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私訳!華厳経 普賢広大願王清浄偈

日本独自の「法身仏教」の在家根本経典として重視する華厳経のなかで、「入法界品」は最も早期に成立した部分と考えられており、中心思想である重重無尽法界縁起の世界観ならびに利他の普賢行の誓願が込められている、まさに華厳経の「エッセンス」と呼べるものである。この入法界品だけをピックアップして翻訳した、般若三蔵訳(798 年)の「大方広仏華厳経入不思議解脱境界普賢行願品」、いわゆる「四十華厳」の偈文「普賢広大願王清浄偈」のハイライト部分を日本語訳した。韻を踏むことも重視したので若干訳に無理がある部分もあろうかと思うが、何卒ご容赦いただきたい。
経典の中には内容よりも読誦そのものの意義が強調されるものもあるが、華厳経に関しては、キリスト教の聖書の如く是非内容を深く吟味して頂いて、その世界観の壮大さに一人でも多くの日本人に触れて頂きたいと願う次第である。

一塵中有塵数刹 一一刹中難思仏  
ひとつの塵に 無数の世界 そのそれぞれに 神が坐す

一一仏処衆会中 我見恒演菩提行  
全ての神に 教えを請いて 我とこしえに 修行せん

普尽十方諸刹海 一一毛端三世海  
四方に広がる この全世界 生きとし生ける 万物の

仏海及與国土海 我遍修行経劫海  
ひとつひとつに 神々が坐す あまねく神と 修行せん

一切如来語清浄 一言具衆音声海  
全ての神の 言葉は清く その一言に すべて込め

随諸衆生意楽音 一一流仏弁才海  
衆生の声を 漏らさず汲みて ひとつひとつに 説き給う

三世一切諸如来 於彼無尽語言海  
過去から未来 全ての神は 尽きることなき 言葉もて

恒転理趣妙法輪 我深智力普能入  
絶えず衆生を 救い給いて 我にも智慧を 授け給う

我能深入於未来 尽一切劫為一念  
我は未来の 世界へ飛びて 永遠の時を 念に込め

三世所有一切劫 為一念際我皆入  
現在も過去も 全ての時に その一念で 舞い戻り

我於一念見三世 所有一切人師子  
永遠のなか おわしますなる 全ての神に まみえれば

亦常入仏境界中 如幻解脱及威力  
その神々と ひとつとなりて 悟りの力 頂きて

於一毛端極微中 出現三世荘厳刹  
ひとつひとつの 塵の中にも 輝き尽くした 世を作る

十方塵刹諸毛端 我皆深入而厳浄  
四方全ての 世界に入り 清く輝く 世に変える

所有未来照世燈 成道転法悟群有  
遠き未来が 今の世照らし 全て衆生を 導きて

究竟仏事示涅槃 我皆往詣而親近  
教え尽くして 悟りに至る 我も未来を 行き来せん

速疾周遍神通力 普門遍入大乗力  
疾風のごとく 駆けつける力 どこへでも行き 救い出す力

智行普修功徳力 威神普覆大慈力  
全てを学び 智を活かす力 みな包み込み 慈しむ力

遍浄荘厳勝福力 無著無依智慧力  
全て明るく 照らし出す力 執着をせず 依存せぬ力    

定慧方便諸威力 普能積集菩提力  
あまた手尽くし 支え合う力 全て集める 信念の力

清浄一切善業力 摧滅一切煩悩力  
全て清める 善行の力 煩悩全て 打ち砕く力

降伏一切諸魔力 円満普賢諸行力  
魔力を全て 抑え込む力 これら普賢の 力を備えん

普能厳浄諸刹海 解脱一切衆生海  
全ての世界を 清らかに 全ての衆生を 悟らせて

善能分別諸法海 能甚深入智慧海  
全ての法を 明らかに 全ての智慧を 身につけて

普能清浄諸行海 円満一切諸願海  
全ての行い 清らかに 全ての願いを 実現し

親近供養諸仏海 修行無倦経劫海  
全ての神を 礼讃し 我永遠に 修行せん

三世一切諸如来 最勝菩提諸行願  
三世の神を 敬いて 最上の悟り 目指す行

我皆供養円満修 以普賢行悟菩提  
我永遠に 修めまつらん 悟りもたらす 普賢行

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