ロックマン9を俺は認めた
俺の心に残ったゲーム、それはロックマンシリーズだ。ロックマン、ロックマンX、ロックマンDASH、ロックマンエグゼ、ロックマンゼロ、流星のロックマン、ロックマンZX。いずれのシリーズも俺の人生を支えた傑作たちである。
一番思い出深いのは小学生の時プレイしたロックマン7かロックマンワールド5なのだが、あえてロックマン9を上げたい。
まずロックマン9について軽く触れよう。ロックマン9はSFCに出たロックマン&フォルテから10年程度、ナンバリングタイトルのPSのロックマン8から11年ほど後に2008年Wiiその他機種のダウンロードゲームとして生まれた作品である。サブタイトルが野望の復活であり、長らく沈黙していた本家ロックマンの再始動を意識したのであろう。
本作が目を引く点は、FC風ドットである。機種が変わるごとに等身があがっていたロックマンが初期の2頭身に戻ったのだ。ただし音楽やステージギミックはFCを越えたものであり、さらにチラツキもない(設定でアリに出来る)。レトロではなくレトロ風ゲームだった。
さて俺とロックマン9の出会いに移ろう。ロックマンシリーズそのものはロックマンZXや流星のロックマンが出ていたが、先に解説した通り本家シリーズは約10年ぶりの復活であり、俺は9にとても興奮した。しかもドット風という原点回帰が一体どんな風にゲームに作用するのか、あの有名な海外版のトンキチパッケージを意識したイラストも登場とあり、気合が入ってると感じた。
俺は発売と同時にロックマン9を買った……のではなかった。当時の最新ゲーム機を持っていなかったためプレイできなかった。動画サイトでプレイなんかを見て、へぇすごいなぁ~とか思いながら見ていた。その後9の続編、同じくFC風ロックマン10が出たころ、俺はwiiを買い10をプレイした。
ロックマン10の感想を軽く言うと高難度+窮屈。今回の開発は内製ではなくロックマンゼロシリーズの開発であるインティクリエイツであった。ゼロシリーズは高難易度のアクションであり、10も今までのナンバリングタイトルと比べる即死の多さや地形の複雑さなどで難しいものであった。
そして窮屈の点だが、ロックマンはシンプルなアクションでありながらシリーズが出る度に新規アクションや新要素が出て華やかになっていった。だが今回は追加されたアクションを失った初期のロックマンであった。高速移動手段のスライディングすらもたない。高難易度ゆえ何度も死ぬが、その度歩いて戻ることになり、つらい。ロックマンゼロならやりこむほどダッシュで駆け抜けられるようになるのだが、スライディングのないロックマンは歩くしかなく思った以上にやり直しがストレスだった。
一応従来のロックマンの性能に近いブルースがいるのだが、こいつは被ダメージ2倍の特性を持っており、扱いづらかった。
面白いといえば面白いが、期待したほどでもないな、従来と比べて格安の作品だし。と俺は諦め、10を2度ほどクリアしてやめた。せっかくだし9もやるかと俺は9を買った。
そこは10を超える高難易度であった。針、落とし穴といった即死トラップがこれでもかというほど詰められ、ジャンプ位置や高度を間違えば即死というマリオも真っ青のジャンプアクションを強いられるゲームになっていたのだ。
俺は動画を見ていたので、ギミックや抜け方をなんとなく知っていたのに全く手も足も出ず、ロックマンは死に続け、なんとか気合と根性でロックマン9をクリアし、封印した。こんなのロックマンじゃないと。
そして月日が流れ、ロックマンクラシックスコレクションの発売へ。俺は1から順にプレイしていた。そして9をプレイする番がきた。
年を重ね、少しだけ考える力を得ていた。9は難しすぎる、だが楽しい高難易度のゼロシリーズを作ったインティだ。きっと9も楽しむ方法があると。
難しいと思ったステージを楽に抜けられる方法はないかと探した。そして探した結果……あったのだ。どこの難所にもそんなに難しくない方法で抜ける方法が。
例えばジュエルマンのここは歩くと左右に揺れる振り子の上でジャンプしシャッターへ飛び込む。振り子のせいでジャンプタイミングが難しく、距離や高さを間違えればトゲに激突、もしくは穴に落下である。
だがどうにか楽に越えられないか探した結果、実はジャンプは必要なかった。
振り子の動きが止まった後まっすぐ歩いて落ちるだけで良かったのである。そして俺は他のステージの難所も楽に攻略できないかと模索した。
そして一つの記事が出来た。
ラッシュコイルやジェット、色々使って難しいと思っていたところをほとんど楽に通過することが可能だとわかったのだ。つまりインティはちゃんと研究すれば安全な方法がわかるように調整していたのだ。俺は難しいと封印したことを悔い改め、ロックマン9はロックマン&フォルテのように難しく面白いゲームと認めた。
こうして俺はロックマン9はロックマンじゃないという呪縛を解いた。その結果10は9の尖った部分を丸めたようなところがあり、意外と面白みがないかも……と感じるようになったのはまた別の話としよう。
9は世間では良作とされているが、それでも難易度の高さ故諦める人もちらほらみる。だがちゃんと攻略できるようになっているのだ。難しいからとあきらめた人も、難しいと聞いてるから手を出していない人もロックマン9と向き合い、緻密に作られたゲーム性を体験してほしい。
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