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特許分析を行う際の分析軸設定①-特許分類を用いても良いのか?-

技術動向分析や競合他社分析など様々な特許分析がありますが、その際分析軸についてどのように設定しているでしょうか?

今回の記事では「特許分析を行う際の分析軸設定」について取り上げたいと思います。

なお、分析軸は分類項目や分析項目と表現することもありますが、本稿では「分析軸」という呼び方で統一したいと思います。

1. なぜ特許分析の際に分析軸が必要か?

先行技術調査や無効資料調査、侵害防止調査・FTOなどの場合は、発明の構成要素を展開して、調査観点に整理します。

特許分析における分析軸というのはこの調査観点に当たります。

仮に10,000件のある特定テクノロジーに関する母集団(例としてハイブリッド自動車)を作成して特許情報をベースとした技術動向分析を実施することを想定します。

J-PlatPatで2001年1月1日以降の出願で [ハイブリッド,4C,車/TI+ハイブリッド,4C,車/AB+ハイブリッド,4C,車/CL] と検索すると約1.2万件がヒットします。特許分類などを補足すれば1.5~2万件ほどにはなると思います。

分析軸を設定しないと、ハイブリッド自動車の1万件の母集団から分かることは、

・件数推移
・出願人ランキング
・出願人別件数推移

ぐらいしかありません。

2. 分析軸にはどのような種類があるのか?

分析軸にもいくつかの種類があります。大きく分けると、

・テクノロジー的な側面の分析軸
・テクノロジー以外の側面の分析軸(=出願経過情報)

の2つがあります。

テクノロジー的な側面の分析軸は皆さんにもイメージしやすいと思いますが、

・課題・目的
・用途・アプリケーション
・要素・モジュール・システム
・解決手段(=技術)
 -構造
 -材料・組成
 -制御・ソフトウェア
・パラメータ

などが挙げられます(上記は分析軸の大分類に該当しますので、大分類下位の中分類や小分類も設定する必要があります)。

以下のようなFタームの観点を思い起こしていただくと早いかもしれません。

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