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13章・『死』『葬式』バラエティコーナー

13-1 『死』『葬式』バラエティコーナー

このコーナーは、葬式だけでなく表題にあるような様々な視点について書いてみたいと思います。

13-2 夜中、急変しましたの電話

全てとは言いませんが、夜間、深夜、早朝に病院、施設から対象者が「急変したので来てください」といった内容の連絡は逝去されてる場合が多いです。

心電図等装着した状態で異常があれば看護センターでも分りますが、何も装着してない状態の場合、夜間は人手も減り決められた時間に巡回、静かに息を引き取った場合は逝去に気付かないケースもあります。

さすがに亡くなったとは言えませんから「急変」と言わざるを得ないのは家族としても理解してあげたい部分です。決して横着したわけではありません。

13-3 自宅介護での注意点

病院なら医師や看護師が対応してくれますが自宅介護はそうもいきません。まず自宅介護をする絶対条件は『死亡診断してくれる医師の確保』基本は在宅介護の患者に往診してくれる医師なら夜間でも来てくれるでしょう。

問題は総合病院の勤務が主治医の場合、自宅に来てくれる事は殆どありませんから事前確認して来て貰えない場合の対策を立てましょう。

総合病院等で「もしもの時は救急車を呼んでください」と言う主治医もいるようですが、身体が冷たくなってるなど明らかな死亡状態なら救急車に乗せてくれず、救急隊員から警察署に連絡で捜査一課が来ます。

なので時間問わずいつでも来てくれる医師にお願いしておくほうが無難、治す事を目的とする医師もいれば、緩和ケアのように、どう死を迎えるかを主とし痛みや苦痛には対応するけど治療はしはない医師もいます。

主治医に確認して駄目なら在宅医療の医師を紹介して貰いましょう。その理由は次の項目で書きます。

13-4 かかり付け医師以外は捜査一課が入る

極端な言い方をすれば、係り付けの医師がいれば死後数日経過した状態だったとしても『死亡診断書』で済みますが、警察が介入すれば『死体検案書』となって警察が依頼した医師により死体検案が成されます。

警視庁管轄地域は検案する医師がおり時間さえ待てば無料で死体検案して貰えますが、他の警察は一般医院に依頼15,000円~100,000円ほどの費用が掛かります。

布団でも部屋でも外でも亡くなった状態のままを確保、警察の到着を待つ理由は他殺、自殺の可能性もあるからです。

警察は『殺人』疑惑から入りますので、家族関係、保険金額、など調べ隣近所への聞き込みも普通にされ自宅内と調査で4時間程度は調べられます。

殺人容疑が晴れれば警察から解放され一般の死亡と同じ流れになります。

死体は全裸にされ事件の可能性があれば警察署や科捜研に連れていき詳細な検査に入ったり、検案した医師が死因に疑問を感じれば大学病院等での司法解剖もあり裁判所の許可があれば家族は拒否できません。

また孤独死で腐敗が進行してる場合も警察署に搬送、専用のゴム製納体袋で警察署内にある死体専用冷蔵庫で保管されますが、個人確認が難しい状態なら自宅から歯ブラシ等でDNA鑑定となり一週間ほど掛かります。

以上の点からも自宅介護の際は『死亡診断してくれる医師の確保は必須』です。

13-5 死亡診断書と死体検案書

先程から話しに出てる『死亡診断』と『死体検案』で使用する書類は全く同じですが費用は別物、費用と死体管理は違いますので警察の介入は避けたいものです。

家族の中には我々に対し自殺を事故死と言う方もおられますが、死体検案書には『自殺』『自死』の文字が記載されますので意味はありません。

また事業の失敗で自殺した場合、免責年数(加入から死亡まで1年~3年)内なら保険金は支払われませんし、保険金目的であると証明されたら免責年数後も支払われないケースもあります。

自身の命を懸けて守ろうとした会社でも無駄な徒労では命の無駄使いにも成り兼ねません。その意味では推奨はしませんが僕の父親のように蒸発してくれたほうが家族の心の痛みは少ないのかもしれません。

