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24:棺に入れる副葬品について

副葬品ふくそうひんについては色々言われてますし常識でも分る部分も多く、ある程度の知識は持っておられるでしょう。入れられない代表的な物として「金属類」「プラスチック類」「カーボン杖」「メガネ」「時計」「革製品」「ビン類」「缶類」「CD」などで、入れても問題無さそうで駄目なのが「本」「ダンボール」など空気の層がある紙類は燃え残る為で「大きな果物(すいか、パイナップル)」なども丸ごとは駄目、この辺りも葬儀屋なら分ることで問題ないでしょう。

『棺に入れて欲しい物一覧』
自宅仏壇を開けると知らない人の位牌も入ってる家がありますが、故人が守ってきた位牌(故人の両親、兄弟姉妹、親戚など)は棺の足元に入れて持たせてあげましょう。時々寺に持っていけば良いですか? と聞かれますが縁の無い寺や神社は意味も無く費用も掛かりますから、生前守ってきた人の棺に入れ持たせてあげるべきです。

同様に大きな遺影は額を外して入れたり、宗教的な物でゴミ箱に捨てられず燃える物は葬儀屋にお願いして棺の下方足元に入れて荼毘に付しましょう。※ この点は後々まで考慮すると大切なことです

『家族の写真を入れる時代になった』
昔は故人に連れて行かれると言われ、家族や孫の写真を入れる事はありませんでしたが、今は普通にいれる時代になりました。とはいえアルバムや何十枚の写真は駄目ですが数枚の写真、手紙程度なら問題ありません。

『故人の好きな食べ物は殆ど問題ない』
刺身、蕎麦、うどん、肉、菓子類、まんじゅう、チョコレート、飴、等々、大抵の食べ物は少量なら問題ありません。健康の為に禁煙してた故人なら解禁してあげましょう。酒は180㏄(1合)紙パック入り日本酒、焼酎、ワイン程度なら問題ないでしょう。好きだった物や手作りの料理など少し多めに用意し棺にも入れますが皆で少しづつ分けて食べても良いでしょう。

『入歯』
厳密に言えば駄目ですが、逝去前や直後に看護師さんに挿入して貰うのがベスト、病院で入らない時は葬儀屋に渡して入れて貰い、それでも入らなかったらティッシュに包んで首の所にでもそっと入れてください。

『服飾品・アクセサリー』
一番好きな洋服、いつも被ってた帽子、髪が薄くなって被ってたウィッグ等はいつものように被せてあげてください。寒がりな故人ならくつ下を履かせたり、マフラーを巻いてあげるのも良いでしょう。帽子の金属飾り、コサージュ、ネックレス、ベルト(金属バックル)などは外しましょう。時々指輪をしてる故人もいますが葬儀屋なら石鹸等を使い抜いてくれるでしょう。

『六文銭(三途の川の渡し賃)』
大前提として日本には貨幣損傷等取締法かへいは硬貨の事があり、故意の損傷、潰す、溶かす等は1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に課す処罰もありますが、紙幣に処罰規定はありませんので千円札1枚入れるのもありかもしれません。

1円はアルミニウム製で融解点660℃ですから溶けて形を留める事はありませんが、5円と10円は銅が主材料で融解点が1,100℃近く形状の変化はありますが溶けて無くなる事はなく、50円、100円、500円にはニッケルが含まれており融解点1,400℃以上ですから溶ける部分はあっても溶けて無くなることはありません。

元々一文銭を6枚入れる慣習からすると硬貨6枚入れたくなる気持ちは分りますのでお勧めはしませんが溶けて形状を残さない1円玉6枚でしょうか、間違っても会葬者が好きなだけ入れるような行為は止めましょう。

『基本は入れられない』
副葬品について『入れてもいいですよ』という事であって、原理原則で言えば死体以外は全て駄目なはず、理由は溶けて固まると焼骨に付着したり、火葬時間が掛かったり、火葬炉が傷むなどが理由です。ただ斎場側としても家族の心情は理解できますから黙認してるだけの事です。

『副葬品はいつ、何処で入れる』
副葬品は斎場ではなく葬儀屋か自宅で入れます。斎場で入れられるのは生花程度で、斎場によっては棺のフタを開けさせない所もあり、全て事前に入れておく必要がある斎場や火葬場もあるでしょう。火葬予約時間と使用した火葬炉は次回使用まで整理、掃除、冷却する時間もある為、必要以上に最後のお別れで時間を掛けることはできないからです。

『棺に入れた物は分るから内緒は駄目』
過去に1度だけ火葬後に斎場担当者が慌てて呼びに来て火葬台を見ると、犬か猫の焼骨が入っており家族に確認すると故人が可愛がってた犬の焼骨を黙って棺に入れたと分りました。

入れて焼いちゃえば分らないと思ってる方もいますが、お菓子程度の物や薄い服など以外は大抵分ります。例えば木製の位牌はそのままの形で残り文字も読めます。我々に内緒で入れた本はしっかり燃え残り担当者から注意を受ける事になる。カラオケ好きなら好きな曲の歌詞のページだけを入れるなら可能、入れたい物は必ず葬儀屋の担当者に確認してからにしてください。

『写真を撮っておきましょう』
何処の斎場、火葬場でも火葬炉と拾骨室の写真撮影は禁止です。そこで式場、葬儀屋施設、自宅で棺に納まった故人の写真、故人と家族の写真などをスマホで撮っておく事を勧めます。嫌なら後で削除すれば完全消去できますが撮っておけば良かったではどうにもなりません。

『大事なのは家族の気持ち』
副葬品だけの問題ではありませんが、ともに過ごした家族を自分達の手で送れた実感が得られる場面は葬式の中でもそう多くはありません。うちが勧める通夜、ご遺体への化粧や処置、手で入れる拾骨、そして洋服を入れたり、帽子を被せたり、好きな物を入れながら思い出やエピソードが語れる副葬品を入れる時間くらいだろうと思います。

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」


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