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【中編:検索報告書に学ぶ】アイロボットのルンバ(掃除ロボット)を例に特許検索を学ぶ

【検索報告書に学ぶ】アイロボットのルンバ(掃除ロボット)を例に特許検索を学ぶシリーズですが前回の前編では、

・検索報告書の探し方
・付与されている特許分類と検索式で利用されている特許分類の確認
・検索アプローチの検討(特に無効資料を探す場合)

について解説しました。

今回の中編では、追加調査すべき特許分類の検討と検索式の構築について解説していきます。

4. 追加すべき特許分類の検討

4-1. 公報に付与されるIPC・FIについて理解する

改めて今回の取り上げている特許を見てみると、

特開2009-254914特許第4959759号
【発明の名称】デブリセンサ及び清浄装置を操作する方法
【課題】デブリの衝突を瞬間的に感知して応答できデブリセンサを提供する。
【解決手段】本発明の清浄装置のためのデブリセンサは、清浄装置の清浄経路に近接して位置し、デブリに衝突したことに応答して、デブリに衝突したことを示す第1信号を生成する圧電センサ素子と、第1信号を処理して、清浄装置が遭遇しているデブリの特徴を示す第2信号を生成するように動作可能なプロセッサを備え、プロセッサは、第2信号に応答して、清浄装置の動作モードを、変化する回転半径を有するらせん状の移動パターンへ清浄装置の動きを操縦して、デブリを含む領域を対象とするスポットカバレッジモードに変更する。

アイロボットのロボット掃除機「ルンバ」に搭載されているデブリセンサについてです。デブリとは、最近スペースデブリというキーワードを聞いたことがある方もいるかもしれませんが、破片・屑を意味しますので、デブリセンサ=ゴミセンサと捉えて良いと思います。

さて、この特許には

A47L9/28 ・電気器機の設備,例.吸引掃除機の適用または取付け;電気装置による吸引掃除機の調整
A47L9/28@E ・自走式掃除機
A47L9/28@K ・ゴミを検出するもの
A47L9/28@P ・報知部に特徴のあるもの

が付与されていました。

IPCやFIは発明の特徴に対して付与されます(一方Fタームは実施例の記載に対しても付与されます)。そのため、特許請求の範囲でどのように書かれているかで付与される特許分類が変わるのです。

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