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詩、短歌

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詩、短歌のまとめ
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記事一覧

一行詩 三篇 (1)

産まれる場所を間違えた私は、いつまでも彷徨う様酔うさまよう。身捨つるほどの祖国もない私に…

今渚
1年前
2

お人よし【詩】【過去作】

家のなかで蜂がバッタリ倒れていた。 死んでは無いがとても弱っている。 クマバチで少し毒性…

今渚
1年前
3

宇宙の果て【詩】【過去作】

21世紀まだ宇宙の果ては解明されてない。 あまりにも広大で今なおも膨張し続ける宇宙という世…

今渚
1年前
3

死んだ目で加工され死んだ目で梱包され死んだ目で出荷され死んだ目で配送し死んだ目で店内に陳列される食品を手に取るぼくらはいつまでたってもうまく生きられない。
【一行詩】

今渚
1年前
3

ぼくの魂が人間の形をしていない、ぼくの魂はぼくだけの神さまの形をしている。
【一行詩】

今渚
1年前
4

冬の音楽【詩】

雨、みぞれ、雪と今宵の天気は移り変わり ポツポツ、パチリパチリ、サラサラと 窓ガラスから響…

今渚
1年前
3

遡上する鮭のようにこころ砕き風を遡行する夜のしじま 【短歌】

積読本があるから死ねない だから永遠に死を選べない
【短歌】

今渚
2年前
1

なぜ人間は労働をしなくてはいけないのか、納得出来る答えを誰も教えてはくれないまま木の葉は散る。
【一行詩】

今渚
2年前
1

燃えよ【詩】

燃えよ 魂とともに 電化製品がLEDライトが 私の火柱を均質にしてゆく 明確な温度を捨てよ 魂…

今渚
2年前
2

足早に太陽は傾斜して 死にたい だけがまた置き去りになる
【短歌】

今渚
2年前
3

リストカット【日記】

「ねぇ~見て!リスカした!」  そう言ってTは袖をまくって左腕を私に見せる。中学二年生の…

今渚
2年前
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レモネードを飲まなければ冷える悲しみを知ることもなかったのに

【短歌】

今渚
2年前
1

とある田舎の公園にて

人気のない 静寂した 田舎の公園を しっかりと しっとりと 練り歩く。 朝雨のせいか 秋の薫りより 土の薫りを 強く感じた。 展望台があったから 湿った落ち葉を踏みしめ 木々のざわめきや 小川のせせらぎを 聴きつつ 登っていく。 …なんてちいさい町だろう。 私の視認出来る範囲に すっぽりと収まって しまうほどしかない。 でも、美しく感じた。 帰り際、慰霊碑を見つけた。 無論、戦没者を祀ったものだ。 そうか。 この私のスケールに収まる それくらいしかない町でも、 町中が嘆き悲