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34:死んで逢いたい?口を出すなら金も出せ

葬儀業界に身を置いて15年、何回耳にしても理解できない言葉がある。

「亡くなったら逢いたいじゃないですか!?」

当り前のように言う人も多いけど『はぁ?なに言ってんだおめぇは――、』口には出さないけど大多数に対しての本音、そりゃあ毎日とは言わないけど日々顔を合わせてきた人が言うなら「ですよね」と心から言えるけど、普段は逢いに来ることもなく、寄り付きもしなかった人間が死んだら逢いたい?
おぃおぃ、自分の言ってる言葉が『変』だと気づかないのか!?

『逢う』とは普通生きてる相手に対して使う言葉、逢いたいと思えば存命中に逢いに来るのが普通、それも意思の疎通ができる状態、出来ればお茶でも飲みながらの歓談したいと思うのが極々普通の感覚だと思う。

『死後騒ぐのは普段面倒を看なかった人達』

両親、祖父母、配偶者、対象者が誰でも自分で介護をしてきた人達が死後の葬式で騒ぐことは殆どなく「できるだけの事はしてきましたから悔いはありません」と言い切る人も多く、簡単に言えば何か月、何年という介護期間の中で今生のお別れである葬儀は済んでる訳ですから、あえて葬式で騒ぐ必要を感じない――、これも当然の感覚でしょう。

これに対し存命中は寄り付きもせず、何もして来なかった人達はなぜか葬式で騒ぐ傾向があり「そんな葬式で良いのか」のような言葉を平気で口にするくず人間としか思えないやからも少なくない。

介護とは24時間体制、昼夜逆転現象の対象者も少なくなく世間が起きてる時間は寝て、世間が寝てる時間に起きてる生活なら介護する家族は満足に寝る時間すら無いだろう。それを何年も続けてきた人なら『できる事はしてきた』自負も当然あるだろうし、やってきた事への満足もあって当然、ぶっちゃけある種の解放感でホッとしてるのも事実だろう。

また介護する人間は働きに行けず収入が得られず、医療費も掛るから経済的に大変でも当たり前ですから葬式も無理しようと思わなくて当然、この感覚は支援を行う我々にも何となく伝わるものだけに、生前は寄り付きもせず死後に騒ぎ立てる家族は他人の僕から見ても鬱陶うっとうしく腹の立つ存在で僕の親族なら「黙ってろ!」と一喝するだろう。

仮に自分が多少の金銭援助をしてきたとしても、寄り添ってきた人達とは雲泥の差である事を忘れるべきではない。どうしても口を出したいなら葬式に掛かる全ての費用を出す覚悟をすべきだろう。

あんしんサポートは残る家族の生活に支障が出る葬式を引受ける気はない、依頼内容が家族の財布事情に見合わないと分れば「馬鹿か!あんた達が苦しむ姿を見て故人は喜ぶのか?自分の葬式が豪華なら故人は満足するのか?どうしてもその葬式がしたいなら俺は引き受けないから何処でも好きな葬儀屋に電話して遺体を運んで貰え」と言うことさえある。

また残る家族の生活など全く考えず言いたい放題の親戚に対しては――、
「なら聞くけど、この家族が生活に困ったら面倒看るんだな!?」と聞いて「勿論面倒看るよ」とか「はい」と言った親戚は過去に一人もいないから、
「ならみっともねぇから黙ってたほうが良い」たしなめた事が数回ある。

家族は親戚と喧嘩するわけにいかないけど、僕が親戚と喧嘩に成っても、この先付き合う事は無いから問題は無い。過去に1件だけ親戚が全額負担すると言うので葬儀屋に来て貰い死体を引き渡した経験があるが、判断は今でも正解だったと思っている。

親戚が費用を払っての決断なら、あんしんサポートの悪口は言うだろうけど家族に文句を言うことは無いし家族の生活にも支障はでない。家族の生活が守れるなら葬式なんて何処でしても構わないし、この件も結果として家族の生活を守ることは出来たはずです。

なぁーんて言うとすげー良い人みたいに思われちゃうけど、うちの各葬式プランの料金設定はどれもさほど儲からないし、ちゃんと計算すれば赤字設定のほうが多いから葬式施行は減っても殆ど打撃は無いんです。

うちは葬儀屋ではなく家族の生活が守れる葬式の組立と施行、生前から逝去後の各種手続き相談もできる支援センターであり地域のプライスリーダーとしての役割もあると思っている。だから家族が親戚から無理を言われても、家族の財布事情で無理な葬式は絶対に受けない。

また低価格表記が知れ渡れば地域の平均価格も下がるのは必然だからプライスリーダーになれるから多分前橋市は他県、他市より低料金化が進んでいるだろう。それが広がってくれたら間接的だけど守れる家族が増える事に繋がるし残る家族の生活が守れる葬式を広げる最後の砦だと思ってる。

本書前段でも書いたけど僕は葬儀屋がしたい訳でなく性格的にも葬儀屋には成れない奴だから、余裕の無い家族中心の葬儀支援を徹底してきた事で家族から感謝の言葉を聞き続け、できるだけ長い存続を希望され、本音を言うと引くに引けなくなって続けた15年でもあるんです。

儲からず、自分の時間もなく、休日もなく、例え病気でも代わりがいないから健康に注意するしかない、だけど1年365日無休でも毎日を元気な笑顔で過ごしていられるのだから、葬儀支援は会員家族の為でもあるけど、生き甲斐も含めて自分自身の為でもあるのは間違いないからお互い様なんです。

20022年1月に利用した会員家族から頂いた手紙

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」
家族の死後に後悔しない為の一冊

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