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39:賢い墓閉じの仕方教えます

自分(家族)名義の土地にある墓なら無理に閉じる必要はありませんし、それが墓としての登記なら固定資産税も掛かってません。但し墓は誰かが墓守しなければいけないと民法で祭祀継承者さいしけいしょうしゃについて謳われてます。

公営墓地、民間墓地、地域墓地、寺墓地などロッカー形式以外の墓に遺骨を入れてあるなら墓守不在になる前に墓閉じするのがルールです。次世代の墓守が居なければ納骨できない所もあるでしょう。

そこで墓閉じを考える訳ですが『墓を撤去して更地に戻す作業』『墓内の遺骨を処理する作業』があります。仏式など宗教色のある墓は『閉眼供養(魂抜き)』の読経を行う必要もあるでしょうが、寺墓地以外は所定の手続きさえ踏めば容易に墓閉じ可能ですから、今回は最も面倒な寺墓地の賢い墓閉じの仕方について説明します。

『石屋の解体、撤去、処理料金はピンキリだと思え』

一般的な感覚では『葬儀屋』『寺』『石屋』はいずれも明確な料金が明示されてない所謂いわゆる、胡散臭い部類の業者ですから、石屋の見積もりは最低3社取ること勧めます。過去の例では前橋から50分ほどの市に墓のある会員さんが飛んできて言うに「寺で見積もりしたら墓の撤去と遺骨は永代供養墓に入れる方法で500万円と言われ慌ててきました。代表どうにかなりませんか?」というものでした。

墓地の場所を確認し1万円受け取ると石屋に連絡して墓の撤去費用と墓の中にある骨壺の数を教えて欲しいと伝えます。1万円は見積後、着工すれば差し引いた額で請求され、墓閉じしなければ石屋さんが動いた費用として渡すことになります。石屋は現地まで行き墓の基礎も調べ、カロートのフタを開けて骨壺の数も確認するのですから受注せず無料はあり得ません。

数日後、石屋から見積りが届き、遺骨は当方散骨計算すると50万円でしたから450万円の差があります。さすがに10倍差は極端ですけど数倍差なら普通にあるのが石屋の料金、高いから丁寧で、安いと雑かと言われたらそんな事はありません。

この辺りは葬儀屋への感覚と似ており、高いから豪華、安いから質素で粗悪品をを使ってると思う人も多いようですが、例えば当方69,000円直葬プランとは実質日本で一番安くて、最も豪華な直葬と言われますから、料金だけで判断せず内容確認や追加条件を確認して検討しましょう。

墓閉じ料金の基準は『墓の広さ(外柵等)』『使用してる石の量』『墓の建ってる場所』で違います。広さと量は理解できるでしょうが、場所は簡単に言うと道路に面してればトラック横付けでクレーンで吊れますが、墓所の奥で通路が狭ければ別途搬送する機械や器具等が必要となる為です。

『納骨してある遺骨処理』

今回は墓から墓への移動は考えておらず墓終いですから、納骨してある遺骨の処理も考える必要があります。「散骨」と「手元供養」なら墓の引っ越しである改葬かいそうには当たりませんので、墓の所在地役所の許可は不要、完全乾燥、粉骨してから大半は散骨、一部を手元供養すれば改葬に当たらず手元での供養もできる超お勧めの方法です。

遺骨処理が出来る所はそう多くはありませんが、散骨業者を紹介する葬儀屋もあるしネット等で納得できる所を探すと良いでしょう。
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参考資料 あんしんサポートの場合
・墓から出した遺骨は骨壺の中でびしょ濡れ、水が一杯の骨壺もある
・遺骨は天日で数日掛けて完全乾燥させます(虫がいても排除できる)
・鉄、陶器など異物を全て取り除きます(昔の骨壺は色々入ってる)
・専用機械で粉末にします(粉の飲み薬状態、顆粒ではない)
・骨壺の処理は産廃業者に依頼して引き取って貰います(捨てられない)
・一部粉骨は専用ビニールに入れ更に専用容器に入れ家族に渡します
・他の粉骨は当社専用山林散骨場にて散骨し土に還します
※以上の全てを行い1体6万円+税です(火葬直後は5万円+税)
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『墓撤去で更地に戻す費用』+『遺骨処理費用』=合計金額、が支払い可能ならばこの段階で初めて管理する寺の住職に墓閉じの旨を伝えます。確定するまでは絶対に話してはいけません。寺の永代供養墓に入れさせようとするし「祟られるぞ」と脅す住職さえいるのが現実だからです。墓閉じが決まれば閉眼供養の読経をするでしょうが布施額は1万円~3万円ほどでしょう。

『離檀料は断れば良い』

そう多くはありませんが、過去に2件離檀料を請求されたと会員家族が飛んできましたが「あんしんサポートに相談したら払う必要はない」と言われたと伝えて支払わず済んでいます。

檀家になる際は書面で色々書いてあり、墓閉じは更地に戻す事、また年会費未納入が3年以上になれば墓は撤去する旨なども書いてあるでしょうが、離檀する際は離檀料を支払うなど書いてないからです。書面に書いてあれば別ですが書いて無ければ裁判に成っても取れない事くらい寺も分っているから「払いません」と言われたら何も言えないのです。

但し祭祀継承者について民法で定められ、墓の土地は購入した訳ではありませんから最低限のモラルとして無縁墓にすべきではありません。

墓は引き継ぎたい人がいれば法定相続人で無くても引き継いで構いません。ただ墓守したい人は少なく、誰も継承しなければ最終的には家庭裁判所が祭祀継承者を指定すると断れません。墓に入っている人や財産相続した法定相続人を祭祀継承者ら任命する可能性が高いと思ってよいでしょう。

『墓閉じのまとめ』
① 最低3社から石屋の見積もりを取る(墓撤去、納骨された骨壺数確認)
② 納骨してある遺骨の数を確認し処理費用の総額を知る
③ ①費用+②費用の合計で支払い可能なら寺(管理者)に墓閉じ伝える
  面倒を避けたいなら「信仰が変わった」「墓守不在」と言う
  費用面で無理なら一旦は諦めて費用を貯めてから墓閉じする
④ 住職の閉眼読経が済めば石屋が入って墓閉じ開始(1日か2日間)
⑤ 個人的な感覚ですが「一部手元供養」+「散骨」がベストだと思う
  散骨業者から粉骨を分けて貰い、故人の両親の墓、庭、などにも撒く
⑥ 手元供養の粉骨は出来れば火葬証明書を添付しておきたい
  (寺で火葬許可証を保管してある所は殆どない)

余談ですが青山墓地や多磨霊園など人気のある墓地なら、空いてもすぐ販売できる事から、墓閉じと遺骨処理は無料で行って貰えた家族もおります。

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」
家族の死後に後悔しない為の一冊

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