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弁理士の日記念ブログ「知財業界での夢と希望」

7月1日は弁理士の日。

毎年ドクガクさんこと弁理士の内田さんが弁理士の日記念ブログ企画を行っていますが、今年のテーマは「知財業界での夢と希望」です。

そもそもなぜ知財業界に入ったか?

「知財業界での夢と希望」について語る前に、まず私自身がなぜ知財業界に入ったのか?を説明したいと思います。

というのも、私自身知財業界に入ろうと思って、大学院を修了して知的財産関連サービス企業である日本技術貿易(NGB)に就職したわけではないからです。

私がやりたかったことは調査・分析やコンサルティングでした。

〇〇総合研究所や外資コンサルなどに入りたいな。。。と思って就職活動をしていたのですが、当時リクルートが大学院生向けに配布していた紙の就職雑誌の「その他コンサル」というカテゴリーに〇〇総研や△△総研と並んで、日本技術貿易が掲載されていました。

業務内容を見ると「調査・分析」と書いてあり、

2001年4月 知的財産に特化したシンクタンク「IP総研」設立

とあったので、なるほどシンクタンク機能もあるから応募してみるか。。。という軽い気持ちでエントリーして、(いろいろありましたが)採用していただき、知財業界に入りました。

2002年4月入社ですので、早いもので約20年近く知財業界に生息していることになります。

調査・分析・コンサルティングを通じて達成したい夢や希望は何か?

というわけで、”知財業界での”という限定付きではなく、調査・分析・コンサルティングを通じて達成したい夢や希望があった上での「知財業界での夢と希望」になります。

端的にいえば、

情報収集・情報分析をより活用して欲しい

となります。

身近な例では、新しいパソコンを買うとき、新しい家電を買うとき、家を買うとき、引っ越し先のマンション・アパートを探すときに情報収集しないで決める人はあまりいないと思います。

企業の現場においても、事業戦略策定や新規事業創出、M&Aなど様々な場面で情報収集・情報分析を行っていると思うのですが、こと企業の現場においては情報収集・情報分析を行わずに、空気によって意思決定がなされてしまうこともあるのではないかと感じています。

よくセミナー・講演で「大本営参謀の情報戦記」という本を紹介するのですが、

情報を軽視するとどうなるかは歴史が明らかにしているとおりです。

経済産業研究所の「企業において発生するデータの管理と活用」を見ると、

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全社的なデータ利活用を推進する部門や担当者を設けていない企業が半数以上を占めています。

もちろん情報収集・情報分析ですべてが明らかになるわけではありませんが、組織的に体系的に情報収集・情報分析を行い、データドリブン・データ駆動型になっていかなければ今後の企業の競争優位性は維持・発展できないのではないかと考えています。

なので繰り返しになりますが、、

情報収集・情報分析をより活用して欲しい

が知財業界に限定しない場合の夢・希望になります。

結局、「知財業界での夢と希望」は何か?

それでは、知財業界に限定した場合の夢・希望はどうなるかというと、

知財情報(特に特許情報)をより活用して欲しい

となります。2017年にイーパテントを創業した際の会社のモットーとして

知財情報を組織の力に®

としたのも、その想いを反映しています。

最近ではIPランドスケープというキーワードの認知度が上がってきて、有料の分析ツールを活用した分析事例などを見る機会が増えました。

一例として旭化成の「中期経営計画 “Cs+ for Tomorrow 2021” の進捗について」で取り上げられているVALUENEXの俯瞰マップがあります。

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それでは、有料の分析ツールを活用しないと特許情報の活用はできないのか?というと、私はそうは思いません(もちろん有料の分析ツールを使った方が分析作業を効率化できますし、有料分析ツールでしかできない分析はあります)。

先日の知財実務オンラインでも貝印の地曵さんが”庶民派”IPランドスケープと題して講演されていました。

詳細はこちらの動画を見ていただければと思いますが、(マップ事例を見ると有料ツールを使っているようですが)「難解なデータや解析を使わない」でも特許情報を経営・事業へ活用できることを示されています。

無料データベースであるJ-PlatPat(特許情報プラットフォーム)と、パソコンにインストールされているMS Excelを使うだけでも十分に分析はできます。イーパテントYoutubeチャンネルでも

のような一連の動画をアップしているのも、中小企業やベンチャー・スタートアップ、特許事務所の方々など有料データベースやツールを導入できない方にも「知財情報(特に特許情報)をより活用して欲しい」という想いがあるからです。

ただし・・・

知財情報(特に特許情報)をより活用して欲しい」というのが私の夢・希望ではあるのですが、知財情報や特許情報だけで何でもわかると言いたいわけではありません。

情報収集・情報分析に組織として取り組む際の1つの情報源として、企業情報、マーケット情報、財務情報、法律・規制情報など様々な情報の中の1つとして知財情報・特許情報も組み込んでいただきたいと考えています。

どういう状況になったら「知財情報(特に特許情報)をより活用している」ことになるのか、明確なゴールが見えているわけではないのですが、いくつか思いつくところを列挙すると、

・MBAの「情報分析」関連科目の中に特許情報が含まれる
・経営層・事業部門やマーケティング部門など、知財以外の部門の方々から「特許はちゃんと調べた?」という発言が普通に出てくるようになる

といったところでしょうか。

キモは「知財以外の部門」というところです。知財関係者は知財の重要性、そして特許情報の重要性について重々理解していますので、知財関係者内だけでクローズしているのではなく、それが知財以外の関係者にも波及してこそ「知財情報(特に特許情報)をより活用している」状態に近づくと考えています。

さいごに宣伝

8月4日に弁理士の日記念ブログ企画者のドクガクさんをゲストにお迎えして、イーパテントYoutubeチャンネルでライブ配信を行います。

企画に参加された方々の「知財業界での夢と希望」ブログを見ながらいろいろとトークしていきますので、ぜひともご覧いただければ幸いです。

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