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【後編:検索報告書に学ぶ】アイロボットのルンバ(掃除ロボット)を例に特許検索を学ぶ

前編中編とお送りしてきた検索報告書に学ぶシリーズですが、今回が最終回となります。

前編中編では

・検索報告書の探し方
・付与されている特許分類と検索式で利用されている特許分類の確認
・検索アプローチの検討(特に無効資料を探す場合)
・追加すべき特許分類の検討
・検索式の検討

について解説してきました。

シリーズ最終回の【後編】では検索式のブラッシュアップと他にチェックすべき書類についてお届けします。

6. 検索式のブラッシュアップ

今回取り上げているアイロボットのロボット掃除機出願、

特開2009-254914特許第4959759号
【発明の名称】デブリセンサ及び清浄装置を操作する方法
【課題】デブリの衝突を瞬間的に感知して応答できデブリセンサを提供する。
【解決手段】本発明の清浄装置のためのデブリセンサは、清浄装置の清浄経路に近接して位置し、デブリに衝突したことに応答して、デブリに衝突したことを示す第1信号を生成する圧電センサ素子と、第1信号を処理して、清浄装置が遭遇しているデブリの特徴を示す第2信号を生成するように動作可能なプロセッサを備え、プロセッサは、第2信号に応答して、清浄装置の動作モードを、変化する回転半径を有するらせん状の移動パターンへ清浄装置の動きを操縦して、デブリを含む領域を対象とするスポットカバレッジモードに変更する。

の公開特許のクレーム1は、以下のようになっています。

清浄装置のためのデブリセンサであって、
前記デブリセンサは、
前記清浄装置の清浄経路に近接して位置し、デブリに衝突したことに応答して、デブリに衝突したことを示す第1信号を生成する圧電センサ素子と、
前記第1信号を処理して、前記清浄装置が遭遇しているデブリの特徴を示す第2信号を生成するように動作可能なプロセッサを備え、
前記プロセッサは、前記第2信号に応答して、前記清浄装置の動作モードを、変化する回転半径を有するらせん状の移動パターンへ前記清浄装置の動きを操縦してデブリを含む領域を対象とするスポットカバレッジモードに変更する、センサ。

補正されて登録特許となっていますが、こちらの公開特許のクレームベースで無効資料調査を行うための検索式について検討していきたいと思います。

構成要素としては

a. 清浄装置(=自走式・ロボット掃除機)
b. デブリセンサ(ゴミセンサ) 
c. 圧電素子・圧電センサ
d. プロセッサ
e. 動作モード(変更)

の5つになります。

公開特許のクレームでは特に自走式・ロボット掃除機に限定しているわけではないのですが、検索式作成の際は自走式・ロボット掃除機を前提として検索式を構築していきます。

またeの動作モードを変更するためには何らかの処理が必要ですので、あえてdのプロセッサを構成要素として含めなくても良いでしょう(eの動作モードにプロセッサの概念が含まれていると考える)。

検索報告書に掲載されている検索式は、

画像1

でした。無効資料調査をする際は、審査官や登録調査機関のサーチャーの方が調べた範囲外から先行文献を抽出しますので、A47L9/28やFタームのテーマコード3B057は使わないで検索式をつくっていきます。

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