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循環器系は、次の3つの構成要素からなりたっています。

(1)ポンプ(pump)
(2)経路(passageway)
(3)輸送媒体(transport medium)

つまり心臓というポンプから全身の血管を経路として輸送媒体である血液を送ります。したがって循環器系は、心臓と血管から構成される心臓血管系と血液から構成され、心臓血管系の病気と血液の病気が循環器系疾患ということになります。一般的には心臓と血管の病気を循環器系疾患としています。血液の疾患は別疾患群として独立しています。心臓と血管に関連する病気を下表にまとめます。

心臓と血管の病気

心臓と冠動脈を除く血管を末梢血管とする考え方もあります。また、循環は肺循環と体循環に分かれのは言うまでもありません。

循環器系とは

循環器系についてまとめたYoutubeがありましたので以下に紹介します。

循環器系疾患とは

日本人の死因の第1位は癌ですが、世界的には脳心臓血管疾患が第1位となっています。

循環器系疾患の原因となる動脈硬化の危険因子として考えられているものには次のようなものがあります。

動脈硬化の危険因子

脂質異常症、高血圧と糖尿病などの疾患があると加齢による動脈硬化が促進されると言えるでしょう。

冠動脈疾患とは、虚血性心疾患と同義で、WHOによると虚血性心疾患は冠状動脈の疾病経過に伴い心筋への血液供給の減少または途絶に起因する急性・慢性の心筋障害をいいます。確定診断のためには心筋の虚血状態が証明されなければなりません。心臓突然死に占める虚血性心疾患つまり冠動脈疾患の割合は、34.5~80.0%の間にあります。

冠動脈疾患には、急性心筋梗塞と狭心症があります。日本循環器学会によると、日本では冠動脈疾患の中でも急性心筋梗塞が最も多く、全ての心筋梗塞の約9割を占めるとされています。また虚血性心疾患の中の急性心筋梗塞の割合は、45%くらいとなります。

急性冠症候群について

急性冠動脈症候群(Acute Coronary Syndrome; ACS)は、心臓血管疾患の一連の病態を指します。これには、不安定狭心症、非ST上昇型心筋梗塞(非STEMI)、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)が含まれます。これらの疾患は、心筋組織への血液供給を行う血管である冠動脈の血流障害によって引き起こされます。

ACSは通常、冠動脈粥状硬化病変によって引き起こされます。これは血管壁内の脂質の沈着物(プラーク)が形成される過程です。これらの沈着物が破裂または損傷すると、血小板が破裂した領域に集まり、血栓が形成されます。この血流の遮断、心筋の酸素供給不足つまり心筋虚血を引き起こし、適切な治療が行われない場合には心筋梗塞つまり心筋壊死に進展する可能性があります。胸痛で搬送された患者の30~40%が急性冠症候群を発症しているとの報告もあります。






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