「イシューからはじめよ」Antaa Academia supported by MEDIVA第4期DAY1開催レポート
このnoteでは、「経営やマネジメントを学ぶ」Antaa Academia supported by MEDIVAの講義内容を抜粋してご紹介します。
2018年より始まったAntaa Academiaも今回で第4期。
第4期DAY1で設定された課題図書は安宅和人著の「イシューからはじめよ」です。
講師小松大介さんの、課題図書を医療機関に結びつける講義の抜粋を中心に、2021年7月31日に行われたDAY1のレポートをお届けします。
◆Antaa Academiaとは
次代の医療機関経営/部門運営の中核を担うマネジメント層を育成することを目的として、30代〜40代前半を中心とした若手医師を対象に、経営やマネジメントにおいて、翌日からすぐに活用できる実践的なノウハウや考え方を身につけることを目的としています。
毎月第4土曜日の19:00からZoomで開催される月例会では、各回ごとに課題図書が設定され、課題図書の振り返りレクチャー、講師小松大介さんの課題図書を医療機関に結びつける講義、参加者同士のディスカッションなど、書籍をもとに全体での学びを行っています。
◆講師紹介
小松大介
◆課題図書振り返り紙芝居レクチャー
課題図書をまだ読みこめていない人でも安心!紙芝居レクチャーで本の概要を振り返ります。
今回は、メディヴァ鮑さん作成の紙芝居とともに内容をおさらいしていきます。
「世の中みんながいろんな活動をしている中で、本当にバリューのある仕事はほんのひと握りしかない」
バリューのある仕事とはどのようなものかと言うと、「解の質が高い+イシュー度高いもの」と、この本では定義されています。
これに反して、本当に重要でないことをただ騒いでいるだけでは、安宅さんいわく「犬の道」に陥ってしまい、バリューのある仕事にはなかなかたどり着けないことになります。
では犬の道に陥らないためにはどうしたらいいか。
まず重要になってくるのがイシューの見極めです。
いろいろな問題があり、どういったところに手をつけていいかわからない場合は、まずはイシューを見極めるところから始めるのがベストです。
果たして「良いイシュー」とはどんなものなのか。
安宅さんによると3つの条件があるそうです。
・本質的な選択肢
・深い仮説がある
・答えを出せる
さらにこの3つの条件を見極めるためのコツが
・一次情報にふれる
・基本情報をスキャンする
・集めすぎない知りすぎない
というものです。
この本ではこうしたイシューの見極めからアウトプットまでの手順が構造的に解説されています。
それを簡潔に表したのが以下のフローです。
本の中では一つ一つの手順についても細かく解説されているので、興味がある方はぜひ手にとって読んでみてくださいね。
そして小松さんの講義です!
◆はじめに
課題図書を一つ取り上げて読み替えることで、医療現場でのマネージメントにどう活かしていくかということにつなげていくというのがこの講義のテーマです。
今回DAY1で「イシューからはじめよ」を取り上げた理由として、小松さんは3つの理由を挙げています。
1.医師は常に、患者さんの病気を見つけ、特定し治療するという問題解決を行っているため、問題解決やイシューというのは医師には馴染みが深いものである。
2.しかし、そうした問題解決手法をチームマネジメントや日々の運営・経営において活かした経験が少ないと感じる。
3.患者さんや疾病に対して、問題解決のあり方を磨き、それをさらに概念として抽象化したうえで組織作りやチームマネジメントに活かすことで、業務に役立たせることができる。
そのために身につけてほしいのは、問題とイシューとの違いだと言います。
◆問題とイシューとの違い◆
問題とイシューとの違いをわかりやすく表しているのこちらです。
ポイントは、いきなり問題を解くのではなく、問題設定が正しいかということをまず考える。
それをせずに、目の前の問題に闇雲に手を付けてしまうことが、「イシューからはじめよ」の中で言われている「犬の道」に入っていしまい問題解決から遠ざかってしまう要因なのです。
イシューを見極めて犬の道に入らずにバリューのある仕事をすること。
これをいかに実践できるかで、問題が解決できるかが決まってきます。
病院でのよくある問題も「犬の道度」の高いものと低いものに分けられると、具体例を挙げて解説していただきました。
◆ディスカッションタイム1
そしてその後は、グループに分かれて事前課題として出されていた「成功体験における問題とイシュー」についてディスカッションを行います。
ディスカッションでは否定は禁止!
自分たちの経験に基づいた成功体験や失敗談などをディスカッションし、共有していきます。
◆イシューを特定し、解決策を考える
第二部では、実際にイシューを特定する方法と、その解決策について講義していただきました。
イシューを特定するためのアプローチは
・一次情報に触れる
・基本情報をスキャンする
・集めすぎない、知りすぎない
というのがポイントです。
参加者からは、「小松さんはどこまで情報を集めて吟味したら行動し始めますか?」という質問も飛び出し、実体験を交えて解説する場面もありました。
また、モチベーションに関与する要因を特定するための解説では、男女で性別を分けるMECEが今の時代にあっているのかというジェンダー論についてのコメントも取り上げられていました。
オンラインイベントではありますが、ツールを活用して双方向のコミュニケーションをとりながら講義は続きます。
最後に、解決策を見出す方法として、空・雨・傘という概念を用いながら正しくPDCAを活用することが重要だと解説し、後半のグループディスカッションに移りました。
◆ディスカッションタイム2
2回目のディスカッションのテーマは
「チーム運営における問題について、本日の講義をもとに、その問題の本質や解決策のあり方、今だったらこうするという点を考える」
というものでした。
今回もチーム内で一人1分程度で内容を共有し、その後お互いに感想や質疑を行っていきました。
◆次回に向けて
「イシューからはじめよ」実践として、実際に病院内で問題が起こった際に、その問題のイシューを考え優先順位をつけて対応をしてみることが次回までの課題として出されました。
次回のDAY2では、実際にどう対応したかの報告を行い、お互いに共有していきます。
そして次回の課題図書はドラッガー著「マネジメント」。
エッセンシャル版ですが、それでもかなりのボリュームなので、時間のない場合は「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」、通称「もしドラ」でもOKだそうです。
また、月例会の前夜には「前夜駆け込み読書会」として、まだ課題図書を読み終えてない人を対象に読書会を開催しています。
お忙しい先生方も参加しやすくなっておりますので、第5期開催の際はぜひご参加ご検討ください。
それでは次回のDAY2のレポートもお楽しみに!