旅するようにアートを巡る。『国際芸術祭あいち2022』in一宮
『国際芸術祭あいち2022』に行ってきた。
この芸術祭は、名古屋市を中心に県内の4つの会場で開かれているのだが、今回はその中の一つである、一宮市の会場へ行った。
一宮市は、名古屋駅から名鉄線やJR東海道本線で15分くらいの場所である。
一宮市へは近いのに行ったことはなく、知っているのは喫茶店のモーニングサービス発祥の地(諸説あり?)だということくらい。今回訪れることになったのは、まさしくアートの力。一宮の会場には、アート初心者の私でも知っている、奈良美智さん、塩田千春さんの作品などが展示されているのである。
そんな一宮会場、3カ所のエリアに分かれているのだが、その中の一宮駅エリア、尾西エリアAへ行ってきた。
一宮駅エリア
一宮駅から歩いて10分くらい、ちょっとレトロな商店街の中にある「オリナス一宮」。奈良美智さんの作品が展示されている会場である。
キャーキャーキャー。
キャーキャーキャー。
とずっと心の中で叫んでいた、いや、マスクしてるからってちょっと小さく声に出してたかも。ミーハーか。
一番楽しみにしていただけに、奈良美智さんの作品が観られて嬉しくて仕方がなかった。写真撮りまくり。
そういえば、最近美術館やこういった作品展に行くようになって驚いたのだが、作品の写真撮影オッケイなところが多いのである。
初めは、撮っちゃっていいの?と、撮りつつもスタッフの目を気にしてドキドキしていたが、後から何度も見返すことができて、とっても嬉しい。当たり前だけど、映えまくりだし。
「オリナス一宮」の近くには他にも会場があったり屋外展示があった。
予想以上に暑く、これ以上歩きたくなさそうな娘に忖度し、このエリアにある他の展示場所へは行かなかったけれど、そこも魅力的だったなぁ(と、帰ってから改めてガイドマップを見返して行かなかったことをちょっと後悔)。
尾西エリアA
再び歩いて一宮駅へ戻り、バスターミナルから名鉄バスに乗って10分ほどの尾西(びさい、と読む)エリアAにある、「のこぎり二」という会場へ。
「のこぎり屋根」の旧毛織物工場が、展示場所である。ここには、ずっと見たかった塩田千春さんの作品が!
どうやってここにこんなにも糸を張り巡らせたのだろう?
首コリをこじらせてあまり上を向けない首で頑張って見上げたりして、じっくりと、まじまじと見た。スケールが大きいのに、とても繊細だ。
この場所でしか表現できない、ここでしか見ることができない、繊維業が盛んだったという一宮のこの建物だからこその作品である。
それはきっと、元々あったものを生かすというとシンプルなことなのだと思う。でも、アートという新しいベクトルが加わると、建物の持つ博物館の展示的な意味ではないもっと別な顔を引き出していて、建物まるごとが一つの世界だった。
娘13歳の感想は、「鬼滅の刃の世界だね」であった。感じ方には、世代差もあるようだ。
このエリアの他の展示会場や、もう一ヶ所の尾西エリアBへは行かず、再びバスで一宮駅へ。駅構内でお茶をして、帰路に就いた。
旅するように「国際芸術祭あいち2022」
というわけで、同じ愛知県内だけど、電車やバスに乗って知らない街へ行ってアートを巡るのは、ちょっとした旅のようだった。
あらためて、音楽もダンスもお芝居も、そしてアートも、やっぱり実際に自分の目で観るのが一番だ。特に多感な中学生には、そんな体験をたくさんしてほしいなと思う。
ちなみに大人はチケット料金が当日1800円だが、中学生は無料だった。なんとも太っ腹である。大いに刺激を受けてくれていたら、母は嬉しい。
美術館へ行くのとはまた違ったアート体験。またどこかへ、旅するようにアートを巡りたい。
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