13-6 死亡届出書記載、本籍、筆頭者

死亡届書は向かって左側が死亡届書で火葬許可申請書となり、右側は医師又は歯科医師以外は記入できない死亡診断書となります。

死亡診断書記入で時々難儀なんぎするのが『本籍』と『戸籍筆頭者』まず戸籍筆頭者ですが、生まれた子供は親の戸籍に登記され成長して結婚すると親の戸籍から抜け、自分達夫婦の新しい戸籍が作成されます。

多くはご主人が筆頭者、婿養子の場合嫁が筆頭者になる事もありますが、決まりとしては使用した「氏(苗字)」の人が筆頭者、戸籍筆頭者は死亡しても変更しませんので父親が亡くなってた場合でも筆頭者は父親です。

13-7 意味不明な本籍

本籍は日本国内何処でも住所があれば設定可能『東京都千代田区千代田1番1』の皇居設定も問題なく、大阪城、富士山頂などもありですから本籍は『日本』でさえあれば問題無いのが分ります。

但し『戸籍謄本』は本籍地しか発行されませんので現住所と本籍地は同じ住所にしておくほうが面倒がありません。

転勤族は転勤の度に本籍も移転すると相続する財産があれば移転先全ての謄本を持ってくるよう言われますので、人生の終幕を迎える地が確定するまで本籍は移動させないほうが無難です。

もし転勤先が多数あり本籍も移動した故人なら「亡くなった〇〇〇〇の相続で戸籍が必要です。御庁にあるものを全て交付お願いします」と書いた書面を提出するか電話で問い合わせれば相手も慣れており必要書類は分るでしょう。

13-8 死亡診断書の死因

医師又は歯科医師以外は書けない死亡診断書で死因を見ると『誤嚥性肺炎』『多臓器不全』など直接的な死因を記入が多いです。

癌保険等に加入してる時はスムースにな手続きの為、直接原因の誤嚥性肺炎だけでなく癌であれば『肺癌』『胃癌』などの文字も記入を依頼します。

また交通事故を始めとした様々な『事故』がきっかけとなった場合も、その旨を書いて貰ったほうが生命保険金の受給額が異なるケースもあるでしょう。

13-9 ちゃんとした普通の葬式をしろ

『ちゃんとした葬式=宗教儀式』は偏見でしかありませんが、それが理解できる人なら口にしないでしょうから、事前に伝えおく事が大事です。

信仰心のある人が宗教儀式の葬式をするのは当然、無信仰者が宗教儀式をしないのも当然であると納得させておくべきでしょう。

例をあげるなら仏教が当然と思ってる親戚の叔父なら「叔父さんは誰かにキスリス教の葬式をしろって言われたらその通りだって思うの?」はどうでしょう。

「うちは故人も含め全員無信仰だから宗教儀式はしません」って言えば、普通の頭を持ってる人なら納得するんじゃねぇ!?

それでも何か言ったら「うちはうちのやり方で行います」と宣言すれば良いでしょう。後々のためにも間違ってもそこで折れてはいけません。

13-10 供養とはなんでしょう

供養は仏教用語ですが日本人には馴染のある言葉でニュアンスは伝わり易いので「供養」をそのまま使いますが、お坊さんの行う読経、戒名は宗教儀式の供養であって家族の供養ではありません。

家族が行う『供養』の基本は『故人を忘れないこと』時々で良いから故人を思い出すことです。

故人が祖父母、両親、配偶者なら最高の供養は家族にしかできません。

死ぬ前に自分の葬式を心配しながら死ぬ人はいません。後に残す配偶者、子供達、孫達がこれからも仲良く支え合って生きてくれる事を心配したり願って人生の終幕を迎えるのが大半の人達です。

