタディという、今までとは異なる新しい形式でした。

オンラインでの可能性が広がり、参加者からも
「おもしろかった」
「KJ法、院内でさっそく使いたい」
「KJ法がオンラインでできるとはおもわなかった」
などの感想があがっていました。

◆次回に向けて

次回の事後課題は、
ファシリテーションの実践として「チーム運営、病院/クリニックの会議や委員会において今回学んだ視点を取り入れて何らかの改善や修正を加えてみる」です
そして次回の課題図書である唐澤 俊輔著の「カルチャーモデル」を読んで、「自分が所属/管理しているなんらかの組織において、組織文化や企業風土について考える」。
の2点です。

次回はこれらの課題を振り返りながら、「カルチャーモデル」を元に、チームとしてどう動いていくのか、組織をどう作っていくかなどを学んでいきます。

次回DAY4のレポートもお楽しみに!