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あらすじと感想:新感染 ファイナル・エクスプレス

 今回もあらすじを書く。今回の作品はかなりのお気に入り。ストーリーの使い方が巧みで、この物語はネタバレ等を見ないで見たほうが良い映画だ。ネタバレ見たほうが見る気が出る人もいるが、これは見ない方がいい。話は複雑な内容じゃないが、話の運びがとにかく上手い。そして物語以外にもアクションも豊富でゾンビ嫌いじゃなければ絶対に見てほしいほどエンターテイメント性が高い。あらすじの後に感想を書くがここもネタバレ全開で書くので感想だけ見たい人も映画見てね。

では以下ネタバレを存分に含む、あらすじに入る。読む前にちゃんと映画見ろよな!

あらすじ

 父ソグと娘スアンは別居中の妻に会いに朝早く電車に乗った。電車で痙攣して倒れた客が見つかった。それを駅員が介抱するが突如駅員に向かって噛みつく。そうすると駅員もゾンビのようになり、次々と客を襲い、襲われた客もゾンビになる。逃げ出す客に何事かと様子見していたソグは、目の前からくるゾンビ集団に気付き逃げ出す。大量の客がゾンビ化したものの、ゾンビは扉を開けるほどの知能がないのと、人を見ると興奮するのがわかり、扉を閉めて窓を塞ぐことによりひとまず難を逃れた

 電車は軍が待機しているという駅で停車することになった。ソグは軍のツテで、このまま駅に行けば隔離されることを知り、なんとか自分たちはそうならないように交渉する。スアンは自分たちだけ助かろうとする父を非難した。静まり返った駅に降り人々は出口を目指すが、そこにいた軍はすでにゾンビになっていた。人々はゾンビに襲われながらも電車に走って戻っていった。ソグとガタイの良い男サンファ、高校生のヨングクは最後まで駅の扉を閉めようとしていたため電車に乗ることは出来たが人が集まる安全な車両に乗ることができなかった。

 そこに電話がかかってきて、スアン達(ユンの妻ソンギョン、おばさん、ホームレス)も安全な車両に乗ることが出来ずトイレに閉じ籠っていることと安全な車両の場所がわかった。安全な車両と娘たちが閉じ込められている車両は同じ方向、三人はゾンビがいる車両を移動し救い出すことを決めた。ありあわせのモノを使い、ゾンビたちを蹴散らし進むものの数が多い。だがゾンビたちはトンネル入った瞬間動きを止めた。暗闇では目が聞かず音に反応して動く。この特性を使いトンネルに入った時動く三人。無事娘たちと合流し暗闇に乗じて動くものの ついに ゾンビに見つかってしまった。

 走り安全な車両の扉までついたが偉そうなオッサンが感染者かもしれないと扉を開けてくれない。安全な車両にいたキムの同級生の女子高生ジニの助けもあり開けることに成功したが、開こうとしている間にサンファとおばさんが犠牲になってしまった。ソグはオッサンに怒りをぶつけるが、周りの人間も感染してるかもしれないと連結部にソグたちを隔離、それにジニもついていった。おばさんの妹がゾンビとなった姉と目が合ってしまう。彼女はそれを憐れみ、そして扉を開けてしまった。連結部の扉が赤く染まる。

 電車はゾンビの対応に成功したとされるプサンを目指す。だがプサンの前の駅にはゾンビだらけになって停止した電車が並び、そのうちの一つが横倒しになって線路を塞ぐのだった。運転手は、ここで救助を待つか、動ける列車を探すのでそれに乗るかアナウンスする。そして運転手は動けるモノを探しに走るのだった。ソグたちも電車を降りることに決めた。電車を降りたソグに向かって暴走した電車が突っ込んできて、高校生二人とソグたちに分断されてしまう。高校生たちは助けるのは無理と先に進むが、そこに生存者を犠牲にすることで生き残った偉そうなオッサンがゾンビを連れて走ってくる。そのゾンビにジニは噛まれ、ゾンビになったジニにヨングクも噛まれるのであった。

 一方ソグたちは今に倒れてきそうな電車に挟まれ、押しつぶされそうになっていた。ソグはなんとか隙間を見つけて脱出。皆を出そうとするが瓦礫が降って道が塞がれしまう。ソグが瓦礫をどかそうとしている間に残ったスアンたちにゾンビが襲う。それをホームレスのおじさんが体を張って阻止。その間に瓦礫をどかし二人は助かったが犠牲者がまた出てしまった。ソグたちはゾンビに追いかけられながらも、ゆっくりと走っている列車を見つける。なんとか乗り込むことに成功したが、そこには運転手を犠牲にしたが自分もゾンビに噛まれてしまったオッサンがいた。ソグはゾンビと戦い落とすことに成功したが自身も噛まれてしまう。ソグは二人を運転席に乗せ、スアンが生まれてきたときのことを思いながら電車から落ちるのだった。

 二人は壊れたバリケードのあるトンネルに辿り着いた。そこから列車から降りトンネルの中を歩く。トンネルの向こう側に軍がいた。兵士はスコープで二人を見つけるものの暗がりでゾンビか生存者か判別できない。射殺許可がおり、引き金を引こうとした時歌が聞こえてきた。スアンが父に聞かせるために練習した歌だった。それを聞いた兵士たちは生存者と分かり一斉に駆け出した。

以下感想

感想

 この映画の良い所は電車の中を舞台にしながらも、電車、駅、電車、外と場所が変わり、ついでにアクションも変わるところだ。最初はゾンビが発生して逃げるアクション。次もゾンビから逃げるが舞台は駅、そして発進する電車に戻れるか時間制限もつく。電車内に戻れば逃げるのではなく、ゾンビの中を進まなければいけない。格闘戦、ゾンビになってしまった同級生たちとの出会い、かくれんぼと変わり、救出後はゾンビと生存者たちとの板挟みだ。その後も電車に圧し潰されそうになり、大量のゾンビが列車に捕まり、最後に一対一の戦いと、とにかく同じことの繰り返しにならないように楽しませてくれる。エンターテイメントの塊である。

 そして心打つ物語になったのは、ラストシーンのために物語全てを使い切った所にあると思う。ソグはかなり自分勝手な男だが、それが娘の非難され、サンファに助けられ、自分もみなのため戦うようになり、最終的にかつての自分と重なるような身勝手なオッサンと戦い打ち勝ち、そして死ぬ。主人公が亡くなるのはとても悲しいが、それでもやり切った。そんな父がいたからこそ、娘のスアンが泣きながら父のために練習した歌を歌い、それが兵士の耳に届き助かる。主人公の犠牲なしにはこの最高のラストはなかったはずだ。

 気になる点で善人だった高校生の二人がアッサリ死んだ。分断されたときソグたちを積極的に助けに行かなった点はあるが、それでもあの最後は悲しい。サンファにしろホームレスのおじさんにしろ、最後はかっこよかった。物語の都合で処分された感は無きにしも非ず。二人も別ルートで助かってほしかったが、でも最後を繋げること思うと仕方ないかなぁ。オッサンのヘイト上げの部分もあるし。

 ほんの少しだけ気になる部分もあるも、自分勝手な父がアクションを通して変わり、最高の物語の結末へとつながる。とにかくアクションと物語の融合が高い。本当に良い映画を見た。

さぽーとすると映画館にいくかいすうが増えます