公園にいたおじさん
写真と目の前の人物を見比べ、集中する。そして
「右の子がユキ、左がアヤ、真ん中がカエデ」
「ワースゴイ!これ三歳ぐらいの写真なのによくわかるね」
なぜわかるのか自分でもわからない。そしてスゴイと言われるが、スゴイと言われる以外に役に立った覚えがない。
「ねぇ、マキこれ見て」
ユキが見せたのは賞金の付きの指名手配犯の画像だった。
「犯人の顔って結構画像と違うけどさ、マキなら変装しててもわかるよね」
わかる前に指名手配犯なんて近くにいないでしょ。そう言おうとしたとき見覚えのある顔があった。
──
「マキちゃん浮かない顔してどうした?」
公園おじさんが話しかけてきた。登校時間と下校時間に公園にいて近づくと話しかけてくる。
「おじさんってさ、宝くじで大金当てて暮らしてるんだよね?」
「そうだ、10億円当てたんだぞ」
おじさんの定番の返しだ。
「銀行強盗だったりして」
おどけた感じでいった。
おじさんが一瞬止まった。
【続く】
さぽーとすると映画館にいくかいすうが増えます