地獄への道 part2
「キレイに育ってね」
コップに入ったミョウバン結晶に声を掛ける邦夫。声をかけると結晶がキレイに育つ、そんな話を実践してるらしい。
「大きく育ってね」
「ありがとう邦夫くん」
結晶が答える。
「しゃべった……」
「優しい声をかけてくれたおかげだよ」
邦夫は笑みを浮かべる。
「ところで『地獄への道は善意で舗装されている』って知ってるかな」
突然の質問に困惑しながら、邦夫は首を横に振った。
「そうかい、ただね。君の善意のおかげで地獄へと結晶がツナガッテシマッタヨオオオオ」
結晶から角が生え、色が赤に変わり、不気味な光を発する!結晶は地獄の悪魔へと変わったのだ!
「正体を現したか!」
善意にさらされ続けた悪魔は正体を現す。邦夫は結晶の正体に勘づいていたのだ。
CRAAAASH!!!
コップを床に叩きつけた!水がばら撒かれ、結晶は砕ける!だが邦夫は執拗にビール瓶で、破片を押しつぶす。
──
「おいしく育ってね」
野菜に声をかけると、おいしく育つ。そんな話を実践しているようだった。
【続く】
さぽーとすると映画館にいくかいすうが増えます