見出し画像

荒野で見た天使

一体どれくらい歩いただろうか。どこまで行っても先が見えぬ、荒野。
訳の分からぬまま、近くにあったシャベルを手に歩き続けた。だがどこまで行っても何もなく、おれの体力は限界に達しようとしていた。

その時何かを見つけた。気力を振り絞り近づく。
女性の死体だ。死体の状態は良く思えた。血と肉で飢えを満たせそうだ。おれは狂った本能に突き動かされ死体に手を触れる。その冷たさが正気に呼び起こす。

死者は弔わなければならない。そうしないと天国に行けないから
そう父が言って、なくなった犬のジョンを埋めた

おれは一心不乱に穴を掘った。ここに辿り着いたのも、シャベルを持っているのも偶然ではない。弔うために呼ばれたのだ!

全てを終えるとオレは倒れた。もう限界だ。おれは使命を果たした。
その時祈る少女を見た
これは天使か。きっと弔ったから天使が迎えに来たのだ。
おれはどうなんだ?墓に入ってないから連れて行ってくれないのか?

【続く】

さぽーとすると映画館にいくかいすうが増えます