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ANRI Investment Policy

これまでANRIでは10年以上First roundでの投資・シード領域での投資に力を入れてきました。ANRI 1号ファンドから現在の5号ファンドに至るまで投資活動を行っておりますが、一貫してシード投資をメインの投資領域として注力しております。これからも変わらず初めての投資家であり、初期から支援させていただきたいと考えております。

しかし10年前から変わったこともあります。投資金額の総額は日本で増加し続けており、また投資の手法・契約書も様々なものが選択肢として提示されてきております。数年前シードにおいては、普通株で投資させていただくという一辺倒だったものから、優先株やみなし優先やJ-KISSといったものまで投資手法は様々に変化しております。今後トークンなど含めて更に投資手法・契約書は多様化していくでしょう。

そういった環境の中で、起業家の皆様からみて“ANRIはどのような思想で、どの契約書で投資をしているのか”ということを明示していくことはお互いの理解促進の上で有益なのではないかと考え、下記、ANRIの現状のポリシーを明記いたします。

*ANRIがリードとして投資条件を提示する場合に限ります
*基本方針ですので、起業家との個別相談の上でこれと異なる取扱いを要請する可能性があります


ANRI Investment Policy

・ 創業者(経営株主)への株式の買取請求権を削除します

下記方針にも出ている通り、創業者(経営株主)に対する買取請求権利・連帯責任債務に関する項目は削除します。所有と経営の分離を考えた際に、今後はグローバルスタンダードでもある基準に則り対応させていただきます。

不合理な条件において創業者(経営株主)に買取請求が発生することを防ぎ、そのようなことを不安視することなく経営・事業にフォーカスして事業に邁進していただきたいという考えのもとこの方針にいたします。

「スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針」(経済産業省)

・ ストック・オプション(SO)の発行条件(オプションプール)を発行済株式総数の20%に設定します

ANRIは圧倒的な未来をつくれるようなスタートアップに出資をさせていただくために存在しています。そのためには素晴らしい人材をどれだけそのスタートアップに参画していただけるかにかかっていると言っても過言ではありません。

SOはその1つの道具として非常に有効だと考えており、起業家の皆様の要望がある場合には、オプションプールを発行済株式総数の20%まで許容いたします。

これまでは上場時の企業のデータを参考に考え、10%ほどが適正だということで10%ほどを目安として提示しておりました。しかし繰り返しになりますが、今後より大きな・圧倒的な未来をつくる企業を生み出すためにはより素晴らしい人材を採用していかなくてはなりません。そのためにはオプションプールを増加させることは目指す未来を実現するためにプラスになると考えております。またVestingに関する議論にも起業家と相談・合意の上で前向きに後押しをしていこうと考えております。

SOだけで素晴らしい人材が獲得できるほど甘くはないですが、1つの道具として今後、投資先には活用していただきたいです。

・ シードにおける投資は基本的にはJ-KISSで行います

シード期(みなし優先株式を含む優先株式による投資ラウンドを経る前の時期)における投資は、投資先が優先株式による資金調達戦略を持っている場合、基本的にはJ-KISSを活用して投資させていただきます。

プロダクト・サービスをローンチする前など、シード期においてはなによりもスピードが優先されます。ANRIでは、J-KISSによる投資は、投資実行に至るまでの期間が短く、また投資先にとって投資後の株主管理のための手間を省くことができる点で、プロダクト・サービス開発により多くの経営資源を割くことができ、投資の成功率を高める投資手法と評価しています。したがって、他に投資家がいて既に株主管理コストを負担することを受け入れている投資先でない場合には、J-KISSを活用することによってスピード感を持って投資対応をしてまいります。


今後とも起業家がより挑戦しやすい環境を整え、支援できればと思っております。

起業のご相談などもお気軽にご連絡ください。

※ANRI Investment Policy制定にあたり、増島 雅和弁護士に監修いただきました。
 ご協力いただきありがとうございました。


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