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33:存命中に死後の話しはしておけ

「まだ生きてるのに死後の話しなんて不謹慎な」とか「縁起でもない」と口にする人がいるけど、家族が話そうが話すまいが結果が変わることはない。この建前論が残る家族の生活を悲惨な結果に導く最大要因なのだから、何もせずにいるほうが愚行なのは明らかだろう。

相談に来られる半数以上は過去に葬式経験のある家族で、その大半は過去の葬式で後悔している現実なのだから、つまらん正義感は悪事にも似たりであることを自覚しておいたほうが良い。

何故か!?大多数の人達は葬式について『無知』と言えるほど何も知らないからで自分は知ってると公言する大半は悪習慣や霊感商法を鵜呑みにしてる人達だから端的に言えば始末が悪い人も多く、それなら何も知らないほうが良いとさえ思える。

今の葬式の現実を見ても葬儀屋と宗教者の言いなりになり、それが当然と思う人達は自分の家の葬式以外は口を出してはいけない人間だと自覚すべきと断言する。あなたの言動で傷つき、迷惑をこうむる家族が出るからだ。それが数千人以上の葬式経験者から相談を受けてきた人間が痛感し、アドバイスできる最大ポイントです。

『死後、葬式の話題はいつすべき』

家族全員が元気で「葬式」の話しが笑ってできる時がベスト、この段階なら建前でなく家族個々が本音で語れるからです。例えば日本人の大半は信仰心を持ってませんから「宗教儀式は要らない」が最も自然な発想ですが、死後になると周囲からの圧力が掛かり、したくも無い宗教儀式をせざるを得ない状況も普通に起こるからで、その元凶が上記の無責任発言をする決して利口でない人達「沈黙は金」「言わぬが花」「口は災いの元」と知るべきだ。

『事前に話しておくべき3テーマ』

① 個々が希望する葬式表明

家族でも個々の性格が違うように葬式に対する考え方も違います。家族の中には特定の信仰を持ってる人もいれば、家族間で違う信仰を持ってる事もあるでしょうから、まずは自分がして欲しい葬式をできるだけ具体的に示しておく事と家族は個々の意思を尊重する姿勢を持つことです。

② 希望する葬式の費用
①を話し合うと『直葬』で良い人もいれば『特定宗教儀式』を希望する人もいて当然葬式に必要な費用も違ってきますから費用については希望した当人が貯めるなどして充当するのが基本、葬式代を残せなければどんな葬式であろうと文句は無いと各自が署名(対親戚対策)しておけば良いのです。

③ 各自の希望する葬式を明記して書面で残す
続いて直葬希望だとしても、依頼する葬儀屋によっては数倍の価格差など当り前にある為、直葬の内容、遺骨の処理も明記しておく必要があり、各々が『希望の葬式』『葬式の内容』『遺骨処理方法』『依頼する葬儀屋』『必要な費用と貯金』『遺産について』『その他』など自筆証書遺言で書き、家族の承認を得た上で法務局に預けて(一通3,900円)おくのがベスト、勿論カード暗証番号など生前伝える必要の無いものは黙って記載しておけば、生前は誰にも知られず逝去時点は明らかにされる。

『葬式の話しは一度だけ真剣に行う』

死が必ず訪れることは誰でも知っているが、普通に動ける心身の健康がある段階に於いては、僕も含めて『死』は必ず来るけど今じゃない。すぐじゃない。何の根拠も無いがそう思ってる人達が大半だろう――、しかし突然や、まさかは現実に起こるし、施行側の立場で何度となく経験してます。

正直なところ50代くらいまで『死』を考えることは無いだろうが、60代後半になると同世代の人達の死を見聞きする事になり、明日は我が身感覚が湧き70代、80代ともなれば『死』は身近に感じるられるだろう。老人が「いくらあれば死ねるかね100万円掛るかね」といった感じの言葉を聞いた人も多いだろうが、金額面の不安が大きいあかしのようなものだろう。

この感覚は加齢と比例して強くなるだろうし財布事情によっては若い時には考えもしなかった身体が思うように動かず、何処かに痛みを抱え、医療費が増えれば『不安』が増え続けるのも頷けるけど、この感覚を払拭する方法はひとつしかない。
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『死後の流れと最低限必要な死後費用を用意しておく』
 
①逝去が最悪でも翌日には特定の人が分るようしておく
 ②死亡届出人を決めておく(6親等以内の血族・3親等以内の姻族)
  親族がいない場合は葬儀屋に相談すればアドバイスが貰えるだろう
 ③火葬までの流れを全て遂行してくれる葬儀屋を決めておく
 ④火葬後の遺骨処理を決めておく
 ⑤必要な総額を準備しておく(依頼する葬儀屋に支払う)
  支払った場合は正式な預かり証を貰っておく
 ⑥以上を書面に残し「①」の人が分るようにしておく(預かり証同封)
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この方法なら、近親者の無い人、天涯孤独な人でも対応できるだろう。また地域包括センターや市役所の福祉課を利用することも可能、当支援センターのケースの実例で2022年2月現在存命中お婆さんの例です。

前橋から1時間の距離の老夫婦から電話で配偶者のお婆ちゃんの身体が弱く元々他県の人達のようで、もしもの時は火葬と散骨をして欲しいと言われ、時間のある時に自宅に伺って2名分の費用も預かってきました。

数年後、予想に反して先に逝ったのはお爺ちゃんでした。生前受けた依頼の通りに火葬と散骨をして終了しましたが、その後、少し痴呆の入ったお婆ちゃんの金を使い込むよな人達が現れたようです。

葬式から1週間もすると他県の娘が引き取ると連れて行ったそうですが、わずか一週間ほどで帰されたお婆ちゃんの通帳はゼロになっており、数万円だけ持たされてたが、葬式代は解約してないかと近所で世話を焼いてくれてた小母さんから連絡、その数日後には娘と名乗る人からの電話で解約したいと言われましたが、言ってる事が不自然で理解できず市役所の福祉課に確認するよう伝え電話を切った。

暫くすると市役所から電話で、住んでた家を片づけると当方の会員証が見つかり内容確認させて欲しいとの連絡、ただ本当に市役所か不明ですから簡単に説明だけして後日市役所に行き担当者に『もしもの時は連絡さえ貰えれば火葬と遺骨処理まで全て当方が行う契約になってる』と説明すると担当者も納得したようで、その後の流れを説明してくれました。

役所も通帳の流れを確認すれば分ることですから、娘と名乗る人を警戒して居場所は伝えておらず、面倒を看てくれてたと思ってた小母さんもお婆ちゃんの金を使い込んでたようで突然引っ越して居なくなったらしい、お婆ちゃんは貯金も無くなり行政が保護、施設で元気に過ごしてるそうです。

娘でさえも金だけ盗って放り出す現実があったり、面倒看てくれたのは事実だろうけど代償は勝手に盗ってた人がいたり、痴呆の人を食いものにする卑劣ひれつな人間って本当にいるんだと驚かされました。

このケースお爺ちゃんに先見の明があったという印象が強く、自分が先に逝く事はないと思い込んで、まだ生きてるのに葬式の話しなんて――、と考えるタイプの人間だったら自分の死んだ時点でどうなってたことか。

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」
家族の死後に後悔しない為の一冊


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