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日本酒のお話 〜 三冠と由加山蓮台寺

あんしん堂は占い処です。何やら占いと関係がありそうな神社仏閣があれば、行きたくなるのが習い性です。
そんな訳で四柱推命みくじがある、岡山県倉敷市の由加山蓮台寺に行ってまいりました。
大きな不動明王の坐像があり、左手からロープ(羂索)が賽銭箱あたりまで伸びていて、それを持って不動明王のご利益を頂こうという趣向が凝らしてあり、仏像を見るとやはりお寺であることを感じます。薬師如来像も本堂とは別の建物に安置してあり、お寺にはお寺の風格があるものですね、独特の静かな空間が薬師如来像の周囲にありました。撮影禁止で写真が無いので、その様子をお伝え出来ませんが。
そして私 進雅と木咲の2人でお目当ての四柱推命みくじを引きました。

四柱推命を応用したおみくじ

まあ、やっぱりそこはそれ職業柄、おみくじの内容に2人でウンチクを傾けながらああだこうだと横で知らない人が聞いてたら、おみくじの評論家風にも聞こえる様な話をしながら、すぐ隣りの由加神社にもお参りしてきました。

由加神社の備前焼の鳥居

写真の通り、備前焼で作られた珍しい鳥居がシンボルマークの様になっていますが、お寺と神社とで地続き、あたかも同一敷地内にあるかの様ですが、どうやら完全に別物の様なのが立て看板などから窺い知れました。
足のお守りが目立つ神社でしたが、この地の名物のあんころ餅が境内で売られていたのでそれを買い、一通りお参りを済ませてまいりました。

合格祈願者向けの難関を潜り抜ける鳥居

小さくて低い鳥居があり、人が這って行けば潜り抜けられそうな鳥居や、他にも趣向が凝らされた神社でした。

さて、倉敷市というと大原美術館や美観地区を連想する人が多いと思います。
しかし実は瀬戸内海に面していることから、漁港もあるんですね。
そんな下津井漁港のすぐ近くに蔵元がありました。

三冠酒造さん

三冠酒造さんのコンセプトは、
「料理の味を引き立てるお酒」
「料理が主役、お酒は名脇役」
というものだそうで、写真の暖簾をくぐって店内に入りますと、「三冠」のラベルの瓶が目に留まります。

三冠 朝日 純米吟醸 無濾過生原酒

当方の好みを伝えると、勧めて下さったのがコレ。特徴はお米に朝日を使っていることだそうで、朝日はいわゆる飯米で、普通に炊いて食べられているお米です。要は酒造好適米と呼ばれる山田錦などとは成り立ちが違う訳です。
一般に飯米から作ったお酒はどうも、と敬遠されがちなのが、朝日だけはむしろファンがいるらしく、ほぼ岡山県の蔵元でしか扱わないという説明を受けました。ならばってんでその朝日から作った純米吟醸の無濾過生原酒を買って帰った訳です。
そこまで聞いたらすぐにでも飲みたくなるのが人情です。夕方帰り着いて速攻で冷やし、ワクワクしながら開栓。ひと口飲んで
「おぉ、こ、これは…こんな美味い日本酒作ったらアカンやろ。すぐ飲んでまうやんか。」
強い香りで最初のインパクトを与える訳でもなく、静かに始まる交響曲の序章を思わせる、少し甘めの口当たりの良さからすぐに絶妙なレベルの苦味と酸味がお米のアルコール感が時間差でやってくるのですが、これがまた穏やかな辛口感といいますか。
つまみに冷奴を用意しておいたのですが、
「料理の味を引き立てるお酒」
という謳い文句の実力を発揮したのはむしろひと口ふた口飲んだ後に冷奴を食べた時です。明らかに冷奴の大豆の味が際立つのです。こればかりは主観が入りますから、感じ方は人によって異なると思いますが、私には三冠酒造さんの目指すところの意味が十分に伝わりました。
冷奴の味を口の中に残しつつ、再び三冠を飲むと、ひと口目と同じ静かな旋律を奏で続けます。他のつまみ…もろみ味噌やら唐揚げやら…を食べても、お酒が騒ぎ出すことがありません。それぞれのつまみの味がしっかり伝わってくるのです。
唸らされましたね。それが証拠に四合瓶が1時間経たずに2人で空になってしまいました。

恐れ入りました。まいりました。
私 進雅と木咲の間では三冠 朝日 純米吟醸無濾過生原酒の殿堂入りが決定しました。日本酒好きの人も、そうでない人にもお勧めです。倉敷に行ったら是非お土産にどうぞ。

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