だから最高の供養をしたいなら『後に残った家族が毎日を元気な笑顔で過ごす姿を見せ続けるける事』これ以上の供養はありません。

そもそも供養にお金は掛かりません。理由は単純明快で、あの世にお金など無く金の価値あるのは現世限定だからです。

また宗教者の言う成仏(輪廻転生)、天国(復活)などが通用するのは信仰者限定で他信仰者なら完全拒否、無信仰者は「へぇー」というのが本音でしょう。

時々故人の事を思い出し、感慨にふけるのも故人からすれば自分を忘れないでいてくれるのは仏教でいう供養そのものです。

だから供養にお金は掛かりませんが心が無いとできません。故人を思い出したら『心配してくれてるんだね。ありがとう。でも元気だから心配ないよ』と心の中で呟けば良いのです。

13-11 墓参りが大事な訳ではない

まず大前提として墓は焼骨を置いておく場所でそれ以上のものはありません。

墓参りは故人を思い出すという前段があっての事、思い出した時点で供養をしているのですから遠方でも海外でも供養はできるのです。

本当の墓はひとり、ひとりの心の中にあり故人を忘れた人から墓は無くなり、忘れない人の墓はあり続けるものです。

墓参りが大事な訳ではないと言い切る理由のひとつに墓の実態があります。試しに墓石の前にあるカロートの蓋を開けて見ると良いでしょう。

打ちっぱなしのコンクリートに周囲四方を囲まれ、底辺は土に還るという言われから土のまま、蓋を閉じれば真暗、土中からの湿気は凄く、骨壺の焼骨はびしょ濡れで中には口切一杯水が溜まってる骨壺もあり虫が這ってるのが墓です。

その中に入れ置かれる事を「供養してくれてる」と思えますか? 大切にしてくれてると思えるのでしょうか? 外側の上辺だけ体裁良くても実態が伴わない墓に僕自身は入りたいと思いません。

生きてる人間が入りたいと思わないのに何処が供養なのか理解できません。元々火葬場焼骨は全ての骨を拾ってるわけではありませんから『粉骨で少量を自宅手元に置いてくれたほうが良い』と思ってる。

自然に還すなら粉骨にして故人が好きだった場所、畑、植木、故人の両親の墓、思い出の地などに少量を撒き、あとは自然の中に撒き自然に還せば良い。この発想と想いが『永代供養散骨プラン』を生み出した原点です。

13-12 残る家族の生活が守れる葬式とは

葬儀社は葬式代行が目的商売、葬儀支援センターの目的は『残る家族の生活が守れる葬式の実現』が使命で似て否なる立ち位置にいます。

この言葉は葬式してない人達は実感できないでしょう。しかし年金生活で旦那が亡くなった奥さんは言葉の意味の重さを実感させられるはずです。

試しに夫婦揃って社会保険事務所に予約して行ってみれば分ります。旦那でも奥さんでも配偶者死後の年金額を正確に聞けば納得せざるを得ないでしょう。

葬式の数か月後「だから葬式で無理してるどころじゃねぇぞ、と言ってるんだよ」と言うと「本当にそうですね、言われた言葉が今は実感です」となるのです。

世間体、見栄、親戚の顔色に無理してカラッポになった財布と通帳を見ても、うちの親父を看取ってくれた女性のような「満足感」を感じ続け「今も見守ってくれてる気がします」と笑顔で言えるでしょうか。

38才で事業に失敗した親父、家族全員を残して自分だけ蒸発したような奴ですから当時の父親は人間的にもまだまだなのは間違いありません。

それから37年後、74才を迎えた親父は自分を支えてくれた女性の事を最優先し、自分の死後も女性の心を温かく過ごさせられた親父は成長しました。

親父の最後の判断と生き様を聞いた息子の僕は『親父、最後は上出来だよ』と思わせてくれた事に満足です。

13-13 借金は死後でなく生きてる時に家族に相談しろ

本書の中では「借金があったら遺言書に書け」と言ってますが、本音は生きてるうちに家族に全て話し全員で協力して何とかしろ!って言いたい。

借金にもいくつか種類があって、博打、酒、遊興費での借金は離婚したり縁を切るしか無い馬鹿者で救いようがないけど、事業の失敗、生活費などの借金なら独りで背負い込まず家族全員で対応すべきだと思うんです。

