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民間企業で培った経験を行政に活かす!早島町の残業時間13%削減に成功した裏側

「自治体複業は自分のスキルを試せて地方自治体に貢献することが出来るので一石二鳥のプロジェクトです」

そう語った三島さんは早島町全体の残業時間を13%を削減するなど早島町のプロジェクトで大きな成果を挙げられました。今回は三島さんに自治体複業で力試しに挑戦した背景や圧倒的な成果を挙げた秘訣についてお聞きしました。

*プロフィール
三島 浩一 氏/actuarise株式会社勤務

岡山県早島町:業務改革アドバイザー
大阪学院大学を卒業後、パナソニックの関連会社に入社。15年間勤務した後、ITベンチャーや外資系IT企業での勤務を経て45歳でactuarise株式会社を設立。現在はコンサルタントとして、主に地方自治体や中小企業へ業務効率化やDXの支援に携わる。また副業で三味線教室を、週末は芸人としても活動。副業をしている経営者として読売テレビや関西テレビでも紹介される。

自治体複業で力試しに挑戦

就任式のときの記念写真

ーー早島町では業務効率化や職員の意識改革を目指し複業人材を募集していました。なぜそこに三島さんは応募されたのでしょうか?

5年以上前から公務員の働き方にアドバイスをしてきた実績があり、公務員の独特なルールや制度に精通している点が今回のプロジェクトに活かせると思い応募しました。

業務効率化がメインのIT企業に勤めていたとき、顧客の半分以上が地方自治体や教育委員会でした。そのとき行政の職員の方と関わる機会が多く、民間企業と行政とでは働き方に大きな違いがあることを知りました。例えば、役所では数年ごとに全く違う部署へ異動があり、予算は議会によって定められるなど民間企業と異なる点が多いです。

このような制度やルールに加え、自治体は県や国、議会、市民など様々なステークホルダーが関わっている中で仕事をしなければいけません。そのため職員を取り巻く環境やルールについて知っていないと、公務員の働き方についてのアドバイスは出来ないと思います。私は今までの経験から公務員の働き方の知見を深めてきたので、早島町の職員の方のお役に立てるのではないかと思い応募しました。

ーー今までにも自治体と一緒に仕事に取り組まれているとのことでしたが、プロボノで自治体複業に挑戦しようと思ったきっかけは何ですか?

いつもはチームで取り組んでることに個人として挑戦することで、自分の力試しをしたいと思っていたからです。

私は現在コンサルタントとして、主に地方自治体や中小企業へ業務効率化やDXの支援をしています。普段はチームを組んで支援するので、コンサル業務の内の一部分だけを担当してます。なので、最初から最後まで自分の力だけで顧客の課題を解決したことがありませんでした。そのことに不満がある訳ではないですが、どこかで自分の力試しをしたいと考えていた時に自治体複業に出会いました。

プロボノではあるけれど、自分のスキルを試せて地方自治体に貢献することができ、一石二鳥だなと思い自治体複業に挑戦してみようと思いました。

ーー早島町の職員の方はどのような課題を抱えていて複業人材の募集に至ったのですか?

今回のプロジェクトを立ち上げた総務課では、庁内の他の課と比べても残業時間が突出して多いことが課題でした。

どこの自治体にも当てはまる事ですが、総務課が抱えている業務は多岐にわたります。例えば、選挙の管理や自治体内の条例や規定の取り扱いも総務課の業務に含まれることが多いです。

今まで通りの業務の取り組み方だと残業時間が減らず『仕事量が多いから残業して当たり前』と職員が業務改善を諦めてしまいます。その現状を変えるために業務効率化の専門的なスキルを持つ複業人材を募集したそうです。

180分掛かっていたタスクが40分で出来るように!圧倒的な成果を出した秘訣

プロジェクト中に行った職員向けの研修の様子(写真左上が三島さん)

ーー三島さんはどのような目標を設定してプロジェクトに取り組みましたか?

