35:家族が疲れる親戚は呼ぶな
勘違い人間がとにかく多いのが葬式での親族です。安置施設を所有するまで自宅安置だった訳で、親戚の人達とも顔を合わすのが当り前でした。我が家の親族は各々とても個性的で癖のある人が多いけど、親戚の葬式に口を出すような人はいなかったから、金も出さず当り前のように口を出す親戚を見ると、家族以上に腹も立つし馬鹿な奴としか思えない――、ところが葬式限定の馬鹿にしか見えない呆れる人間が沢山いる現実も知りました。
『来てやってる感の強い親戚』
病院から自宅に運び安置すると順次親戚も弔問に来てくれますが、家族を心配したり、お手伝いしてくれたり、家族の代わりに動いてくれるなら歓迎するけど、何もせずいつまでも居座り、昼食、夕食、さらに晩酌まで用意させるし、家族は接待して当然の如くの態度で座ってる親戚を見ると『なんだこいつ馬鹿か!?』としか思えない人もいる。大抵家族がお人好し故の馬鹿な親戚なので家族に責任が無いとも言えないけど、皆さんは馬鹿な親戚の振る舞いだけは真似しないよう心掛けて欲しい。
『狭い知識の押し付け』
葬式はこうするものだ、これが当り前だと言わんばかりの言動をする人が今の時代にも存在するのを教えてくれたのが、当社千明の父親と叔母さんの葬式、どちらも山間部の田舎だから通用するのだろうが、うちの親戚がいたら「家族以外余分な口は出すな」とその場で言うし、言われるだろう。
喪主は金が無いと分ってるのに自分の葬式論を押し付け、金も出さず実行させる親戚には腹が立った。無理せず火葬だけの葬式にして後々余裕ができたら供養でも法要でもすれば良いと決りかけてた所に現れ、そんな葬式では駄目だと口を出す始末、おとなしい喪主は言いなりで葬式したけど、なんでそんな横暴が通るのか不思議でならない。引受けたからにはどんなに腹が立ってもと葬式だけは無事済ませたが、葬式後「頼まれても二度と来ねぇ」と僕に言わしめた葬式でもあります。
何件施行担当しても、それが同地域なら知識なんてわずかなもの、葬式は全国、全県、全市、全地域で全て違うし、宗旨が違えば当然違うし、宗派によっても違い、同じ宗派でも寺によって違うのが現実だから正しいなど無い。唯一『家族の事情に合わせた葬式』これだけが正しい葬式と言える。
『家族は世話役だと思ってる親戚』
葬式になると様々な用事が発生する為、家族は動き回り、親戚はお茶を飲みながらくっだらねぇ話をして馬鹿笑いしてる構図はとても多い。この感覚は葬式の最後まで続くことも多く故人との別れも満足にさせて貰えず気付いた時は骨壺に納まってた――、と感じる家族はいくらでもいる。
火葬中の待機時間に食事、拾骨で呼ばれたら「お前達は片づけてろ」と家族に掃除させようとした親戚の話しを聞かされたが、さすがに怒って「自分達は家族だから拾骨して当然」と言い放ったそうだ。
『葬儀支援センター代表としての結論』
葬式の障害で多いのは故人の兄弟姉妹、口は出すけど金は出さない典型の人達、ハッキリ言わせて貰うと『家族が余計な神経を遣う親戚は葬式に呼ぶ必要はない、それが故人の兄弟姉妹でもね』もう少し突っ込んで言うと、その親戚とは近い将来付き合いが無くなるからです。
どうしても声を掛けるなら「今回の葬式は故人の希望でこうします」と宣言すれば良い。親戚だからと無理して付き合う必要はない。家族が神経を使い疲れる親戚や面倒な親戚は百害あって一利なしです。遠くの親戚より近くの他人、結論から言えば、そんな親戚との付き合いが無くなっても困ることは無いのだから、家族の事を本気で考えてくれる友人や近所の人達と親戚付き合いしたほうが日々笑顔で過ごせる。
特殊な社会で生きる皇族などは別だろうけど、一般庶民が付き合う相手は利権が絡まなければ自分が一緒にいたいと思う人達であり、それは自然に発生する友人関係であり、無理せず居られる相手だからの付き合い、社会に出れば仕事関係の付き合いは我慢もあるだろうけど、葬式に口を出す同僚や会社などありません。親戚だからと好き勝手言える神経も理解不能だけど、親戚だからと言うことを聞く必要もない。嫌なら付き合わなければ良いんです。