研究開発型スタートアップ: 発信する投資家のBruce Booth
ANRI 宮﨑です。あけましておめでとうございます。今年も発信を引き続きやっていこうと思っていますので、よろしくお願いいたします。
ARCH/Nelsenについて簡単な記事をいくつか書きました。
欧米などのスタートアップの経営者や投資家は何をやっているんだ・誰がいるんだっていう紹介もしていきたいと思います。今回は、Bruce BoothというAtlas Venturesのパートナーを取り上げたいと思います!
Ph.D. → Mckinsey → VCのBruce Booth
(出典:https://atlasventure.com/profile/bruce-booth)
Bruce Boothはタンパク質標的分解薬のKymera Therapeutics、Stem Cell transplants(造血幹細胞移植)のMagenta Therapeutics、計算化学のNimbus Therapeutics等の幾つものバイオテクの創業・経営に携わりながら上場・買収の実績を作ってきました。Cco-found - seed - series Aまで(会社を立ち上げからseries Aまで)支援し伴走するAtlas Venturesの投資スタイルを取っています。
Bruce Boothは2005年にAtlas Venturesに参画しています。彼自身はPenn State Universityで分子生物学を学び、RNA修飾についての研究をしていました。学部時代の研究が論文として発表できたこともあり、Marshall Scholarshipを獲得し、Oxfordに進学しました。OxfordでT cell の免疫を研究したことが、今の仕事であるバイオテク領域に興味を持つ最初のキッカケとなっていると述べています。2000年前後の当時はMckinseyがOxfordやCambridgeの博士学生を積極的に採用活動を行ってた時分であり、博士号取得後は戦略コンサルタントとしてMckinseyで働きました。振り返って、Mckinseyで働いたことはビジネスについてのポスドク期間だったとも述べています。ビジネスを学ぶプラットフォームとしては最も良い環境の1つと考えているそうです。博士時代から常に科学技術とビジネスの両方に関与できる仕事を探していたため、Mckinsey時代にもVCを多数受けたもの、DomainにいたBob More含めて多くのVCに落とされました。Mckinsey後は、ヘッジファンドCaxton HealthでのPE/VC部門の立ち上げのようの役割を経て、Atlas Venturesに参画しています。Atlas Venturesとの縁は、Caxton時代にNxstage Medicalで協調投資したことには始まっています。PrincipalとしてAtlasに参画し、2009年にPartnerに昇格しました。Bruceが参画した当時のAtlasはバイオだけでなくテクノロジー投資も行うファンドでしたが、意外にも最近の2014年末に2つのファンドとして分ける決定をしており、Atlas Venturesはバイオ専業ファンドとなりました。
Bruce Boothの特徴は”情報発信”
Bruce Boothが実績ある投資家の1人ですが、それ以上に彼の大きな特徴は業界の情報発信を10年以上に渡って積極的に続けていることです。
まず、Twitterでも意見を活発に発信しています。前にご紹介したBob Nelsenよりも断然多くの発信をしており、何より議論もよく行っています。最近では、アメリカのバイオテクの立ち上げ方についてのやり取りが行われていたので、是非ご覧いただきたいです。
例えば、こういう感じです。
If you need brain surgery, do you go with new MD or world-leading neurosurgeon?
— Bruce Booth (@LifeSciVC) November 13, 2021
If you want a successful biotech that brings Rx’s to patients, do you back a recent grad or someone who has led teams & brought Rx’s fwd?
Drug R&D always risky bet, but latter seems like smarter one
Atlas loves to back first-time CEOs.
— Bruce Booth (@LifeSciVC) October 29, 2021
Of 45 CEOs in our current active portfolio, 71% of them have never done it before. Similar percentage in our 18 public biotech companies.
Taking bets on people by backing first-time CEOs is a huge part of our business
そして、TLを流れてしまうTwitterとは別で、アカウント名が同じブログでの発信も定期的に行っています。記事によってはForbesにも転載されており、自信の記事だけでなくバイオテックの経営者等からの寄稿なども載っています。
最近だと、例えば、このような記事があります。
このような情報発信を行っている理由としては、(日本でも同じかと思いますが)テック領域では起業家もVCも発信を行っている一方、バイオテック周辺ではあまり発信している人がいないことであると述べています。10年以上に渡ってボストン・ケンブリッジ界隈のVCとして書き続けているBruce Boothのブログは、歴史や考え方を知るのに素晴らしい材料だと思います。(と言いながら、自分自身も全部は読んでいないので、是非一緒に読み進めてくれるような奇特の人いましたらご連絡ください!)
First, the life science venture community needs more voices in the blogosphere, as others have mentioned. Despite nearly 30% of total venture dollars going into the Life Sciences, we probably represent <1% of the voices in the startup venture cyber-community. That’s a significant under-weighting. Almost very Tech VC franchise out there has at least one good blogger. Take my partner Fred Destin here at Atlas. I have taken the challenge from Fred and others to give it a shot.
(出典:https://lifescivc.com/2011/03/theres-a-first-time-for-everything/)
また、発信は彼個人だけでなく、所属するAtlas Ventureは1年間の振り返りをしています。自分達のファンドのLP投資家向けのものをyoutube に載せているので、是非、少しでも興味がある人は御覧ください。視覚的にキレイにまとまってます!
(出典:https://www.youtube.com/watch?v=Es1wzWnED-g)
今回は、博士→コンサル/投資銀行→VCっていう、欧米のバイオVCには多いキャリアパスの1人をご紹介しました。情報発信が本当に多いので、英語が苦にならない方は是非Bruce Boothやその周辺の発信を継続的に見てみてください。ポジショントーク含めて、色々と垣間見えて面白いと思ってます。次回はAtlasがどういう形でベンチャーを立ち上げているかを取り上げれたらと思っています。
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