プロジェクトを通して改善したことが明確に分かるように、数字で成果を出すことを意識して取り組みました。

実は複業クラウドを通して自治体複業に挑戦したのは早島町のプロジェクトで2回目です。

初めて自治体複業に参画したときは、短期間のプロジェクトであるにも関わらず、現状の把握に時間をかけすぎてしまい、成果が十分に実感できる前に期間が終わってしまいました。

その反省を基に業務改善前と改善後の変化が数字で分かるようなプロジェクトにすることを目標に設定しました。例えば、1つのタスクに掛かっていた時間を業務改善によってどのように変化したのかを比較することで、客観的に成果が分かるようになります。このように数字で成果を出すことを意識して取り組みました。

ーー以前の自治体複業で得た教訓を活かして、数字で結果を出すことを意識して今回のプロジェクトに取り組まれたのですね。 プロジェクトでは具体的にどのような業務改善を行い、どのような成果が出たのですか?

大きく分けると2つの事に取り組みました。
1つ目は特に時間のかかっているタスクを効率化して作業時間を削減することです。例えば早島町では全職員の残業時間の集計に毎月180分掛かっていました。これほど莫大な時間が掛かっていたのは、勤怠システムから出力した勤怠実績データから手作業で個人や課ごとの残業時間を算出していたからです。これをエクセルの関数を用いて必要なデータを自動で抽出させる仕組みを作ったことで、今まで180分掛かっていた作業を40分で終わらせることが出来るようになりました。

このようにそれぞれのタスクに掛かっていた時間を削減し、結果として全体の残業時間の13%を削減することに成功しました。

2つ目は全庁に向けた研修を実施し、業務効率化のためのコツについてアドバイスしました。業務効率化と言うとシステム導入などで大幅に作業時間を減らす対策をイメージする人が多いと思います。しかし、私が思う業務効率化で大切なことは一つひとつのタスクの作業時間を減らすことを積み重ねることです。

パソコンのショートカットキーを覚えて使うことも作業時間を減らすことに繋がります。
研修ではこのような簡単に始められる業務効率化の方法をレクチャーしたので、アンケートの満足度が100%ととても評判が良い研修になりました。

職員の方と二人三脚で取り組むことがプロジェクト成功の鍵

早島町役場の屋上から見えるまちの様子

ーー今回のプロジェクトでここまで大きな成果が出た要因を、三島さんはどのように考えていますか?

先ほどお話ししたゴール設定に加えて、職員の方と二人三脚で取り組めたことが大きな成果をあげることに繋がったのだと思います。

実は、タスクごとに効率化する仕組みを構築したのは私ではありません。私は効率化する方法をアドバイスしたりサンプルを提供しただけで、実際にエクセルなどのデータベースの改良は総務課の職員の方にお願いしました。このプロジェクトが終了したあとも自走できるように、スキルを身に付けて欲しい思ったからです。職員同士で助け合う環境をつくることが、継続的に成果を出すことに繋がることを学びました。

ーープロジェクトが終わった後の早島町に期待していることはありますか?

今回のプロジェクトの対象となった総務課や議会事務局以外の課でも業務効率化に取り組んで、全庁的に残業時間を削減し、働き方改革が進んでいる自治体としてモデルになって欲しいです。

最終報告会では総務課や議会事務局以外の職員も含めて30人以上参加していたと聞きました。多くの職員に今回のプロジェクトに関心を持ってもらえたことを嬉しく思います。ぜひ総務課の職員の方には他の課に取組内容を広めてもらい、早島町が全庁的に業務効率化に取り組む自治体になっていって欲しいです。

ーー最後に三島さんの今後の展望について教えてください。

全国の自治体に業務効率化のノウハウを普及していきたいです。日本には1,700を超える自治体がありますが、職員の働き方はほとんど変わりません。今回早島町で行った内容はどこの自治体でも通用すると思うので、今回の経験を他の自治体でも活かしたいです。

前に自治体複業に挑戦したときよりも成果が数値で実感でき、より良いプロジェクトにすることが出来ました。次に挑戦するときは今回の挑戦を糧にして更に良い成果を出せるように自分のスキルを磨いていきたいと思います。

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取材、執筆:井原 沙樹

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