前職法人では共同経営者と方針姿勢が合わず1億円の借金は全て背負って相手3か所、僕は2か所と経営を分割する事になりましたが、代表取締役は僕で主導権も持ってましたから仕方ありません。

僕はサラリーマン生活が長いせいか『スタッフは仲間』である感覚が強いのに対し『スタッフは従業員で経営者は2だけ』という発想の人でした。

間違ってはいませんけど仕事場は5か所ありスタッフの人達に任せるしかありませんから、一方通行でなく互いに前向きなら言いたい事が言えない職場なら俺は嫌だと思うからの発想でした。

1億円は毎月100万円返済で10年間くらいですから借金返済人生か、最悪自己破産もあると覚悟しましたがスタッフ達から「私達も頑張るから続けてください」と言われ5年で完済した経験から全員本気になれば何とかなると学んだのです。

独りで抱え込んだり、家族が知らんぷりしてたらどん底まで行くでしょうけど、苦しみも分かちあえるのが家族です。

人生の中で失敗経験などいくらでもあるものですから、その経験が次に生きれば良いじゃないですか。

昔のように借金で命までとられる事はありません。地獄を見ればいつかその反動で良い時がやってくると希望を持って生きましょう。

13-14 無借金経営は1億円借金からの発想

あんしんサポートは開設依頼15年間無借金経営を続けており、賃貸のあんしん館は100万円ほどの敷金を預けいつでも辞められます。

37年の経営者人生は借金して何かすると、借金返済が終わる10年後は改装改築などで再度借金することになり、借金返済の為に借金してるのか!?と思うような数十年を経験した事がひとつ。

当時の葬式はクチコミや紹介など考えられない事業で、葬儀支援は全国どこにもありませんし、次の葬式依頼がいつか皆目見当もつかないのですから、そんな事業に金を貸す銀行などありません。

借金するなら全て個人保証と足らない分は保証協会利用となれば、より多額の利子を払うわけで葬儀社の借金は身を滅ぼす覚悟がなければできません。

借金して見栄え良く派手に宣伝して開業しても思惑が外れたら、数年で倒産もあり得ると『何も無い所から無借金経営』を貫く方針を打ち立てました。

それが葬式施行があると自分達への褒美として「幸楽苑290円ラーメン1杯づつと半炒飯+餃子1皿のCセットを半分づつ」食べた話しなのです。

結論を言うと「金は無くても事業は始められますし、実際に始めて15年経過してます」金が無いから、人がいないから、場所が無いからなど、出来ない理由を述べる人は何もできない人、経営者としての器の無い人です。

13-15 骨壺での手元供養は勧めない

少子化で墓は子供の足枷となる事もあって墓を持たない家は確実に増え散骨希望の方も増えています。

東日本は7寸骨壺が基本で大きいからでしょうか自宅で骨壺のまま手元供養をされる方の多くは3年ほどで押し入れなど見えない場所で保管するようになります。

いつが何処かで処理しなければと思われるようですから一旦粉骨にして少量を手元で供養するのが最善に思えます。

但し少量でも骨壺の小さい物は避けファンシーショップ等で可愛い小物入れなどで保管しましょう。

故人を忘れない事は大切な事、でも実態の無い故人に縛られるのは良いとは思えません。心の中で良き思い出として残すのが最善でしょう。

13-16 川にでも撒いてくれりゃあ良いは駄目

男性の中には「俺が死んだら焼いて川に流してくれりゃあいい」と真顔で言う人もいますが、死体損壊・遺棄罪とは『死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し又は領得する犯罪、法定刑は3年以下の懲役である』

と定義されてますので遺骨をそのまま廃棄すれば遺棄罪として刑罰の対象になる可能性はあります。冗談のつもりでも言うべきではありません。

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」

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